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夏こそ夜は料理しない。切るだけ、盛るだけ、調理しても茹でるだけ。お母さんも手を休めて、豊かな時間を【日登美のタベコト in Berlin・51】

  • 2023.7.18
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ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。

夏こそ「ドイツ式・夕飯を作らない暮らし」を

ドイツでは昼ごはんにしか調理をしないことが多いのですが、夏にもなるとますます料理から遠ざかっていく傾向にある気がします。

日本ではお夕飯が楽しみの一つでもあったりするので、夕食を作らない、というのに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。私もかつてはその一人でした。けれど、夕飯を作らないことでできる時間の余裕、心の余裕はそれに代え難いものがあります。

茹で野菜、ご飯と納豆に味噌汁だけで完璧! がんばらない夕飯。

日が長くなる夏、きれいな夕暮れを眺める。いつもより長く子どもを公園で遊ばせながらママ友とおしゃべりを楽しむ。海で過ごす。家の中でゴロゴロしてみる。お母さんの暮らしって、夕方家に帰る、お風呂に入れる、ご飯を作って食べさせて、片付けて、歯を磨かせて、寝かしつけ、というルーティーンが日常。それも大事なことだけど、ちょっとだけ手を休めて、いつもと違うことをしてみると、世界が変わって見えてきます。

全粒粉パンにジャム、良質な乳製品。ドイツは朝も作らない!
料理を簡単にしてくれる本物調味料で焼いただけの野菜もご馳走に。

こうしなくちゃ、と思っていたことがほんの些細(ささい)なことに思えてきます。そのかわりに生きてるって感じられる瞬間を味わえたりします。最後に夕日を眺めたのはいつだったでしょう?

台所をがんばらない。それだけで人生が豊かに感じられます。だからと言って不健康ってわけじゃないんです。ドイツのママたちは、最小の努力で最大の効果を得られる食卓を知っています。

台所をがんばらないで子どもと遊ぶ夏休み!

全粒の黒いパンに塗るのは種類豊富な野菜とナッツのペースト、それにチーズやハムなどを好みで用意します。サラダにきゅうりにトマトなど生野菜をたっぷりと。食後に旬の果物、つまみにさまざまなナッツ類、そういうものを常に食卓に出します。これらの質のいい新鮮な食材があれば、必要なビタミン、ミネラル、タンパク質、糖質もしっかり摂れる。だけど料理はしてない。切るだけ、盛るだけ、調理しても茹でるだけ。夏に最適です。しかもそれぞれが好きに食べられるので、食べ残しでイライラすることもない。一石二鳥です。

食卓をシンプルにすること、がんばらないこと。それは私がドイツママから習った暮らしを豊かにするヒントです。

夏は色々野菜でサラダが便利。茹でた麺と合わせたら立派な一皿に。
おやつだって旬のベリーをつまむだけ。酸味のあるフルーツはビタミン豊富で栄養価も高くおすすめ。
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