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意外と知らない「観葉植物」の定義 サボテンは入る?

  • 2023.7.14

「最近よく葉が落ちるけど何が原因なのか分からない......」
「大きくなってきたけど、植え替えた方がいいのかな?」
「ちゃんと水をあげているのに枯れちゃった......」

意外と寿命が短く、手入れの際には悩みが尽きない観葉植物。2023年7月7日に発売された園芸家・川原伸晃さんの新著『プランツケア 100年生きる観葉植物の育て方』(サンマーク出版)は、そんな悩みを解決する持続可能な「植物ケア」入門書だ。今回はその中から、観葉植物の定義について紹介しよう。

浸透した定義はない

パキラやガジュマル、最近では多肉植物やエアプランツなど、さまざまな品種が販売されている「観葉植物」の世界。ところが、川原さんによれば、「観葉植物」の定義は植物店によってさまざまで、世間一般に浸透した共通認識は存在しないという。

しかし、一口に観葉植物と言っても、亜熱帯性植物(ゴムノキなど)と熱帯性植物(プロメリアなど)、多肉植物(サボテンなど)、着生植物(ビカクシダなど)など、その種類はさまざま。正確な定義がないと、育て方も生態も多種多様な植物の話が混同され、とても細やかなケアを行うことはできない。そこで、本書では川原さんオリジナルの定義が紹介されている。

サボテンを日本で育てるのは難しい

本書では、観葉植物は「亜熱帯性植物」と定義される。これは、品種で言うと、ゴムノキ・パキラ・ガジュマル・ポトス・サンセベリア・モンステラなどを指す。「亜熱帯」は一般的に熱帯と温帯の間をさす言葉で、イメージとしては沖縄や台湾などが近いとされる。

なぜ、さまざまな種類の観葉植物がある中で、亜熱帯性植物だけを含む狭い定義を採用するのか。実は、砂漠で育ったサボテンのように日本からかけ離れた環境で育つ植物を、日本で適切にケアしながら育てることは極めて困難だという。

川原さんの営む観葉植物専門店「REN」では、観葉植物を枯らさずに、長く一緒に暮らしていくことを重視している。そのため、日本で育てるのに適した品種である亜熱帯性植物だけを観葉植物として販売しているのだ。

【目次】
◎ケアに適した品種
◎日中に読書ができる自然光
◎ゆるやかな空気の流れ
◎土壌をフカフカにする団粒構造
◎根の大半は微生物?
◎欠かせない「マルチング」
◎自然現象と注意が必要な枯葉の見分け方
◎植え替えると大きく育つ?
◎剪定についてのよくある誤解
◎よみがえる植物

■川原伸晃さんプロフィール
かわはら・のぶあき/園芸家。華道家。創業1919年いけばな花材専門店四代目。1981年東京都生まれ。18歳のとき、オランダ人マスターフローリスト、レン・オークメード氏に師事。オランダ最大の園芸アカデミーWellant College European Floristry修了。2005年、観葉植物専門店「REN」を立ち上げチーフデザイナーを務める。2010年、経済産業省主催のデザイナー国外派遣事業に花卉園芸界の日本代表として選出される。2011年、花卉園芸界のデザイナーとして史上初めてグッドデザイン賞を受賞。REN開業時から植物との持続可能な暮らしのサポートを掲げ、購入した植物のアフターケアに取り組んでいる。健康診断や出張、引越し対応、ホテルなど、ご利用者のライフスタイルに合わせたきめ細やかなサービスを「プランツケア(R)」として提供。業界初の植物ケアサービスとしてメディアからも注目を浴びている。

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