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夫の浮気を許すのがいい女? 「クソバイス」をはね返す護身術

  • 2023.7.13

「職場のトイレで泣いていた全ての私たちへ」――。

自らの重い経験も笑いに昇華してしまう、軽妙な語り口に定評のある作家・アルテイシアさんの人気作が文庫化された。

『モヤる言葉、ヤバイ人から心を守る 言葉の護身術』(大和書房)は、「モヤる言葉」に言い返す方法や「ヤバイ人」から身を守る方法など、言葉の護身術が満載の痛快・爆笑エッセイ。2021年に発売された人気作が、待望の文庫となった。

特別付録として、弁護士で『これからの男の子たちへ』(大月書店)著者の太田啓子さんとの対談「今知っておきたい『法律の護身術』」も収録。「実際にハラスメントに遭ったらどうする?」「性被害に遭ってしまったら?」など、法律の知識まで学べる。

女子を困らせる「ひと言」を元気よくバットでかっとばす、現代をサバイブするための必読書だ。

男性に都合のいい言葉

2章「迷惑すぎるクソバイス アドバイス型『モヤる言葉』」では、いかにもこちらのことを思って言っているアドバイスの体で、実際はモヤらせるだけな数々の言葉たちを紹介している。

「子どもを産めば、仕事の幅が広がるんじゃない?」「私だったら笑顔でかわすけど」「女子力磨けば結婚できるよ」......あるあるだけど、人によってはモヤってしまう「クソバイス」。中でも気になるのが、こんな発言だ。

「夫の浮気を許すのがいい女」

芸能人のスキャンダルなどがニュースになると、SNSでよく目にするかもしれない。だが、著者のアルテイシアさんは、「男性に都合のいい言葉オブ・ザ・ワールド」と一蹴し、こう怒りをあらわにする。

「ジェンダーギャップ指数120位(※)のヘルジャパンは明治から変わらず、男に都合のいい国家なのだ」
「妻の妊娠中や出産後に浮気する夫の話も、耳が腐るほど聞いてきた。『妻がかまってくれなくなった』『子どもができて妻が変わってしまった』と妻に責任をなすりつける夫を見ると、口からウミウシを産みそうになる。そいつらみんな、来世は性別のないウミウシに転生するがよい」
※2021年当時の順位。2023年のジェンダーギャップ指数は125位で過去最低となった。

もしも......友人に「夫の浮気を許すのがいい女」と言われたら。その人は、いつのまにか無意識にそう刷り込まれてしまっているのかもしれない。自分が傷ついていると認めたくなくて、平気なフリをしているのかも......そんなふうに想像を巡らせてみると、少し「モヤモヤ」がマシになる気がしてくる。

「職場のトイレで泣いていたあなたが、どうか元気にすこやかに暮らしてほしい」、そんなアルテイシアさんの願いが込められた本書。仕事用のカバンに、お守りとして入れておきたくなる1冊だ。

【目次】
1章 悪気はないかもしれないが 褒めるフリをした「モヤる言葉」
2章 迷惑すぎるクソバイス アドバイス型「モヤる言葉」
3章 セクハラ・パワハラのセパ両リーグ開幕! 女性を標的にする「ヤバイ人」
4章 言葉の護身術でブロックしよう! 距離をとるべき「ヤバイ人」

■アルテイシアさんプロフィール
作家。神戸生まれ。オタク格闘家との出会いから結婚までを綴った『59番目のプロポーズ』(美術出版社)でデビュー。同作はTVドラマ化・漫画化もされた。著書に『生きづらくて死にそうだったから、いろいろやってみました。』(講談社)、『自分も傷つきたくないけど、他人も傷つけたくないあなたへ』(KADOKAWA)、『ヘルジャパンを女が自由に楽しく生き延びる方法』(幻冬舎文庫)、共著に『田嶋先生に人生救われた私がフェミニズムを語っていいですか!?』(KADOKAWA)他、多数。

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