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【大阪】大阪中之島美術館「民藝」がテーマの展覧会! 見どころを紹介

  • 2023.7.12

9月18日(祝・月)まで、大阪中之島美術館(大阪市北区)で開催中の「民藝 MINGEIー美は暮らしのなかにある」の記者内覧会に行ってきました。同館初の民藝をテーマにした展覧会。館長の菅谷富夫さんは、「美と暮らしを見つめなおすまたとない機会。楽しんで民藝の美しさを感じ取ってもらえれば」と、同展への思いを話します。※主催=大阪中之島美術館、朝日新聞社、東映。

1941年のモデルルーム展示を再現

約100年前、思想家・柳宗悦が、職人が作り、普段使いしている物が持つ美しさを世に説いていったのが「民藝運動」です。柳宗悦は、物を集めて展示するのではなく、自分たちの生活で使っていくことを実践したそう。まさに「用と美」のスタイル。今回の展覧会も、巧妙な芸術品を鑑賞するのとは一味違う、暮らしや使う人の温度が感じられる展示でした。

同展は3章構成。見どころを少しずつ紹介していきます。

第1章は「1941生活展」。

出典:リビング大阪Web

1941年の日本民藝館「生活展」を再現。民藝を活用した実例、さながらモデルルームといった風情です。当時は実際に椅子に座ることもできたそう。まったく意図は異なりますが、イケアの展示のさきがけのようですね。

テーブルは(元谷壽治 1934年頃)鳥取の新作民藝の一つで、柳邸の応接室にあったもの。つややかな木の曲線が美しいです。イス(ラバーバックチェア 1930年)はイギリス製。国が違っても不思議と調和がとれています。らせん状のモダンな燭台は、朝鮮半島で1930年代に作製されたそう。今見ても素敵なデザインですね。※いずれも日本民藝館所蔵。

衣・食・住からひも解く民藝

第2章は「暮らしのなかの民藝」。

出典:リビング大阪Web

1つ目のテーマは「衣」を装う。手前は配色が絶妙な「裂織丹前」(越前 江戸~明治時代 日本民藝館)。「裂織」とは、糸をほどいて別の織物にした着物のこと。平たくいえばリサイクル品です。衣類が貴重だった江戸時代の暮らしの工夫から生まれたものですが、いつの時代もセンスのいい手仕事をする人がいるものですね。奥はスカッとした模様が粋な「菊に桐文被衣」(東北地方 江戸時代19世紀 静岡市立芹沢銈介美術館)。身分の高い女性が姿を隠すために、頭の上から被ったものだそうです。

出典:リビング大阪Web

2つ目のテーマは「食」を彩る。手前の茶碗籠(備後府中 1930~40年代 日本民藝館)、「雑用の品」という位置づけだそうですが、もはや「用」から解放され「美」が残ったといってもいいくらいにオシャレです。

出典:リビング大阪Web

3つ目のテーマは「住」を飾る。抜群の存在感を放っていた桐の「箪笥」(江戸~明治時代19世紀 静岡市立芹沢銈介美術館)。金具は装飾として、また補強として施されています。見ていて安定感を感じるのは、横十字のせいなのか、ほぼシメントリーなデザインのせいなのか…。

第2章では、トピックとして沖縄をクローズアップ。古い歴史、独自の文化・風習がはぐくんだ品々を見ることができます。

現代のライフスタイル×民藝で広がる魅力

第3章は「ひろがる民藝」。 柳宗悦の没後も民藝は、ときに新しいエッセンスを取り入れながら広がりを見せています。なんといっても生活の中に生きる品々ですから、人の暮らしに民藝あり!ということで、途絶えることはないのではないでしょうか。ここでは、「『世界の民芸』」「民藝の産地」とパートに分けて紹介されています。

出典:リビング大阪Web

特に5つの場所を取り上げる「民藝の産地」では、小鹿田焼(大分)や丹波布(兵庫)など、民藝ファン」になじみ深いものが登場。写真の八尾和紙(富山)の製品は、ロングセラー商品です。人気の北欧インテリアとも相性が良さそう。

最後は、ビームスのディレクターとしていち早く家具や手工芸品をファッションの場で取り扱ってきた、テリー・エリスと北村恵子(MOGI Folk Art ディレクター)による、インスタレーションで締めくくり。

出典:リビング大阪Web

モデルルームに始まりモデルルームで終わる…。昔と今のコントラストを垣間見ることができます。現代風の暮らしの中に顔を出す民藝の数々。この部屋の住人はきっと、眺めては喜び、使っては喜び、「用と美」を体現しているのではないでしょうか。

焼き物からオリジナルグッズまで購入OK!

すっかり民藝の世界に浸った後は、「ひろがる民藝」を購入して帰ることができます。優れたデザインのものを暮らしの中で使えるなんて、ちょっとぜいたくですよね。

出典:リビング大阪Web
出典:リビング大阪Web
出典:リビング大阪Web

もちろんこれらは一例で、本当にたくさんの商品がありました。図録や展覧会オリジナルグッズも販売。※商品画像はサイトやSNSで告知されているものと、実際の色や形などが若干異なる場合があります。また、入荷状況はそれぞれに商品によって異なります。

「民藝って古い感じがするな」と思っている人も、ぜひ一度見てみてください。古さの中に新しさが見つかるかもしれませんよ。

民藝 MINGEIー美は暮らしのなかにある

・期間 9月18日(祝・月)まで ・休館日 月曜(7月17日、9月18日は開館) ・会場 大阪中之島美術館(京阪渡辺橋駅歩5分)4階展示室 ・料金 一般1700円、高大生1300円、中学生以下無料 ・電話 06-4301-7285(大阪市総合コールセンター)

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