【『トンイ』の鮮烈ヒロイン】ハン・ヒョジュのつらい撮影を支えたものとは?

「大好きな韓国時代劇は?」というランキングを調べると、かならずトップ3に入ってくる『トンイ』。本当に人気が持続しているドラマだ。

主役はもちろんハン・ヒョジュ。彼女がヒロインのトンイを明るく演じて、ドラマはいつも華やかさに包まれていた。

そんなハン・ヒョジュが来日して渋谷のNHKで記者会見を開いたのは2011年3月だった。このとき、彼女は『トンイ』の撮影時の苦労話を印象的に語っていた。

「精神的につらかったのは、1週間の中でいろんな出来事を次々に撮影したことです。たとえば、最初に生まれた子供が死んでしまったのに、すぐに次の王子を産むというシーンを撮りました」

このように、悲しい場面を沈痛に演じたあとで、すぐに気持ちを切り替えてまったく違うシチュエーションの場面をあわてて撮らなければならず、状況に合わせて表現を変えるのが大変だったという。

「多くのことを自分なりに吸収して演技をしなければならなかったので、精神的にも難しかったと思いました。いろいろと苦労はありましたが、すべてが自分の助けになってくれたと思います」

このように、撮影を通して自分が女優として成長していけることをハン・ヒョジュは実感したという。特に共演のチ・ジニが適切にアドバイスをしてくれたそうだ。そのことに関してハン・ヒョジュはずっと感謝していた。

記者会見のあとにメディアごとの撮影会があり、このときはハン・ヒョジュと好きな食べ物のことが話題となった。彼女はきっぱりと「豚足が好きです」と語っていた。

「『トンイ』の撮影で疲れたときにも豚足をよく食べました」

このようにハン・ヒョジュは撮影当時を思い出して微笑んだ。その表情を見ていたら、「本当に豚足が好きなんだなあ」と思えた。

あのときのインタビューから12年が経過した。ハン・ヒョジュは今もトップレベルの活躍を続けている。かつて大好物だった豚足を相変わらず食べ続けているのだろうか。そのことがとても気になってくる。

文＝康熙奉（カン・ヒボン）