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サラリーマン増税へ!「給料所得控除」は自営業よりオイシイのか?

  • 2023.7.12

サラリーマンなどに適用される給与所得控除について、「(自営業などと比べて)相当、手厚い」と政府の税制調査会が指摘しており、この控除が見直されるのではないかと言われています。もしそうなると実質、増税されることになりますが、果たして会社員などが受けられる給与所得控除は本当に手厚いのでしょうか?

■サラリーマンの場合──収入の3割程度の控除が受けられる

サラリーマンの場合、おおむね収入の3割程度の控除が一律で受けられますが、これは自営業者にはなく、「お得すぎないか」といわれているわけです。

控除とは、所定の額を収入や所得から差し引いて税金を計算する際の課税所得を減らすことで、税金が安くなる仕組みのことです。

給与所得控除は年収によって変わりますが、おおよそ3割が収入から差し引かれます。たとえば年収400万円の人は124万円の給与所得控除が受けられます。

なぜこうした控除があるかというと、サラリーマンならスーツなど収入を得るために一定の費用(経費)がかかると考えられるからなのですが、ほとんどの人は年収の3割も経費がかからないでしょう。

このように、年収に応じて誰もが控除を受けられるのはサラリーマン特有のメリットといえます。

なお自費でスクールなどに通う人は、給与所得控除の2分の1を超える金額について特定支出控除を受けられます。

ただし、原則として職務に直接必要なものに限られるため、現在の仕事にまったく関係ない知識を学ぶための“自己投資”には、適用されません。

■自営業者の場合──最大65万円の控除が受けられる

これに対して、自営業者の場合(e-TAXなどを通じて青色申告を行う個人事業主)は一律で最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。加えて、事業に使うパソコンなどの備品や家賃の一部、交際費などを経費にできます。

経費にできるものは事業内容などによって異なりますが、たとえば、年商400万円の自営業者でも青色申告特別控除と経費を合わせて124万円以上にできます。

また、売り上げが増えた年に翌年分の国民年金保険料を前納する、iDeCoの掛金を月6万8,000円にするなど、サラリーマンにはできない節税も自営業者ならできます。

■サラリーマンが特に手厚いとはいえない……ではどうすればいい?

このように比べると、サラリーマンは、経費を使っていなくても控除が受けられるものの、自営業者は最大65万円の青色申告特別控除があり、そのほかにも経費にできる範囲がそれなりにあることから、サラリーマンの控除のほうが特に手厚いとはいえないでしょう。

特に、現在の職業に直接関係ないことを“自己投資”として学び、異なる職種や業種に転職をしたいサラリーマンは、自営業者と比べて金銭的な負担は大きくなるといえます。なぜなら、自己投資の金額は高額になっても、給与所得控除は増えないからです。

こうした現状や、自営業者との違いを踏まえて、節税するにはどうしたらいいのでしょうか。

まず将来を見据えて、本業と関係ない分野を学ぶことにもお金をかけている人(自己投資の額が多い人)は、学ぶだけでなく副業として始め、経費として落とせるように売り上げを伸ばしていったほうがいいかもしれません。

そのつもりがない人でも、ふるさと納税やiDeCoなどで税負担を減らす方法はあります。

文・北川真大(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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