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梅雨を指す言葉のひとつ「青梅雨」とはどんな様子?その由来は?

  • 2023.7.11
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雨が多く降るという印象も抱かれやすい梅雨。 この梅雨をあらわす言葉のひとつとして「青梅雨」があります。

これは、ちょうど梅雨に見られる光景から来たとされています。

そこでここでは、「青梅雨」という言葉について見ていきましょう。

「青梅雨」とは

 

まずは青梅雨がどのような気象用語なのかを見ていきましょう。

青梅雨があらわす光景

梅雨に本格的に突入すると雨が降り続きるので、植物が日光を浴びる機会が減ります。 しかし、梅雨入り前の初夏の間に陽射しをめいっぱい浴びた植物や木々の葉や草が青々と色濃くなる時期です。 青梅雨は、こうした青々とした植物に雨が滴る様子を描写した言葉となります。

また、植物や木々の葉や草が雨に濡れることで青々として見えることから来ているともされています。

青梅雨は梅雨の異称

青梅雨は、梅雨の言い換え表現のひとつといえます。 特に、梅雨の雨が当たるのが青々とした植物や木の葉であることを強調した名称となります。

他にもある梅雨の異称・別称

 

梅雨の異称であったり別の表現というのは「青梅雨」だけではありません。 たとえば「虎が雨」や「薬降る」という名で表現されることがあります。

では、これらはどのような雨を指しているのでしょうか。

虎が雨

「虎が雨」は、旧暦5月28日に降る雨とされます。 現在の暦では6月下旬から7月中旬ごろに当たります。

その由来には、日本三大仇討ちのひとつ「曾我兄弟の仇討」が関わっています。 1193(建久4年)年5月から長期に渡って、源頼朝は御家人を集めて「富士の巻狩り」という大規模な巻狩りを富士で行いました。 この時、父親の仇討ちをすべく曾我祐成・時致兄弟が御家人の工藤祐経を殺害するという事件が起きました。

父親の仇討ちを果たした曽我兄弟でしたが、兄の祐成はその場で工藤祐経の配下に討たれてしまっています。 それを知らされた祐成の愛人「虎御前」は悲しみから涙をこぼしました。

曽我兄弟が敵討ちを果たした5月28日は雨だったことから2つは結び付けられて、旧暦5月28日に降る雨のことを「虎が雨」というようになったとされます。 虎が雨の虎は、動物ではなく虎御前という女性の名前から来ていたのです。

旧暦5月28日が梅雨シーズンに当たることから、その後梅雨の別称として用いられるようにもなったのです、

薬降る

「薬降る」は、旧暦5月5日の正午に降る雨のことです。 この雨水で薬を作ると薬効が優れるであったり、雨が降り注いだ薬草を煎じて薬とすると優れた薬効になると伝えられてきました。

この伝承を由来として「薬降る」と呼ばれるようになりました。

梅雨の雨にも種類はある

 

梅雨の雨の降る方は、いくつか種類があります。 ここでは、「陽性梅雨」と「陰性梅雨」について見ていきましょう。

陽性梅雨

梅雨には、短時間の間ににまとまって激しい雨が降るものの、その後はスッキリとした晴れ空が広がることもあります。 温度が高いこともあるこの変化の激しい雨の降り方は、「陽性梅雨(ようせいばいう)」と呼ばれることがあります

陰性梅雨

シトシトと長い時間に渡り雨が降り続ける雨。 激しい雨こそ降りませんが、曇りになることも多いこの天気を「陰性梅雨(いんせいばいう)」と呼ぶことがあります。

まとめ

「青梅雨」は、梅雨の異称のひとつです。 これは、新緑の時期に青々と育った植物の草や木の葉に雨が滴る様子だったり、植物に降りそそいだ雨がその姿を青々としたものに見せることから来たとされています。

青梅雨のように、梅雨の別称となる言葉は他にもあります。 たとえば「虎が雨」であったり、「薬降る」がそうです。

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