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サッカー韓国代表に続く“大エース”の系譜…PSG移籍のイ・ガンインが切り開く「新時代」とは

  • 2023.7.11

いよいよ韓国サッカー界に“イ・ガンイン時代”が開かれる。

この20年間で韓国サッカーをけん引してきた2人のスーパースターを挙げるならば、誰もがパク・チソンとソン・フンミンの名前を出すだろう。

かつて京都パープルサンガ(現・京都サンガF.C.)でプロデビューし、2002年日韓W杯を通じてスターダムにのし上がったパク・チソンは、2005年のマンチェスター・ユナイテッド加入以降から本格的に韓国サッカーの柱として位置づけられるようになった。

それから18年が経った現在も、「海外(ヘウェ)サッカーの父(アボジ)」の略語である「ヘボジ」の愛称でサッカーファンに親しまれるなど、強烈な存在感を放っている。

韓国国内では、今こそプレミアリーグをはじめとする欧州サッカーが広く親しまれているが、かつてはマニア中のマニアだけが見るものだった。ただ、パク・チソンを通じて、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)をはじめとする欧州サッカーの存在が大衆化されるようになった。

パク・チソンはマンチェスター・Uの黄金時代に活躍したメンバーだった。チーム内では脇役の役割だったが、韓国代表では不動のエースだった。

中継画面に映される「パク・チソン(マンチェスター・ユナイテッド)」という表記だけでも、韓国サッカーファンは自負心を感じたものだ。間違いなく疑いの余地のない、誇らしいキャプテンだった。

そのパク・チソンからバトンを受け継いだのがソン・フンミンだ。

パク・チソンの11歳年下であるソン・フンミンも、先代のようにプレミアリーグで結果を残し、代表でも心強いキャプテンとして定着した。

2015年夏のトッテナム移籍後、当初は適応に苦しんでいたが、時間が経つにつれてチームに欠かすことのできないスターへと浮上した。

昨季のトッテナムは不振に陥ったが、プレミアリーグではビッグクラブの系列に入るチームの一つだ。2018-2019シーズンにはCL決勝にも進出した。

欧州で着実に結果を残す過程で、ソン・フンミンにも“オーラ”が生まれ始めた。実際、2018年から韓国代表のキャプテンを任されると、2021-2022シーズンのプレミアリーグではアジア人史上初の得点王に輝いた。今やサッカーの垣根を超え、韓国スポーツを代表する最高のスター選手と言える。

左からパク・チソン、ソン・フンミン、イ・ガンイン

パク・チソン、ソン・フンミンと続いてきたエースの系譜はイ・ガンインにまで到達した。

イ・ガンインはパリ・サンジェルマン(以下、PSG)加入で“ビッグクラブ所属”というオーラを得た。

PSGはUEFAクラブランキング6位のメガクラブであり、経済紙『フォーブス』が5月に発表した「世界で最も価値あるサッカークラブ」でも7位にランクインした。

リーグ・アンのレベルが相対的に落ちるとはいえ、PSGには昨季までアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(36)がプレーし、現在もブラジル代表FWネイマール(31)らが在籍するなど、トップレベルのスター選手を多数擁している。

PSGは確固たる実力とスター性なしでは簡単に加入することのできないチームだ。そんなスター軍団が、イ・ガンイン獲得のために2200万ユーロ(日本円=約34億4200万円)という移籍金を支払った。

来季はイ・ガンインもUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の舞台に立つ。より華やかなスポットライトを浴びてプレーする彼の姿を見ることができる。

代表では依然としてソン・フンミンが最高のスター選手だ。ただ、そんな彼も今月8日に31歳の誕生日を迎えた。いつまでもソン・フンミン一人が看板選手の役割を果たすことはできない。

実際、最近の韓国代表選手の人気を見ると、イ・ガンインが尋常ではない勢いで注目度を高めている。

PSG加入発表後、イ・ガンインのインスタグラムフォロワー数は100万人を突破した。

2001年生まれのイ・ガンインは、ソン・フンミンの後を継ぐ韓国代表エースになるだろう。

実際、マジョルカでプレーした昨季はリーグ戦36試合出場で6ゴール6アシストを記録。1試合当たりのキーパス数1.5回、ドリブル成功2.5回と優秀な活躍を見せた。PSGに入団したのも、結局は実力を高く評価されてのことだ。

そもそも、イ・ガンインはサッカー選手として独特のストーリーを歩んできた。幼少期に出演したサッカーバラエティ番組『飛べ、シュットリ』(原題)を通じて幼くしてその名を知らせ、人生は“トゥルーマン・ショー”そのものとなった。

2011年にバレンシア下部組織に入団後、韓国国民はイ・ガンインの成長過程を注意深く見守ってきた。

そして、2018年10月にトップチーム・デビューを飾った後、2019年のU-20W杯で韓国を準優勝に導き、自身も大会最優秀選手に贈られるゴールデンボールを受賞。以降、マジョルカに移籍して活躍するまで、イ・ガンインは常に全面的な支持と応援のなかで成長を遂げてきた。

カタールW杯以前にパウロ・ベント前監督がイ・ガンインを招集しなかった際には、多くのサッカーファンがイ・ガンイン招集の必要性を強く主張した。実力も当然ながら、情緒的な面でもイ・ガンインは人々を魅了する素質を持っている。

いずれソン・フンミンが韓国代表を退くときが来れば、その時点から新たなエースはイ・ガンインになるだろう。

後方にはキム・ミンジェというワールドクラスのDFもいるが、攻撃でチームをけん引するイ・ガンインは、パク・チソンやソン・フンミンがそうだったように、格別なオーラを発揮してチームの柱になるはずだ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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