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【貞明公主スキャンダル】華麗な王妃と王女はなぜ不敬罪だと糾弾されたのか

  • 2023.7.11
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ドラマ『華政(ファジョン)』の主人公は、後に大富豪としても知られた貞明公主(チョンミョンコンジュ)である。美しく演じたのは女優のイ・ヨニだ。ドラマでは、結婚式のシーンは、反乱の最中であったために質素に行なわれたが、実際の歴史では結婚式がとても盛大だった。ドラマと史実はまったく違ったのだ。

そこで、結婚式での有名なエピソードを紹介しよう。

朝鮮王朝時代、国王が乗る馬のことを「御乗馬(オスンマ)」と呼んだ。この馬は絶対的な存在で、その姿を見つけた民衆は、たとえ王が乗っていなくとも頭を下げ、尊敬の念を示さねばならなかった。その重厚な存在感をもつ御乗馬が、信じられないことに、仁穆(インモク)王后の指図によって娘の貞明公主の結婚式に用いられたのである。

当時の上流社会では、新郎が馬に乗り新婦の家に向かうというのが通例だった。必然的に、貞明公主の夫も馬に乗り王宮に進むこととなるが、驚くべきは仁穆王后が命じたその馬が国王専用の御乗馬だったのだ。

この出来事は後に大きな問題となった。

「あまりに不敬罪だ」

「御乗馬を無断で使った罪で処罰せよ」

このような声が重臣たちの間から一気に上がった。

『華政』ではイ・ヨニが貞明公主を演じた(写真=MBC『華政』韓国ポスター)
格式が高い結婚式

一体、その時の16代王・仁祖(インジョ)はどのような反応を示したのだろうか。彼は、勝手に御乗馬を使われたにも関わらず、仁穆王后の行為をまったく問わなかった。国王である彼が面白く思わないのは自明の理なのだが、だからといって事を荒立てなかった。

なんといっても仁穆王后の立場は大妃(テビ/王の母)であった。さらに彼女は、仁祖がクーデターを起こして光海君(クァンヘグン)を追放した時に大義名分を与えるという功労者だ。その存在に対する負い目があったのだ。

結局のところ、仁祖は仁穆王后に対する「借り」があり、御乗馬の問題も大目に見ざるを得なかった。その結果として、貞明公主は高貴な御乗馬を使って格式が高い結婚式を挙げることができたのである。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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