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BLACKPINKジェニーに少女時代のユナも。女優として活躍する“演技ドル”たちの裏事情

  • 2023.7.9

ハリウッドの音楽業界の舞台裏だけではなく、成功や名声の暗部を赤裸々に描くアメリカのドラマ『THE IDOL/ジ・アイドル』(U-NEXTで配信中)。

過激な性描写などが話題だが、韓国では人気K-POPグループBLACKPINKのジェニーが出演したことで、熱い視線が注がれている。

ジェニーといえば、K-POP界で絶大な人気を誇る現役アイドルの1人だ。

優れた歌とダンスの実力、可愛さとセクシーさを兼ね備えたビジュアル、シャネルのアンバサダーならではのファッションセンスまで、彼女のすべてに羨望の眼差しが集まっている。

そんな稀代のアイコンが『THE IDOL/ジ・アイドル』で本格女優デビューおよびアメリカ進出を果たすと同時に、第76回カンヌ国際映画祭のレッドカーペットも踏んだ。

もし無名の新人女優だったら優遇されていると炎上してもおかしくないが、ジェニーなら話は別。作品に対する評価はさておき、ジェニーの世界的な人気と存在感だけはしっかりと証明されたのではないだろうか。

しかし、いくらジェニーとはいえ、今後も順風満帆な女優人生を歩んでいけるとは限らない。

BLACKPINKのジェニー(写真提供=OSEN)

それがアメリカではなく韓国なら尚更だ。

というのも、韓国にはアイドル出身女優に対する厳しい物差しがあり、アイドルと俳優の間に見えない壁のようなものも存在するからだ。

現在、ジェニーの他にも多くのアイドル出身女優たちがドラマや映画で活躍している。

有名どころではユナ、スヨン、ユリ、ソヒョンら少女時代のメンバーたちと、KARAのジヨンとスンヨン、miss Aのペ・スジ、Apinkチョン・ウンジ、宇宙少女のボナ、AOAのソリョン、ナナ、ソ・ヒョンジン、チョン・リョウォン、日本でも話題となったドラマ『梨泰院クラス』に出演しているクォン・ナラなど。

少女時代のユナ(写真提供=OSEN)

今では彼女らアイドル出身の女優が主演を務めることも多く、演技力のレベルも全体的に上がっているが、数年前までは状況がまったく違った。

人気や話題性を理由に主演を任されるも、一様に演技力が問題視され、世間ではいつの間にか“アイドル出身は演技が下手”という偏見が根付いてしまったのだ。

2000年代初期に4人組グループChakraのメンバーとして活動し、女優に転向して『私の名前はキム・サムスン』『弁論をはじめます。』などに出演したチョン・リョウォンは、以前、テレビ番組でこう語っていた。

「1年間受けたすべてのドラマのオーディションで落ちました。歌手のイメージがあるからと。『私の名前はキム・サムスン』の監督だけが私を起用してくれたのですが、監督は私が音楽活動をしていた2000~2003年、アメリカに住んでいたので私のことを知らなかった」

彼女によると、オーディションで「歌って踊ってみて」と言われたこともあるとか。撮影現場ではしばしば意見が無視され、共演女優から「演技には本気じゃないのね」と冷やかされたこともあるという。

2012年頃から女優業をはじめ、『昼と夜』『殺人者の記憶法』などに主演したソリョンも、「アイドル活動と女優業を並行した頃は、撮影現場で気持ちがひるんだ。女優としてやっていくと決心してから、ようやく楽になった」と告白していた。

AOAのソリョン(写真提供=OSEN)

偏見やマウントの取り合いなどで肩身が狭い思いをしていたアイドル出身女優は、他にもたくさんいる。

それでも、多くのアイドルが女優業に意欲を見せる理由はいったい何か。

もちろん「アイドルの寿命は短い」という未来への不安が大きいだろうが、ギャランティーの問題も欠かせない。

テレビの音楽番組に出演するK-POPアイドルの出演料は、想像を絶するほど安いのだ。

実際、ケーブルTVの場合は1組約5000円、地上波は1万円ほどといわれている。BTSのように世界的超人気グループだとしても5~10万円だという。

プロモーション活動のひとつとはいえ、移動費や食費、衣装代だけを考えても出演すればするほど赤字になるシステムだ。

一方、女優はもっと夢がある。

アイドル出身の女優として成功した1人といえるApinkのチョン・ウンジ。彼女の場合、女優デビュー作だったドラマ『応答せよ1997』で演技力が評価され、それから2年後の主演ドラマ『トロットの恋人』では1話あたりの出演料が100万円台と、前作に比べてギャラが3倍に上がった。

全16話のドラマ1本に出演して最低1600万円。少なくとも収入面においては、演技力を磨いたことに満足したかもしれない。

今も多くのアイドルたちが世間の偏見と闘いながら女優業で頑張っている。多才な彼女たちの活躍を、温かく見守りたい。

文=李 ハナ

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