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バイヨット、6区ドラゴン通りの新しいミニ美食空間へ。

  • 2023.7.9

ぶどうの収穫時に使われる長方形した木のカゴ……これがバイヨット。それを名前につけ、3月にパリ6区ドラゴン通りに生まれたレストラン「Baillotte(バイヨット)」はヴァン・ナチュールと季節の素材の料理で盛況を見せている。ここは竹田和真シェフの料理で人気の5区の「Narro」と同じオーナーによる店で、そこでスーシェフを務めていた網津聡にこのバイヨットが任されたのだ。

左: いろいろなタイプのレストランが並ぶドラゴン通り。バイヨットは赤が目印。右: シェフとスタッフ。パリ観光者は日本語が通じるおいしいレストランとして覚えておこう。photos:Simon Detraz

10年前にフランスにやってきて、Narroの前は3ツ星のGeorges Blancで働いていたという網津シェフが心がけるのは、日本の感性を、フランスのガストロノミーの歴史と繊細な味わいにもたらすことだという。素材重視の料理を作るためメニューはかなり頻繁に変わる。選び抜いた季節の素材を主役にガストロノミータッチが生きた料理がメニューに並んでいて、どれもおいしそう。隣のテーブルは何をオーダーしたのやら?とつい気になってしまう。

ディナーではランチメニューにない料理も楽しめる。写真は左からイカとアスパラガス(前菜)、スズキのパイ包み(メイン)、エキゾチックフルーツ(デザート)。photos:Simon Detraz

ある日のランチの前菜のひとつに冷製のクレーム・ド・マイスが。なぜかコーンポタージュが存在しないフランスなので、これは日本人の心が惹かれずにはいられない。ビオのウフ・モレが中に隠されていて、チョリソーやグリルしたトウモロコシが食感をプラスする夏の逸品だ。メインは肉、魚、野菜から選べる。3品しかないのにおおいに迷わせるメニューで、たとえば肉は精肉Hugueninからの仔牛のオングレ、魚はルージェ(ひめじ)のムニエル風……そして野菜は春野菜のバリエーション。これはカラフルなソースがお皿に水玉を描き、その上にジロール茸やアスパラ、ズッキーニの花の天ぷら、レンコンのチップス……野菜の味わいや歯ごたえが楽しくて、野菜嫌いも野菜好きになりそうだ。ランチでこの店を発見すると、次はゆっくり時間をとってディナーを味わってみたくなるだろう。

ある日のランチから。3品で34ユーロ。左: 前菜の冷製クレーム・ドゥ・マイス(前)と赤まぐろとトマト。中: 春野菜のバリエーション。右: デザートのクッキー(前)といちごのヴァシュラン。photos:Mariko Omura

いまの季節はテラス席が魅力だけれど、店内の奥のオープンキッチンに近い席で厨房の料理人たちのキビキビとした動きも味わいながら食事をするのもいいだろう。ランチはアラカルトあるいはセットで前菜+メインあるいはメイン+デザートが28ユーロ、前菜+メイン+デザートが34ユーロ。味わいとボリュームからすると、うれしい価格設定だ。メニューのいちばん上に、ホームメイド・ビオ・アイスティー(ライム、生姜、フレッシュミント)とある。ワインに力を入れているレストランだけれど、これ、ノンアルコール派を喜ばせるドリンクでは?

左: テラス席には、色の組み合わせがきれいなメゾン・ガッティ製のビストロチェア。中: レストランの奥が厨房だ。右: 落ち着きのある2階席。photos:(左)Mariko Omura、(中・右)Simon Detraz

Baillotte16, rue du Dragon75006 ParisTel. 09 84 29 93 48営)12:00~15:00(火〜土)12:00〜15:30(日)19:00~23:00(火〜金)19:00〜22:30(土)休)月@baillotte_restaurant

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