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コロナ禍で建設業の倒産が続く 出版業界もかなりヤバい?

  • 2023.7.7

コロナ禍で倒産する企業が相次いでいて、出版業界だと雑誌『壮快』を出版していたマキノ出版が、3月2日に民事再生法の適用を申請した。また、建設業界でも倒産する企業が増えている。コロナ禍でどんな企業が倒産したのだろうか?

■コロナ禍であの有名出版社も!大型書店も閉店

雑誌『壮快』を出版していたマキノ出版が3月2日に民事再生法の適用を申請した。コロナ禍に入ってからは、人気の雑誌やムックを刊行していた大手出版社が倒産したり、大型書店が閉店したりと、出版業界の厳しさを実感させるニュースが相次いでいる。

●コロナ禍で大手出版社の倒産が続く

3月2日に東京地裁へ民事再生法の適用を申し出たマキノ出版。同日同地裁から保全・監督命令を受けたという。負債は債権者約90人に対し約15億7200万円(帝国データバンク)。

同社の売り上げは約7割が『壮快』だったというが、過去には単行本『最強の野菜スープ』シリーズがベストセラーになったように、健康志向の強い40〜70代から支持を得ていた。

年間の売上高は、2004年2月期は約36億1800万円だったが、22年同期は約14億5600万円と半分以下に減っていた。

コロナ禍に入ってから倒産した出版社には、ファッション雑誌『2nd』や『Lightning』『PREPPY』を出版していた枻出版社(えいしゅっぱんしゃ)がある。

1973年に設立、アウトドア、スポーツ、美容など趣味性の高い分野の雑誌やムック本に定評のある会社で、売上高は2017年3月期には約102億円あった。

しかし、年間500冊以上の雑誌を発行する一方、フードサービス事業部や建築デザイン事業部を設立、カフェを経営するなど経営を多角化していたが、その投資負担が重く、かつ返本も相次いだことから、2020年3月期の売り上げは約55億円まで落ち込んでいた。

●目立つ大型書店の閉店

こうした中で、書店の閉鎖も目立つ。2023年に入ってからも、東京・渋谷区の「MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店」が、1月末に閉店した。同店の場合は建物の建て替えによるものだが、こうした大型書店の閉店が全国で起きているようだ。

ただ、不採算店舗を閉鎖するかわりに、ネット・通販に力を入れたり、海外に進出したり、あるいは書店を売るだけではなく、カフェやコワーキングスペースを併設したりして、生き残りの道をみつけつつある書店もある。

■倒産が続く建設業 原因はコロナだけじゃない?

中小規模の建設業者の倒産が増えていて、コロナ禍も理由の一つですが、原因はそれだけではない。どうして今、建設業の倒産が相次いでいるのだろうか。

●コロナの影響で商業施設が廃業へ 工事の受注が減った

コロナウイルス感染拡大の影響で、商業施設や宿泊・外食業などの廃業や業績不振のあおりを受け、関連する工事の受注数が減ったことが建設業の倒産につながったと考えられる。

2022年度の建設業の倒産は1,291件で、2021年度の1,084件と比べて確実に増えている(帝国データバンク調べ)。

ただ、実は2019年度の倒産件数は1452件で、20年度は1167件、21年度は1084件とコロナ禍の中でも倒産件数は減っている。

これはコロナ対策で実質無利子・無担保での融資(ゼロゼロ融資)があったため。もともと政府系の金融機関が手掛けていたが、コロナ禍で申し込みが増えたため、2020年から民間の金融機関でも取り扱えるようになっていた。

そうした好条件の融資があったにもかかわらず、21年度で倒産件数が反転、22年度に増えたのには、コロナ禍以外の理由がある。

●物価高による資材価格の高騰も原因の一つ

理由の一つは、円安などの影響を受け、資材価格が高騰していることだ。

建材・家具、窯業・土石製品のカテゴリーでは2021年12月時点で、前年同月と比べて80.3%の企業が上がっていることが、仕入れ単価についてのアンケート調査で分かっている(帝国データバンク調べ)。そのうえ、これによる価格転嫁も適切に行なわれていない。

また、建設工事費は2017年度から年々上がっていることが、国土交通省が発表している「建設工事費デフレーター」を見ても分かり、同期間の物価指数と連動していることも明らかだ。

またコロナ禍により物流の抑制が起こったことも、資材価格に反映されているだろう。

文/編集・dメニューマネー編集部

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