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「この子は生きるのに必死だったんだ…」いらない子と言われ続けた放置子との別れ<私はいらない子>

  • 2024.10.15

娘のミホちゃん、夫のミノルさんと暮らすホノカさん。サオリちゃん一家の近くに住む山中さんは、「畑から野菜を盗られても怒れなかった」「たまにご飯をご馳走して見守ることしかできなかった」と語ります。サオリちゃんの母親はギャンブルで大損する度に、サオリちゃんを罵っていたそう。山中さんはホノカさんに「あの子にお友だちがいるって聞いて安心したわ……」と微笑みかけます。ホノカさんはミホちゃんのお迎えを理由に、その場を後にするのでした。

サオリちゃんの家が火事になったことをミホちゃんに伝えたホノカさん。サオリちゃんの母親が半ば無理やり取っていった古いヒーターが出火の原因になったのかもしれないと、ホノカさんは責任を感じてしまいます。ミホちゃんを連れて家に戻ると、玄関前には膝を抱えたサオリちゃんの姿が。サオリちゃんはミホちゃんに手紙を渡し、謝罪と感謝の言葉を述べます。ミホちゃんはあまり状況をつかめていないようでしたが、手紙のお礼として幼稚園で作ったキーホルダーをサオリちゃんに渡すのでした。そして、サオリちゃんはホノカさんに……!?

小さな体で 必死にこの町で生きてきたんだね

状況をあまり把握できておらず、無邪気に「また明日ブランコしよう」と言うミホちゃん。サオリちゃんは「……うん」と返答するのみでした。その後、サオリちゃんはホノカさんに向き直り、たくさんわがままを言ったことを謝り、ご飯のお礼を伝えてくるのでした。

実の母親から「いらない」と言われ、ろくに世話もしてもらえない中、小さな体で必死に生きてきたサオリちゃん。目頭を熱くしながら、ホノカさんはサオリちゃんが今後、健康的で楽しい生活が送れるようにと願わずにはいられないのでした。

この日を最後に、サオリちゃんがホノカさんの家を訪ねてくることはなくなりました。施設に引き取られ、学校に行くようになったと風の噂で耳にするのでした。

子どもにとって頼れる存在であるはずの親を、頼れなかったサオリちゃん。嘘をついたり、わがままを言ったりするのも、もしかすると自分を守るためだったのかもしれません。もう二度と犯罪をそそのかされたり、自分の存在を否定されたりしない新たな環境で、サオリちゃんが心から笑える日が来ることを祈るばかりです。


著者:マンガ家・イラストレーター しろみ

ベビーカレンダー編集部

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