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今やホテルでサステイナブル!滞在だけじゃない「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」で体験するSDGsとは

  • 2023.7.3

こんにちは、絶景ハンターのまゆみです。

今や時代は、どこもかしこも「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」一色。

とはいえ、「そもそもSDGsって何?」という人も少なくないはず。

今回は、SDGsの基礎のキソから、現在、ホテル業界をとりまくSDGsの動向、そしてその事例として、日本を代表するホテルの一つ、「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」が取り組む、“滞在だけじゃない、ホテルでできるSDGs体験”について紹介します。

今や時代はSDGs!ホテル業界を取り巻くSDGsとは

いまさら聞けない「SDGs」って何?

Image by 国際連合広報センター

「SDGs」って最近よく耳にするけど、じつのところ何?……と思われている方、案外少なくないのでは。

SDGsとは、英語の「"S"ustainable "D"evelopment "G"oal"s"(サステイナブル・ディベロップメント・ゴールズ)」の頭文字をとった略語、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。

では、「持続可能な開発目標」とは何か。

平たく言えば、自分たちの生活を脅かす貧困や差別、不平等、労働のあり方から気候変動や環境破壊に至るまで、世界が抱えるあらゆる共通課題を世界中のみんなで解決し、豊かさを追い求めつつも、平和で安全に、安心して末永く暮らしていける地球にしていきましょう、といった、国境を越えたグローバルな目標のこと。

Image by 国際連合広報センター

国連は、2030年までにその目標の達成を目指し、上図にあるような「17の目標(ゴール)」と「169のターゲット(具体目標)」を掲げています。

より詳しい内容を知りたい方は、外務省がまとめている「JAPAN SDGs Action Platform」や「SDGs」で検索するとより適切な解説がいくつも見つかりますよ。

ホテル業界におけるSDGsアクションの動向

Photo by ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町

そうした時代の要請を受け、またコロナ禍の影響も後押しして、観光業界でも国を挙げて「サステイナブル・ツーリズム」が積極的に推進されるようになりました。

「サステイナブル・ツーリズム」とは、要するに、観光を取り巻く地域の人々の暮らしを大切にしつつ、地域の人々とかかわり合いながら、地域とともに成長し、かつ自然環境保護、有形無形の文化の継承なども大事にしていきましょう、という新たな観光スタイル。

最近では「サステイナブル」をキーワードにした国内観光ツアーもよく見かけるようになりましたよね。

その一翼を担うホテル業界でも、省エネ、ごみ削減はもとより、2022年4月の「プラスチック資源循環法」の施行を受けてアメニティや食器等の脱プラ・減プラの強化、余剰食材等のフードロス対策や廃棄食材のリサイクル化、規格外の食材や未利用資源を活用した新メニュー開発など、じつにさまざまなSDGsへのアクションが図られています。

ホテルのルームサービスにも変化が!?100%植物由来のメニューが人気トレンドに

Photo by 「ホテルのルームサービスに関する国際調査」(Hotels.com調べ)

ここで興味深い調査結果を一つ。

2023年4月、Hotels.comが実施した「ホテルのルームサービスに関する国際調査」では、回答した世界10カ国473軒のホテルのうち、「約40%のホテルは過去1年間でルームサービスの需要が増加、中でも“ヴィーガン”や“ベジタリアン”メニューの人気が上昇」といったもの。

世界のホテルの約15%がヴィーガン、約19%がベジタリアンメニューの注文が増加、日本に限っても約29%がヴィーガン、約24%がベジタリアンメニューの注文が増えたという結果に。

コロナ禍という苦い経験を経て、人々が自身の健康に向き合い、ヘルスケアやウェルネスに対する意識の高まりがこんなところにも表れているんですね。

「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」におけるSDGs

ホテル業界でも着々と進むSDGsアクション。

今回はそうしたなかから、「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」における取り組みにフォーカスしてみました。

「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」とは

Photo by Mayumi

かつて「赤プリ」の愛称で親しまれた「旧 グランドプリンスホテル赤坂」。その跡地に建設された「東京ガーデンテラス紀尾井町」の高層階(30階~36階)に入居しているのが「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」です。

東に皇居、西に赤坂御所、そしてかつて江戸大名屋敷や皇族邸宅などが立ち並んだ、歴史と品格、伝統を兼ね備えたこの土地に2016年7月に開業。地上約180mの高さから見る極上の東京夜景や絶景体験が味わえる、日本を代表する最高級ホテルの一つです。

「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」が目標とする「未来につなげるサステナビリティアクション」とは

Photo by Mayumi

そんなザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町もまた、ホテルとして果たすべきSDGsのミッションに取り組んでいます。

安心安全、快適な滞在をゲストへ提供するのはもとより、社会を構成する一員として、共に豊かな社会を築き、持続可能な未来へと貢献するホテルであり続けるため、「未来につなげるサステナビリティアクション」を掲げています。

それは、「地球環境への配慮」「地域・社会貢献」「安全安心・人と育つ未来へ」、そして「ホテルで体験するSDGs」というもの。

特に現在は、ホテルの滞在を通じて、その中で自然とSDGsを感じてもらえるような、同ホテルならではの「ホテルで体験するSDGs」への取り組みが拡充されています。

「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」で体験するサステイナブルな「食」体験

「ホテルで体験するSDGs」アクションの一つが、「食」に関する体験。

地球環境や健康に配慮して開発された数々のサステイナブルメニューのうち、今回は、Hotels.comの調査結果にも登場した、今話題のプラントベース(100%植物由来)によるヴィーガンメニューを実食してきました。

ルームサービスで体験する「ヴィーガンメニュー」

Photo by Mayumi

今回挑戦したのは、竹炭を練りこんだ真っ黒なバンズに玉ねぎや人参、インゲン、ひよこ豆、干し椎茸を練り込んだ焼き豆腐のパティ、新鮮なアボカド、レタス、トマトをサンドし、大豆由来のものから作られたチーズのような食材、豆腐でできたマヨネーズ、ソースで味付けした100%植物由来のヴィーガンメニュー「ヴィーガーデンバーガー」(3,500円)です。

ちなみに、「ヴィーガン」とは、肉や魚だけでなく卵・乳製品、ハチミツに至るまで、動物由来の食物は一切口にしない「徹底した菜食主義」のこと。ヘルシーでからだや美容に良い一方、やはり味も見た目も素っ気なく、シンプルになりがち。

そんなイメージを払しょくするこの「ヴィーガーデンバーガー」は、完全植物由来とは思えない食欲をそそるこのビジュアルもさることながら、味ももちろん絶品。焼き豆腐のパティはちょっとホロホロと崩れやすいものの、噛めば噛むほど味わい深く、全体のバランス、質、量ともに上品かつ絶品の和風ハンバーガーでした。

Photo by Mayumi

「ヴィーガーデンバーガー」はルームサービスでも提供されており、今回は32階の客室内にある窓際デイベッドにて絶景を眺めながら、贅沢なバーガータイムを楽しみました。

レストランで体験する「地産地消メニュー」

Photo by ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町

ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町36階にあるレストラン「All-Day Dining OASIS GARDEN」では、ヴィーガーデンバーガー以外にも、東京野菜を使った地産地消のサステイナブルなヴィーガンメニューとして「OASIS FARM HATAKE」(2,800円)を提供しています。

クリアな器を畑に見立て、野菜のヴィーガンムースにキャロブ豆をまぶして畑の土を表現、そこに色とりどりの野菜を散りばめて、まるで畑の収穫を楽しむように新鮮野菜をつまんで楽しめる、そんなシェフの遊び心が感じられる粋なメニューとなっています。

Photo by ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町

こちらは、35階にある和食レストラン「WASHOKU 蒼天 SOUTEN」でいただけるヴィーガンスタイルの「ベジタブル寿司」(5,000円)。

大根、みょうが、パプリカ、おくら、芽葱、椎茸、スプラウト昆布〆、ドライトマトとアボカドのハーフロールの8種類をご用意。見た目の彩りといい、味の奥深さといい、自慢の逸品です。

余談ですが、高知県には「田舎すし」といって、タケノコやこんにゃく、みょうがなど山の幸をふんだんに使用した美味しい郷土寿司があります。同ホテルの「ベジタブル寿司」が洗練された都会の野菜寿司なら、高知は庶民的な郷土の野菜寿司。ぜひ機会があれば食べ比べてみてください。

規格外の食材を使用したメニュー

Photo by ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町

お次は、規格外のトマトを使用した「濃厚なウニクリームと熊本県八代産トマトのタリオリーニ」(3,800円)です。

「規格外」とは、大きさや形など一定の基準を満たさない、廃棄されることが多い食材のことで、通常市場には出回りません。ただし、規格外食材は、形や大きさ、色が多少不揃いなだけで味は遜色ないことがほとんど。そこで最近では、それらを有効活用した取り組みが活発化しています。

こちらもその一つ。熊本県八代産の規格外トマトをふんだんに使用したウニの濃厚なソースをタリオリーニ(平打ちパスタ)にたっぷりからめ、生ウニと芽ネギをトッピング。とても上品な上質パスタに仕上がっています。

規格外の食材を使用することはフードロスにもつながり、また地域農家の新たな収入源として地域貢献にもつながります。ぜひ今後の展開も気になりますね。

「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」が提供するさまざまなSDGs体験

ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町では、「食」を通じたSDGs体験以外にもさまざまな取り組みを行っています。

地球環境に配慮した各種取り組み

Photo by Mayumi

たとえば、客室内で手軽に体験できる「地球環境に配慮」した取り組みといえば、無料提供されるミネラルウォーター。これには、100%リサイクルペットボトルに新潟県南魚沼の天然水が使用され、極力無駄を省いたラベルレスにもなっています。

また、客室内の定番アメニティである歯ブラシやヘアブラシは、プラスチック製から竹製歯ブラシと木製ブラシへとシフト、個包装のバスアメニティを順次廃止してポンプボトル式に、ストローは植物由来の草ストローや紙ストローを導入し、お子様用のカトラリーは木製にするなど、少しずつ脱プラ・減プラ化が図られています。

部屋でくつろぐコーヒーは、リサイクル可能なアルミニウムコーヒーカプセルを採用したネスプレッソ製サーバーを使用、同社のプログラムに参加しています。

ここならではの文化体験「GALLERY EXPERIENCE」

Photo by ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町

SDGsとは、その本質をたどれば、これまで大事に受け継がれてきたものを後世へつないでいくこと、それは伝統文化の継承もまた、SDGsの目標達成に向けた重要な要素と考えられます。

そうしたことから、ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町では「GALLERY EXPERIENCE」と称して、“紀尾井町だからこそ叶う文化体験”のプログラムを拡充しています。

その一つが、2023年6月から新設された絶景茶道体験「Tea Ceremony in the Sky」。

「絶景はプリンスにある――」。その言葉どおり、同ホテルの最大の魅力はこの地上約180mから眺める東京の絶景。これに日本の文化的体験を掛け合わせ、他では味わえない、ここならではの茶道体験プログラムとなっています。

Photo by ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町

さらに「WASHOKU 蒼天 SOUTEN」では、カウンター席に座って、寿司職人自ら江戸前寿司の食べ方やマナーを指南いただける「How to Enjoy Sushi」プログラムも実施。意外と知らない、カウンター席での正しい寿司マナーやノウハウが学べるなんて、なかなか面白そうですね。

このほか、世界の4大スピリッツと呼ばれる「ジン」を使って、ジャパニーズクラフトジンとロンドンドライジンのテイスティングを行うクラフトジン飲み比べ「Craft Gin Tasting」や同ホテルの唎酒師(ききさけし)が厳選した純米・純米吟醸・純米大吟醸を飲み比べる日本酒テイスティング「Sake Tasting」など、“酒の文化”も楽しむことができます。

お子様などに大好評の「旅育プラン」

Photo by ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町

最後に注目したのは、ホテルならではの体験を通じて、小さなお子様の未来につながる意欲を育むホテルの新プラン「旅育プラン」。質の高い教育の機会を与えることもSDGs目標の一つですよね。

現在は、大型連休など季節限定の不定期イベントになりますが、たとえば2023年5月のゴールデンウィークでは「テディベアとホテルデビューステイ」と称して、テディベアのトップブランド・シュタイフの「フィン」と一緒に与えられたミッション(ウェルカムドリンク作りやテーブルマナーなど)をクリアし、ホテルステイが成功体験を育む旅育プランが提供されました。

結果、企画は大好評で、三世代のご家族が滞在、ご両親だけでなく祖父母が一緒になって、お孫さんの成長を間近で感じられた貴重な機会となったようです。

ホテル滞在の機会を学びの場に、そして家族にとっては子どもの成長を見守れるプログラムに発展させたことはなかなか興味深い取り組みですね。

ホテルは今や滞在だけじゃない!一味違ったホテル体験を

SDGs全盛期、今やホテルもただリラックスや癒しの場、あるいは寝泊りするだけの場ではなく、SDGsも学べる場としてシフトしつつあります。

そうして、あらゆる場面でSDGsを学ぶことで、やがてそれが当たり前に、そして自然と「みんなが住み続けられるまちづくり」を意識しながら行動できることが期待されます。

ぜひ今後は、滞在だけではない、一味違ったホテル体験を味わってみてはいかがですか?

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