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梅雨の季節にぴったりな雨降りの絵本『かさとながぐつ』【親子の読み聞かせに。今日の絵本だより】

  • 2023.7.3

ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめするweb連載「親子の読み聞かせに。今日の絵本だより」。過去にご紹介した絵本の中から、おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

かさとながぐつ

梅雨の季節にぴったりな雨降りの絵本『かさとながぐつ』【親子の読み聞かせに。今日の絵本だより】の画像1

『かさとながぐつ』
二宮由紀子/文 市居みか/絵 瑞雲舎 本体1300円+税

梅雨の季節にぴったりなのは、やっぱり雨降りの絵本ですね。
雨の日がうんと楽しくなる、ごきげんな新刊絵本が登場しました。
『かさとながぐつ』です。

玄関の先でわくわくしている、黄色いかさ。
今日は、はじめておうちにながぐつがやってくるんですって。
「ながぐつって、どんな かおかな?
ぼく、ともだちに なれるかな?」
そこへ、
「こんにちは」
「こんにちは」
とやってきたのは、赤いながぐつ。
ふたりとも、そっくりな姿をしています。

さあ、みんな待望の雨が降ってきた日、かさもながぐつも一緒におでかけです。
「わあい」
「わあい」
と、ながぐつ。
「いあわ」
と、かさ。
そうか、いつも柄が上でスタンバイしているかさは、開いて使われるときは、逆立ちになっているんでですね。
(表紙のかさの顔に注目。)

「ぽつん、ぽつん」
「ぽつん、ぽつん」
足元でながぐつが言えば、上からかさが
「んつぽ、んつぽ」。
「ばっしゃ、ばっしゃ」
「ばっしゃ、ばっしゃ」
と言えば、
「しゃっば、しゃっば」。
どんどん激しくなる雨の中、かさとながぐつのかけあいも、どんどんもりあがって、大きな声になっていきます。
そうしたら、あっ、かさが……。

うん、これは、子どもと声を出して読みあうと、絶対楽しい絵本ですね。
親子で逆さ言葉を唱えている内に、クスクス笑いがこみあげそう。
大雨の中はしゃいで歩いて、かさもながぐつもどろどろでずぶぬれになっても、読後はなんだかとっても爽快感。
次の雨降りの日には、親子で
「わあい!」
「いあわ!」
と真似したくなってしまうかも。
なるほど、心に残るワクワク感には、ピンクの表紙が似合いますね。

選書・文
原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

※過去にkodomoe webに掲載された記事の中から抜粋して編集しています。

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