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カナダ在住・“鉄道解説系ユーチューバー”鐡坊主さんが見る!「北海道の鉄道の未来」とは

  • 2023.6.29

カナダ在住の“鉄道解説系ユーチューバー”の鐡坊主(てつぼうず)さん。

旅行会社勤務の経験を活かし、地域の“鉄道事情などを解説する”動画をアップしています。

鐵坊主さんは、「乗り鉄」でも「撮り鉄」でもない…『分析鉄』なんです!

動画取材のために来日した鐡坊主さんの旅から、“北海道の鉄道の課題”が見えてきます!

Sitakke

連載「じぶんごとニュース」

北海道に来る前にも、全国各地をめぐってきた鐡坊主さんが、小樽駅周辺を見た後に向かったのは…

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「だいたい想像通り、もともと何もないところ。かなり街から離れているのを再認識しましたね」

小樽駅からおよそ5キロ。北海道新幹線『新小樽駅』の建設工事が進む天神地区です。

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事前に資料やインターネットの地図などで徹底的に下調べをし、こうして現地を訪れて“答え合わせ”をするのが『鐡坊主スタイル』です。

「何もないところなので…小樽市が新駅周辺をどういうふうにしていくのか。中心部との動線をどうしていくのか注目ですね」

実際に現地をみて『賑わいの中心である小樽駅などと、新駅とのアクセス構築が“新幹線効果”をマチにもたらすカギになる』と分析します。

一方『分析鉄』として”地域の鉄道事情”を解説するため、時には廃線後の沿線に足を運ぶことも…。

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この日は、4月に廃止された石狩沼田-留萌間の代替交通を取材。
深川市から留萌市に向かう路線バスに乗りました。

時刻表と、現在地を照らし合わせながら、利用状況をその目で確かめます。

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そして留萌市に到着後は、かつての駅前へ。

「昔からある国鉄時代からあった駅舎がそのまま残っている、鉄道ファンの間では非常に高く評価される駅」

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「これだけ人口の少ないところに来ると、留萌の市内は時間帯によって交通量も多くなると思うが、バスの定時性はほぼ守られるので、バスで全く問題なくカバーできてしまうなというのが、正直なところ」

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鐡坊主さんがあげる動画の特徴は、データを基にした解説。
その“冷静な視点”に共感するファンも多いと言います。

5月、室蘭市で開かれたファンとのオフ会をのぞいてみると…
全国各地から14人が参加。

鐡坊主さんが「今回、いろいろ乗ってみて思ったんですけど、人口が増えない以上、鉄道利用の活性化対策をやっても、もう先細りだと思うんです」などと話すと、真剣にメモを取りながら聞くファンもいました。

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東京から来た40代の参加者は、「滋賀県の近江鉄道と茨城県の鹿島臨海鉄道のイベントにも参加しました。魅力は説得力!」
神奈川から来た、20代の公共交通を研究する大学院生は「よくも悪くもデータを素直に受け取って、動画を配信している。自身の研究にもかなり参考にさせていただいています。実態や現状をどう把握するべきか、議論するのに使っています」と話していました。

ファンとの交流もそこそこに、オフ会が終わると、すぐさま、北海道内視察の最後の地となる函館市へ。
気になるのは『新幹線乗り入れ』に揺れる函館駅の周辺です。

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「函館市として資金を拠出して新幹線を引くのであれば、函館に住む人がどういうふうにそのメリットを感じられるのか、その辺をちょっと肌感覚でチェックしたいなと思います」

まずは2019年にオープンした『駅前横丁』や朝市など、函館駅周辺を見て回ります。
続いて向かったのは、地元の人で賑わう”五稜郭エリア”です。

「五稜郭には歩いている地元の若い人がいますよね、函館駅周辺には観光客しかいなかったので。函館駅は、地元の人にとってあまり意味のある場所ではなくなっている。路面電車がありますから、車がない人はそれを使う。これがこれで問題で、JR北海道の路線を、地元の人はほとんど使っていないということになる」

Sitakke

地元の人の鉄道離れが、北海道内各地で起きているという鐡坊主さん。
新幹線の札幌延伸を控える、北海道の鉄道の未来を、こう分析しました。

「これからさらに人口も減っていくこともあって、鉄道は非常に厳しい局面にある。運賃収入だけで鉄道を計ると、全部廃止しなきゃいけなくなってしまう。極端な話、北海道でいえば、札幌周辺と新たに作っている北海道新幹線だけですからもう、JR札幌になります、最終的には…」

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そうならないためには、「JR北海道がもっと事業を拡大していかなきゃいけませんし、その事業というのは、残念ながら鉄道ではなくて、鉄道を軸にした、鉄道があることによってできることっていうのを考えて事業を拡大しなければならないと思いますね」と話していました。

鐵坊主さんは、旅行会社に勤務していた経験もあり、ファンの大学院生が研究の参考にするほどの分析力。
その鐵坊主さんが、実際に道内をまわって分析した「北海道の鉄道の未来」をまとめると…

・鉄道の収益だけで考えると道内は全路線が赤字
・将来残る路線は、北海道新幹線と、在来線では札幌駅周辺と函館・旭川・帯広までの路線だけ

こうならないために、鐵坊主さんは鉄道以外の事業の拡大が必要だと分析しています。

その“お手本”の1つがJR九州で、マンション、駅ビルなど、不動産で大きな収益をあげ、赤字路線の損失をカバーしています。

実際に、JR北海道は札幌駅の再開発に取り組んでいる最中。
新幹線の札幌延伸という大きな節目に向けて、JR北海道がどう経営を強化していくかにも注目です。

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文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2023年6月20日)の情報に基づきます。

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