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遺族年金がもらえなくなるケース

  • 2023.6.28

夫が死亡した場合、遺族年金を受け取れるが、老齢年金と一緒にもらうことはできるのだろうか。遺族年金の支給要件は厳しく、再婚したときなどは支給が停止してしまう。遺族年金がもらえなくなるケースとして次のようなものがあげられる。この記事では、夫が死亡した場合で考えているが、妻が死亡したときも同様となる。

■夫が死亡……妻は遺族年金と自分の年金の二重取りできる?

夫が死亡した場合、夫や妻の働き方や暮らし方に応じて、遺族年金が受け取れる。しかし、遺族年金を受け取っている人が老後の年金(老齢年金)が支給される65歳になったとき、遺族年金と老齢年金の両方ともを受け取ることはできるのだろうか。

●夫が会社員または公務員で妻が専業主婦または個人事業主

65歳以降、受け取れる遺族年金と老齢年金の組み合わせは以下のいずれかになる。

・遺族厚生年金+遺族基礎年金
・遺族厚生年金+老齢基礎年金

妻が専業主婦または個人事業主で、会社員または公務員として勤務していた夫が死亡した場合、残された遺族は、遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給できる。

また65歳以降、妻に老齢基礎年金の受給資格も発生するが、遺族基礎年金と老齢基礎年金の両方は受け取れないため、いずれかを選ぶことになる。

なお、年間で受け取れる遺族基礎年金は「777,800円※+子どもがいる場合の加算」で計算をするのに対し、老齢基礎年金は777,800円×保険料納付済月数÷480で計算するため、ほとんどの場合遺族基礎年金の方が多くなる可能性が高くなる(2022年(令和4年度)の場合)。

ただし、遺族基礎年金は18歳未満の子がいる配偶者であることが要件だ。そのため、子どもがいないケースや、65歳時点で子どもがすでに18歳以上になっているケースなど、実質選択肢は老齢基礎年金しかない場合もある。

●夫が会社員または公務員、妻も会社員または公務員として勤務経験がある

65歳以降、受け取れる遺族年金と老齢年金の組み合わせは以下の通り。

・老齢厚生年金+老齢基礎年金(老齢厚生年金額の方が遺族厚生年金額よりも多い場合)
・遺族厚生年金+老齢厚生年金+老齢基礎年金(老齢厚生年金額の方が遺族厚生年金額より少ない場合)

夫が会社員または公務員で、かつ、妻も会社員または公務員としての勤務経験がある場合、夫に万が一のことがあると、遺族厚生年金と遺族基礎年金が受け取れる点は前述のケースと同様だ。

しかしこのケースでは65歳以降は、遺族基礎年金を選択することはできない。

また、遺族厚生年金は、老齢厚生年金よりも受給額が大きい場合にその差額を受け取れる。

老齢厚生年金額よりも、遺族厚生年金額の方が少ない場合、遺族厚生年金は全額支給停止となる。

■遺族年金が受け取れなくなる注意すべきこと

一家の働き手の方や年金受給者などが亡くなった時、遺族が受け取れる公的年金が「遺族年金」だ。亡くなった人の年金や遺族の状況などによって、残された家族は「遺族基礎年金」や「遺族厚生年金」を受給できるが、遺族の状況が変わると遺族年金が停止されることがある。

●「結婚」すると遺族年金がもらえなくなる

遺族年金の受給権のある人が結婚すると、それを受け取る権利は失われる。これは遺族基礎年金、遺族厚生年金とも同じだ。

配偶者を亡くしてから、新しい相手を見つけて次の一歩を踏み出そうとすることもあるだろう。

再婚すると、いま受給している遺族年金は受け取れなくなる。将来の生活設計をする際に留意しておきたい点だ。

●「養子縁組」で遺族年金がもらえなくなる

養子縁組を行なって、誰かの養子になっても、遺族年金は受け取れなくなる(法律上、「直系血族又は直系姻族以外の方の養子」となった時)。

ただ、自身の祖父母など(直系血族)や配偶者の両親や祖父母など(直系姻族)の養子になる場合は遺族年金に影響はない。

これら以外、「傍系親族」(叔父、叔母など)や、親族ではない人の養子になると遺族年金の受給権が失われるわけだ。

なお、結婚と同じで届出をしていなくても事実上の養子縁組関係となっても受給権がなくなる。

文/編集・dメニューマネー編集部

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