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【数学クイズ】中学生で習う問題!「X」の長さはいくつ…?

  • 2023.7.31
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数学の定理といえば何を思い浮かべますか?

数学が苦手な方でも「三平方の定理」というのは、聞いたことがあるのではないでしょうか。

中学3年生で学習するこの定理は、入試問題でよく出題されるだけでなく、その後の数学の学習をする上で、とても大切な定理のひとつです。

今回は、そんな「三平方の定理」を用いた問題に挑戦してみましょう。

問題

次のx、yの値を求めなさい。
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「平方」というのは「2乗」のことです。面積の単位m²を「平方メートル」と言いますよね。
直角三角形の3つの辺を2乗しているから「三平方」という名前です。

また「ピタゴラスの定理」と呼ばれることもあります。

紀元前5〜6世紀ごろの数学者・哲学者であるピタゴラスが、この定理を思いついたという逸話が残っており、そこからピタゴラスの定理という別名がつきました。
(実際には、ピタゴラスが生まれる前からこの定理は広く知られていたようで、諸説あります。)

 

さて、今回の問題は2つありますが、どちらも有名な問題なので、数学が得意な方は、計算をしなくても答えが分かるのではないでしょうか。

 

求めることができたでしょうか。

答えはx=5、y=12です。

解説

三平方の定理とは、直角三角形において3辺の長さの関係を表す公式のことを言います。

図のように、直角に隣り合う2辺をa,b,直角に向かいあう辺をcとする。このときa²+b²=c²が成り立つ。
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ちなみに、直角に向かい合う辺(上図ではc)のことを「斜辺」と呼びます。直角三角形の3つの辺のうち、斜辺が最も長い辺であり、三平方の定理では「=c²」の部分になります。

 

今回の問題の問1は、斜辺がxとなっているので、x²=3²+4²が成り立ちます。

これを計算するとx²=25になりますね。

2乗すると25になる数は、+5とー5の2通りありますが、今回は辺の長さを考えています。長さがマイナスというのはおかしいです。つまりx=5ということです。

 

問2も同じように解くことができます。

ただし、求めるyの位置に注意です。斜辺にあたるのは13になっています。

つまり、5²+y²=13²ということになります。

これを計算すると
25+y²=169
y²=144

2乗して144になる数は、+12とー12です。先ほどと同じくマイナスの数はおかしいので、y=12です。

まとめ

今回の問題では、直角三角形の辺の長さはすべて整数でした。(問題によっては整数にならないこともあります。)

(3、4、5)や(5、12、13)のように、三平方の定理を満たす整数の組は「ピタゴラス数」と呼ばれて、無限に存在することがわかっています。

さらに、このピタゴラス数に関する研究は、紀元前1800年ころ、古バビロニアの時代から行われており、土地の測量に利用されていたと考えられています。

現代では、中学生が学習する数学の定理のひとつですが、実は古代の人々にとっては、生活に密着するとても重要な考え方だったんですね。


文・監修:SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。

編集:TRILLニュース編集部