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【真夏の庭の備え】猛暑と豪雨から庭の植物を守るマルチング

  • 2023.6.25
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真夏に向けて庭の準備はもうお済みですか? 近年の夏の気候は庭の植物たちにとって超ハード。40℃に迫る暑さに加え、線状降水帯の発生なども増えています。そんな厳しい自然環境から庭の植物を守るために、今やっておきたいのがマルチング。過酷な夏を乗り切るための新たな庭の備えです。どのように行うのか、夏のマルチングを行っている庭を訪ねました。

病害虫被害に暑さ、豪雨…夏は植物に過酷な季節

ガーデニング
バラの開花が一段落した6月半ばの庭。この頃から病害虫が増え、植物のケアが欠かせない。

美しい庭として全国的にも有名な鳥取県米子市の面谷内科・循環器内科クリニック。院長夫人の面谷ひとみさんは、庭を楽しみにしている患者さんたちのために夏も庭を丹精しています。

「バラやユリの咲く初夏までは、庭はただただ美しい世界ですが、それらが終わる頃から植物のケアが欠かせません。この庭は殺菌剤などを使っていないので、バラには黒点病が出始め、ダリアも花後にうどん粉病で真っ白になってしまうんです。それらの対策に加え、近年は猛暑と豪雨への備えも大事です」。

ダリアとバラ
ダリアと咲くバラの二番花。この頃から葉には少しずつ黒点病が。

「バイオマイスター」のマルチング効果

バイオマイスター

過酷な夏を乗り切るために、面谷さんが使っているのは「バイオマイスター」。植物活力素で有名なメネデール社の土壌資材で、土に混ぜて元肥のように使えたり、古土の再生もできる幅広い用途と効果を併せ持つ便利なアイテムです。このバイオマイスターをマルチング材として使うのが、面谷さんの真夏の庭の備え。マルチングとは、地表面を資材で覆うこと。植物の生育に悪影響を及ぼしかねない過度な地温の上昇を抑制することができます。

バイオマイスター
幅広い用途とマルチな効果を併せ持つバイオマイスター。
地温の上昇を抑えて根のダメージを低減
地温
直射日光下の砂利敷の地面は50℃以上。

じつは、地面の温度は気温より高く、35℃前後の猛暑日の場合、地表温度は40℃を超えることが宇宙航空研究開発機構(JAXA)の観測によって分かっています。植物は35℃以上の高温になると、熱によるダメージを軽減するために新陳代謝を最小限に抑え、活動を休止して高温期をやり過ごすことが多くあります。この活動休止中は病原菌への抵抗機能も低下してしまいます。さらに悪いことに、夏の庭は雨で過湿気味になり土壌に病原菌が繁殖。暑さで抵抗力の弱まったところに、悪化した土壌環境が加わり、植物は病気に感染しやすくなってしまうのです。人も免疫機能が低下すると、普段かからないような病気にもかかりやすくなりますよね。そして、そこから回復するのには、とても時間がかかります。すると、本来秋にも咲く予定だった花が咲かないなど、秋以降の庭に影響を及ぼします。

マルチング
バラの株の周りをバイオマイスターでマルチング。

体力の低下、そして感染という負のループから植物を守るためにおすすめなのがマルチングです。株周りの土を覆うことで地温の上昇を抑制し、直射日光による根のダメージを低減します。近年の研究では、根で働いている遺伝子の半分以上が病原菌への抵抗機能にかかわっていることが分かっており、根が元気な状態を保つことが病気を防ぐのにとても重要です。また、マルチングをすることで雨水による土の跳ね返りを防ぎ、病原菌が枝葉に舞い上がるのを防ぐ効果もあります。そして、こうした物理的なマルチングの効果に加え、バイオマイスターには独自の利点があります。

秋バラ
秋に開花したバラ。黒点病がなく葉も青々と美しい。左/‘ザ・ダークレディ’ 右上/‘ジャック・カルティエ’ 右下/‘クイーン・オブ・スウェーデン’。
善玉菌の力で病気を抑制&適切な肥料効果

バイオマイスターは土壌中の有害な菌の発生を抑えるバチルス菌や乳酸菌、植物と共生し、その生育を支える菌根菌など多種多様な善玉菌を含んでいます。さらに、厳選した素材をベストバランスで配合することと含有微生物の働きにより、新鮮な空気や水が根に行き届く環境を土壌中に作り出し、善玉菌の活発な活動とともに健全な根圏環境を整える効果があります。

バイオマイスター
5月の花後、鉢植えのバラも表土をバイオマイスターでマルチング。夏に向けて新葉(赤茶色の葉)が多く展開し、病気にかかりにくい(右写真)。

また、植物が暑さで弱っている際、肥料分が効きすぎると逆に悪影響を及ぼしてしまうことがありますが、バイオマイスターは根の生育に必要な主要要素(N-P-K-Ca-Mg-S)と鉄、マンガン、ホウ素などの必須微量要素を必要最低限の量だけバランスよく配合しており、夏の弱った植物にも安心して使用できます。

バイオマイスターを効率よくマルチングする方法

マルチングの方法は前述した通り、土壌表面をバイオマイスターで覆うだけ。良質な腐葉土と混ぜて使ってもOKです。水分や養分を吸い上げる役目を担う側根(そっこん)は、株の中心から同心円状に伸びるため、例えば大きな樹木の場合には幹の近くではなく、樹姿の外周に沿ってドーナッツ状に、2~3cmの厚みでマルチングすると効率的です。

バイオマイスター
空調服を着てバイオマイスターのマルチングを行う面谷さん。

面谷さんはバラを中心に、植栽スペース全体にバイオマイスターを振りまくように使っています。

「バイオマイスターは軽いので、袋を抱えて庭のあちこちでまいています。バイオマイスターを使ってからは、バラの黒点病が以前より少なくなっていますし、葉を落としたとしてもそこからの回復力が早くどんどん芽をふくので、秋のバラの花数が増えました。ダリアも6月に最盛期を迎えた後、一度株元からバッサリ切り戻しをするのですが、バイオマイスターで覆っておくと夏から秋にかけてメキメキ成長し、もう一度見事な花を咲かせてくれます」。

ダリア
夏に続き秋にも再び庭に華やかな彩りをもたらしてくれるダリア。

面谷さんの庭では、秋もバラやコスモス、セージ、ダリア、原種シクラメンの群生など植物が生き生きと育ち、美しい景色が広がります。

ガーデニング
面谷クリニックの待合室の窓から見える秋の庭。

2023年も記録的な暑さと豪雨の予測、夏に備えて!

観測史上初の記録的な暑さを全国で体験した昨年に続き、2023年の夏は昨年同様かさらに暑さが上回り、降雨量も多いことが予測されています。バイオマイスターによるマルチングは誰にでも簡単にできる真夏の庭対策。本格的な暑さが到来する前の今、庭の大切な植物を守るために備えましょう。

メネデール

メネデール社のホームページ https://www.menedael.co.jp

メネデール社のInstagram公式アカウント

協力:面谷内科・循環器内科クリニック

参考文献:一般社団法人日本植物生理学会HP 登録番号2803

Credit
写真&文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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