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元小学校をコンバージョン。ノスタルジックな雰囲気漂う【ザ・ホテル青龍 京都清水】で過ごす特別なひととき

  • 2023.6.25
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2020年3月開業した【ザ・ホテル青龍 京都清水】は昭和8年(1933年)に竣工した元清水小学校を改修して、ちがう用途に造りかえる「コンバージョン」を実施。当時先進的だった鉄筋コンクリート造りの建物を保存活用した高級ホテルです。古い建築様式を端々に残しつつ、生まれ変わった上質な空間は、京都で泊っておきたいホテルの1つと言えます。

京都の守護神が見守るホテル

ホテルの名前は、平安朝の時代から京都の東西南北を護る四神のうちの東の神獣、青龍に由来。清水寺ともかかわりが深く、音羽の滝に水を飲みに夜ごと降臨したとの伝説が残ります。地元の方にもなじみの深い言い伝えです。

元小学校をコンバージョン。ノスタルジックな雰囲気漂う【ザ・ホテル青龍 京都清水】で過ごす特別なひととき

▲清水寺へと続く清水坂から一歩入ると、洋風のノスタルジックな建物が現れます

石畳は小学校のグランドだった場所。当時の面影がよく残る南側(写真右手)の元校舎には、正面扉の上に時計の丸い跡が残ります。

元小学校をコンバージョン。ノスタルジックな雰囲気漂う【ザ・ホテル青龍 京都清水】で過ごす特別なひととき

▲フロントロビーは、クラシックホテルを思わせる上質な佇まい

レセプションのある南側の建物は、校長室や職員室、会議室のあった場所で、北と東の建物は生徒たちの教室です。

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▲かっての校庭は、緑豊かな庭に生まれ変わりました

築90年になる小学校の歴史ある建物を最大限残し、新たに増築された箇所は影のように黒く色分けされています。ガーデンの一角には、ミシュランの星付きレストランを展開するアラン・デュカスが設立したデュカス・パリ監修によるフレンチレストラン「ブノワ 京都」があります。

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▲小学校時代からの大階段は、ホテルのシンボルになっています

大階段は小学校当時の姿を残しながら、石を新しく張り替えました。中央には京都出身の石彫作家、樂雅臣氏の「輪廻 青龍」を設置。古くから京都の経済を支えてきた織物の道具“シャトル”や時計の針、日時計をイメージしています。

元小学校は傾斜地に建っていることもあり、建物は4階建てですが1階の面積は狭く、2階と3階がコの字につながる変則的な構造です。

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▲小学校時代からある郵便ポストもガーデンの一角に残ります

昭和8年、皇太子殿下(上皇陛下)御誕生記念として地元の有志が植樹したオガタマの木(写真左)は、京都市立小学校・幼稚園銘木百選に選ばれています。

教室をコンバージョンした客室

客室タイプや間取りが多彩なホテルです。教室をコンバージョンした客室をはじめ、新たに増築した客室もあり、ガーデンビューや「八坂の塔」が見られるパゴダビューなど全48室。さらに一口サイズの軽食やアルコールもいただけるゲストラウンジ、客室の冷蔵庫内のフリードリンクなど、うれしいサービスも用意します。

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▲教室をコンバージョンした「スーペリアキング」

窓の大きさや天井の梁に教室だったころの面影が残る客室です。インテリアはベージュやグレー、白、黒を使った落ち着いた色使い。客室からの眺望は中庭や清水寺など、部屋の向きによってことなります。

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▲シモンズの幅200cmのキングサイズベッド

カーペットのデザインは京都の町屋の瓦屋根がモチーフ。家具はすべて客室に合わせて制作されたオリジナルで、クラシックなデザインが素敵です。

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▲洗面は、ほとんどの客室でダブルベイシンを採用

バスルームからはベッドルームと窓が見える間取りです(客室により異なります)。アメニティはひとつずつ箱に入り、引き出しに収納しています。

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▲洗い場のあるバスルームには、据え置きタイプのバスタブとレインシャワーをそなえます

人気の高い八坂の塔を眺望する客室

増築棟にある46.7平米の「スーペリアツイン パゴダビュー」からは、ホテルからほど近い法観寺の五重塔が見られます。

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▲八坂の塔を望める客室「スーペリアツイン パゴダビュー」

まさに“非日常”にひたる時間。新たに増築されたため窓が広く、八坂の塔を見晴らせる感動的な客室です。

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▲横幅140cmのツインベッドを用意

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▲デスクスペース

テレビは木製のクローゼットに隠されていて、景色を見ながら非日常を楽しんでほしいという思いが伝わります。テレビのリモコンは組子細工のケースに納められていました。

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▲2人同時に使えるパウダールームは、客室タイプによって間取りやデザインが異なります

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▲バスタブは重厚でスタイリッシュな据え置きタイプ

檜の香りのバスソルトが用意され、大きなバスタブに浸かりながら疲れを癒すことができました。

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▲各部屋に、ホテルのビフォーアフターを紹介する写真集が置かれます

築90年の小学校がどのように生まれ変わったのかが判る客室備え付けの写真集です。写真が素敵で、見ているだけでもノスタルジックな気分にひたれます。

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▲お部屋菓子は「御菓子司 緑菴」のホテルオリジナル煎餅

伝統産業技術功労者“京の名匠”に選出されたご主人が、ひとりで和菓子を作る名店「御菓子司 緑菴」。その素焼き煎餅には、ホテルのロゴの焼印が押されます。丸い部分は龍の目、上に髭が伸び、下は清水寺の音羽の滝を表します。

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▲バスアメニティは「ナチュラビセ」

バスアメニティとボディローションは、スペインのスキンケアブランド「ナチュラビセ」。ローズマリーとホワイトティー(白茶)のとてもほのかな香りに包まれる、洗い上がりがとてもいいバスソープでした。

小学校の想い出が残る館内

ザ・ホテル青龍 京都清水の見どころと言えば、90年前に当時最先端だった鉄筋コンクリートの小学校校舎と現代建築が融合した設えです。天井の梁や窓からの風景、廊下の造りなど、ひとつひとつをゆっくりと見てまわるのも、このホテルの楽しみ方。耳を澄ませば、子供たちの笑い声や足音が聴こえてくるかもしれません。

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▲ノスタルジックな廊下

腰板を張った廊下には、天井の梁が当時のままの姿で残り、古き良き時代の面影を伝えます。カーペットは龍の鱗と市松模様を組み合わせたデザイン。柱に沿ってガラス張りの木製キャビネットが作り付けられ、中を通る配管もあえて見せる収納です。

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▲南側の3階廊下では、元小学校の外壁を間近に見られます

3階を繋ぐ廊下を増設した際、元小学校の外壁を壁として残しています。そのため屋根を支える木製の腕木や、スパニッシュ瓦を葺いた屋根の一部、今も機能する銅製の雨樋や集水器を間近で見られるようになりました。

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▲小学校時代に使われていたダストシュート

おそらく建設当時からあると思われるダストシュートは、塗りなおされた周囲の壁とは対照的に、時の流れを感じさせる部分。小学校だったころは、子供たちの背丈にあわせ、現在より低い位置にありました。

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▲廊下の消火器置き場の上には、学校をイメージする様々なアート作品が飾られます

京都にゆかりのある作家たちの作品が至る所に飾られ、館内の移動中でも楽しめます。

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▲元小学校の面影を色濃く残す階段の造り

窓が連なる階段は、当時に近い状態で残されています。生徒の身体にあわせて段差が低いのも特徴で、床のタイルは新調しましたが、木造の手すりは傷もあえて残し、保存継承しています。

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▲当時のままの踏板は、右側ばかりがすり減っています

生徒たちは手すりを使いながら階段の“インコース”を上り下りすることが多かったため、踏板の右側ばかりがすり減っているのが判ります。

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▲当時の落書きもそのまま

上質なプライベートバス

講堂だった場所を利用して、3m以上の天井高を活かしたラグジュアリーな貸切風呂を用意。天井の色が異なる「桜」「山鳩」「清水」の3か所があり、それぞれ休憩スペースを設けます(90分¥6,000)。

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▲「プライベートバス」にはアメニティやタオル類も用意

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▲上質な雰囲気たっぷりのお風呂

ライトアップは観る価値があります

周囲が暗くなったところで、カメラを持って外へ出ることをおすすめします。建物や大階段などがライトアップされ、昼間とは異なるフォトジェニックな表情が見られます。

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▲ライトアップは元校舎のみ。増築箇所は黒色なので、光を当てることで当時の面影がより際立つ趣向です

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▲夜こそ美しさが増すホテルです

上質なホスピタリティと名建築を楽しむ【ザ・ホテル青龍 京都清水】。建物そのものにも価値がある。そんなホテルステイを体験してみてくださいね。<text&photo:湯川カオル子 予約・問:ザ・ホテル青龍 京都清水 https://www.princehotels.co.jp/seiryu-kiyomizu/>

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