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マイホームを買うなら、絶対に2023年まで!驚きの理由とは

  • 2023.6.23

父母などからマイホーム購入の資金援助を受ける場合、一定の要件を満たすと贈与税が非課税になる「住宅取得等資金の非課税」が適用される。ただし、本特例は2023年末が適用期限となっている。2024年以降は贈与税の負担が増える恐れがあるため、マイホームを購入するなら2023年がチャンスだ。

今回は、住宅取得等資金の非課税の概要や要件、注意点などについて解説する。

■住宅取得等資金の非課税とは?

住宅取得等資金の非課税とは、父母や祖父母など(直系尊属)から住宅の新築、取得、リフォーム費用に充てるために、金銭の贈与を受けた場合に利用できる贈与税の特例だ。省エネ等住宅は1,000万円まで、その他の住宅は500万円まで贈与税がかからない。

マイホーム購入で資金援助を受けられる場合は、本特例を利用することで贈与税の負担軽減が期待できる。

■住宅取得等資金の非課税の主な要件

住宅取得等資金の非課税は、受贈者(贈与を受ける人)や取得する住宅について次のような要件が定められている。

<受贈者の主な要件>
● 贈与を受けた年の1月1日において18歳以上
● 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下(一定の場合は1,000万円以下)
● 2009~2021年分の贈与税の申告で本特例の適用を受けたことがない
● 贈与を受けた年の翌年3月15日までに全額を住宅の新築等に充てること

<住宅の新築または取得の主な要件>
● 登記簿上の床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下で、その床面積の2分の1以上が受贈者の居住の用に供されること
● 取得した住宅が次のいずれかに該当すること
1 建築後使用されたことがない
2 1982年1月1日以後に建築された中古住宅
3 一定の耐震基準に適合する中古住宅(書類での証明が必要)

本特例の適用を受けるには、戸籍謄本や住宅取得の契約書などの必要書類を添付して、贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日に贈与税の申告書を提出する必要がある。

■住宅取得等資金の非課税は2023年末で終了へ

住宅取得等資金の非課税は、2023年12月31日が適用期限となっている。2022年度税制改正では適用期限が2年間延長されたが、2023年度税制改正大綱では期限延長が盛り込まれていないため、このまま制度終了となる見込みだ。

■2024年以降の資金援助は148万円の増税?

住宅取得等資金の非課税を利用するかどうかで、贈与税の負担がどれくらい変わってくるのだろうか。具体例として、省エネ等住宅の購入資金に充てるために、父母から1,000万円の贈与を受けるケースについて見てみよう。

本特例を利用すれば贈与税はかからない。一方、利用しないと「特例贈与財産」として贈与税が148万円発生する。

<父母から1,000万円の贈与を受けた場合の贈与税額>
(1,000万円-110万円)×20%-30万円=148万円
※特例贈与財産として計算

マイホーム購入で資金援助を受ける場合、2024年以降は最大148万円の増税となる可能性がある。贈与税の負担を軽減したい場合は、2023年末までにマイホームを購入することを検討しよう。

■マイホーム購入で資金援助を受けるときの注意点

住宅取得等資金の非課税を利用する場合は、贈与税がかからなくても申告書の提出が必要だ。手続きを忘れると非課税の特例が適用されず、贈与税がかかってしまうので注意しよう。

また、マイホーム購入を焦らないことも重要だ。贈与税が非課税になるのはメリットだが、住宅は一度購入すると簡単には住み替えられない。長期にわたって住宅ローンを返済する必要もあるので、資金計画を立ててから購入しないと家計が苦しくなる恐れがある。

「贈与税が非課税になるから」という理由だけで、焦って契約するのは避けたほうがいいだろう。

■資金援助でマイホームを買うなら2023年がチャンス

マイホーム購入で資金援助を受けられる場合、贈与税の負担を抑えたいなら2023年がチャンスだ。「住宅取得等資金の非課税」の適用期限が2023年末に迫っており、2024年以降は増税となる。焦って購入する必要はないが、本特例を利用できるなら手続きを忘れないようにしよう。

執筆・大西勝士
AFP、金融ライター。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。FP資格や投資経験をもとに、大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。
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