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あじのなめろう、かますフライ、あん肝......と日本酒でうっとり!@「とりいち」|編集長・植野の食日記 2023年6月20日(火)

  • 2023.6.20

JR横須賀線などが乗り入れる西大井駅から歩いて5分ほどの住宅街にポツンと佇む小さな店。「とりいち」の暖簾と「にこみ」と書かれた赤提灯を見れば、いわゆる一杯飲み屋かと思うでしょうが、いやいやそこは意外なくらい多彩なつまみが揃う、酒飲みの桃源郷なのです……。

あじのなめろう、かますフライ、あん肝......と日本酒でうっとり!@「とりいち」|編集長・植野の食日記 2023年6月20日(火)

■もつ焼きの店なのに、魚介やエスニック料理が旨い!

「とりいち」なのに。
これは、かつてdancyu本誌に掲載した際につけた見出しです。そう、焼きとり(もつ焼き)や煮込みがベースなのですが、お品書きには魚介、鯨、焼き物、揚げ物、洋食、はたまたエスニック料理のつまみが揃い、締めにはガパオライスやナポリタンまであります。社長(お母さん)と息子のアベちゃん(阿部一将さん)がそれぞれつくる料理のコントラストが絶妙なのです。アベちゃんは毎朝豊洲市場に行って、その日の魚や野菜を見て多彩な料理を考えます(僕もかつて仲卸さんに連れて来てもらい、この店の凄さを知りました)。鮪や鯨の仕入れは、正直、並の鮨店がかなわないくらい。「とりいち」なのに。

生クジラ赤身特級ユッケ
生クジラ赤身特級ユッケ
ポテサラ
ポテサラ
あじのなめろう
あじのなめろう

この日は、生クジラ赤身特級ユッケ、ポテサラ(おまけでダル(豆)カレーもつけてくれました……ってダルカレーがあるんかいっ!)、あじのなめろうでスタート。たれと卵黄の優しさに包まれた鯨の滑らかで上質な旨味がたまらん。シンプルなポテサラにダルカレーの軽やかな刺激が加わって酒が進む。すだちサワーと濁りの日本酒、両方合うなぁ。そして、あじのなめろうが絶品!適度な脂のりで身が締まった鯵の濃い旨味に、大葉と青唐辛子の鮮烈な香りと辛味が素晴らしい!日本酒お替わりください!

もつ焼き
もつ焼き
白身魚のフライ
白身魚のフライ
あん肝
あん肝

さらに、しっかり味が入ってこれまた酒が進む煮込みともつ焼きを挟んで、白身魚のフライを注文。この日はかますのフライで、ほろりとした歯応えの上品な美味しさが口に広がり、古漬けを入れたタルタルソースがいいアクセントに。と言うよりこのタルタルソース自体が素晴らしい肴。これだけで呑めます。ついでに頼んだあん肝も軽快なコクが酒を呼びます。呑み過ぎてしまうので、締めにしましょう。筋子おにぎり、焼きそば、焼うどん、ガパオと迷った挙句、夏野菜のナポリタンで締めたのでした。

夏野菜のナポリタン
夏野菜のナポリタン

通常、西大井に行くことはほぼありませんが、この幸せな時間を過ごしにまた行きたい。わざわざ行きたい。そこには「とりいち」があるから。

外観
外観

文・写真:植野広生

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