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【食養生とは?】汗は体調を知るバロメーター!いい汗をかくための東洋医学の心得

  • 2023.6.19
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【食養生とは?】汗は体調を知るバロメーター!いい汗をかくための東洋医学の心得
出典 FUDGE.jp

辛いものを食べると汗が流れ出て体臭がきつくなる、脂っぽいものを食べると汗がベタつく…。汗と食べ物にまつわるさまざまな見解があるのは、食事と汗が密接に関係しているから。汗のかき方によっていまの体調を知り、未病のうちにケア。東洋医学の食養生を実践して、いい汗をかける健やかな身体にスイッチしたい。

教えてくれたのは…

漢方カウンセリングルーム Kaon 代表
樫出恒代さん

汗は体調を知るバロメーター。未病のうちに食養生で身体をケア

少し動いただけなのに汗がじとじと止まらない…ストレスを感じたときに汗がたらり…ワキや首まわりが常にベタつく…。これらの不快な汗は、身体が発している不調のサイン。東洋医学では、病気ではないけれど不調がある状態を「未病」と言い、未病の初期段階に身体を癒して整えることを「養生」と言います。その養生法の代表的なものが、食によって体調を整える「食養生」です。

「東洋医学では、食材にはさまざまな性質があるとされています。身体を温めたり冷やしたりするのはもちろん、エネルギーを補ったり身体の巡りを高めたりする性質の食材もあります。自分の体質を知り、それに合った性質の食材をバランスよく摂ることが、食養生の基本。未病の初期段階であれば、食養生で体質を改善することも可能なのです!

いい汗をかくことは、まさにデトックス。気持ちのよくない汗をかいている人は、デトックス機能が低下している証拠です。汗のかき方によって身体の状態を知り、食養生でバランスを整えることで、この夏はいい汗をいっぱいかける身体を手に入れて、健やかに過ごしましょう!」

東洋医学的いい汗・悪い汗って?

いい汗
  • 温熱性発汗
  • サラッとしている
  • ほとんどニオイがない
  • 必要なだけかいたら止まる

適度な運動をしたときにかくサラッとした汗は、デトックスにもなり気持ちがいいもの。体温調節のために必要な量だけかいたら、きちんと止まることもいい汗のポイント。

悪い汗
  • たらたらと止まらない
  • 動いていないのに汗をかく
  • 暑くないのに汗をかく
  • じとじとベタベタしている

すっきりしない不快な汗のこと。汗を止めるエネルギーが低下すると、じとじとたらたらと汗が止まらなくなり、巡りが悪くなるとベタベタとした汗をかきやすくなる…。

食養生で氣を巡らせて、いい汗をかける体調に整えよう!

はじめに、東洋医学で言う「氣」という概念を覚えよう。氣が満ち足りていれば身体も快調!実はこの氣、食養生で補うこともできるのです。

氣を巡らすには
  1. 旬のもの・新鮮なものを食べる
  2. 氣が増える
  3. 氣が流れる
  4. 氣が巡る

 

氣は身体のエネルギー。天と地から補うことができる
【食養生とは?】汗は体調を知るバロメーター!いい汗をかくための東洋医学の心得
出典 FUDGE.jp

東洋医学では、身体の状態を把握するための「氣・血・水(き・けつ・すい)」という概念があります。健康のバロメーターのようなもので、この3つがバランスよくスムーズに体内を巡っていれば、健康な状態と言えるのです。

この中でも氣は、血や水を巡らす原動力にもなるため、特に重要視される要素。元気や気力などの言葉にも表されるように、氣は身体を流れるエネルギーのことを指すのだが、内臓の働きを維持したり精神状態にも関係し、氣が不足したり滞ったりすると、無気力になったりイライラするなど、心身に不調をきたすことも。

右の「氣」という漢字に注目。かまえの部分は雲を表し、下の部分は穀物を表しており、氣(エネルギー)は天と地から補えるものだと解釈できます。天からの氣は深い呼吸によって、地の氣は穀物を食すことで補うことができるのです。

嫌な汗は氣が乱れている証拠。食養生で氣を補い巡りをアップ
【食養生とは?】汗は体調を知るバロメーター!いい汗をかくための東洋医学の心得
出典 FUDGE.jp

氣の乱れは心身のあらゆる不調につながり、そのサインは汗にも表れます。悪い汗をかくときは、氣が不足していたり滞っていることが考えられ、その場合は、深い呼吸によって天の氣を補いつつ、食養生によって飲食物由来の氣も補うことが必要になってきます。氣を補う食養生としては、旬のものや新鮮なものを食べて、食物からのエネルギーをチャージ。

さらに、米などの穀物を摂取すれば、地の氣も取り入れられます。氣を十分に補ったら、次にそれを身体中に巡らせることも大切。東洋医学では、香りのよいものが氣を巡らせると考えるため、みかんやゆずなどの柑橘類やシソやローズマリーといったハーブを、料理に使ってみるのがおすすめです。

食養生で氣の巡りを整えれば、すっきりとした気持ちのいい汗をかくことができるはず。

illustration:Fumie Maejima edit&text:Masayo Okegawa re-edit:Yuri Iwata[press lab]
※kiitos. vol.20(2021年8月6発売)より抜粋。

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