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東京・湯島のバー「EST!」 レジェンドのカクテルレシピと物語が1冊に

  • 2023.6.18

東京・湯島のバー「EST!」のマスター、渡辺昭男さんの『EST! カクテルブック』(プレジデント社)が発刊された。

創業50年を迎える「EST!」。今年89歳を迎えるマスターの渡辺さんは、協会に属さずにカクテルを追求してきた。存在感やカクテルの味、お客をもてなす姿勢に多くの同業者が憧れる伝説のバーテンダーだ。

本書では、材料や設備が限られていた時代のレシピが多く紹介されており、往年のカクテルの作り方を知ることができる。現在の「EST!」の氷式冷蔵庫で冷やされるのは主にフルーツと一部のフレッシュジュースのみで、限られた材料で常温からカクテルを作るクラシックスタイルだ。

書籍では、渡辺さんの代表的カクテルやオリジナルカクテルのレシピを紹介していく。

<目次>
■「EST!」のこと。
■グラスのこと、フレッシュフルーツジュースのこと、氷のこと。

ハイボール/モッキンバード/ダイキリ/ブラッディマリ―/サイドカー/ティフィンサイドカー/モヒート/ジョージア ミントジュレップ/ルナ ロッサ/ジャックローズ/プールヴァルディエ/ソルティドッグ オールドスタイル/名前のないカクテル/ラハイナ/シルバーブレット/グリーンアラスカ/ウイスキーサワー/ギムレット/ベネット/ボストンクーラー/セプドール/ニューヨーカー/OJアプリコ/ニッキーズ フィズ/アイリッシュコーヒー/夕顔/水割り/マティニ

■三枝静代さん(「木村硝子店」デザイナー)が語る「EST!」のこと。
■栗林幸吉さん(「目白田中屋」店主)が語る「EST!」のこと。
■成田美歌子さん(「バー 街路」バーテンダー)が語る「EST!」のこと。
■「EST!」の定休日のこと。
■親子3人で話す「EST!」のこと。渡辺昭男 渡辺憲賢 渡辺宗憲

歴史あるバーに隠されたエピソードからは、店を守るためのこだわりやおもてなしの心を読み取ることができる。奥の深いカクテルの世界に、足を踏み入れたくなる一冊。

■渡辺昭男さんプロフィール
わたなべ・あきお/1934年8月5日、奉天(旧満州/現在の中国・瀋陽)で生まれる。父は満州鉄道の駅長を務めていた。1945年、終戦により11歳の時に父親の故郷である佐賀県唐津に引き揚げる。高校卒業後の1953年、薬剤師を目指して上京。「トリスバー」でのアルバイトをきっかけにバーの世界へ。銀座「静」(現在は閉店)に移り、棚にぎっしりと並んだ洋酒に強い衝撃と憧れをいだいた。1年ほど働いた後、湯島の「琥珀」へ。18年の研鑽を積み、1973年「EST!」を開店する。

■渡辺憲賢さんプロフィール
わたなべ・のりたか/1966年7月19日、渡辺昭男の長男として生まれる。1990年、大学卒業と同時に大手町「パレスホテル」に入社。「ロイヤルバー」などでバーテンダーとして働く。1994年、開業したばかりの恵比寿「ウェスティンホテル東京」へ。2003年、新橋に兄弟で「Bar Atrium」をオープンする。その後、ビルの取り壊しのために閉店を余儀なくされ、新たに新橋で「Bar Atrium en」を開店。2014年には、新橋で「Bar Caelum」をオープン。オーナーバーテンダーとして2店舗を切り盛りする。

■渡辺宗憲さんプロフィール
わたなべ・むねのり/1970年3月15日、渡辺昭男の次男として生まれる。1988年、高校卒業後に札幌「バー やまざき」へ。1990年に帰京。「ジガーバー」「日比谷バー」を経て、1995年に友人と新橋に「Bar Atrium」を開店。2003年、店名はそのままに兄と一緒に独立を果たす。その後、移転。現在も新橋にて「Bar Atrium」を営む。2014年、父の入院を機に、兄と「EST!」のカウンタ―に立つ。父が復帰後も支える。2016年、父が圧迫性骨折で再び入院。今日まで「EST!」を守り続けている。

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