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「シンクロフィット」はなぜヒットした?発売から10年以上を経て愛用者が急増した第三の生理用品の誕生&ヒット秘話

  • 2023.6.17

ナプキンにプラスして使うことで、不快な漏れなどを防いでくれる画期的な生理用品「ソフィ シンクロフィット」。その開発に秘められた想いや、発売から10年以上を経てヒットしたきっかけについて、広報室に話を聞いた。(フロントロウ編集部)

じつは誕生は18年前!「ソフィ シンクロフィット」がヒットするまで

ユニ・チャーム株式会社の生理用品ブランド「ソフィ」の「ソフィ シンクロフィット」は、SNSでも頻繁に見かける注目の生理用品。ナプキン、タンポンに次ぐ第三の生理用品として多くのユーザーから支持されている。

画像1: じつは誕生は18年前!「ソフィ シンクロフィット」がヒットするまで

タンポンのようにカラダの中に入れるわけでもナプキンのように下着につけるわけでもなく、デリケートゾーンに挟むように押し当てて使用する手のひらサイズの生理用品「ソフィ シンクロフィット」。ナプキンと一緒に使うことで約2時間分の吸収力をプラスできる画期的なアイテムで、伝い漏れやドバっと出る感触など、生理中によくある悩みや不快感も解消してくれる。

そんな「ソフィ シンクロフィット」はここ数年で劇的にヒットし、2019年からの3年で愛用者が10倍以上に急増。一度使ったら手放せないと話題を呼んでいる。実際にフロントロウが1,100人に実施したアンケートでも、「ソフィ シンクロフィット」を使っているという声が多く聞かれた。

画像2: じつは誕生は18年前!「ソフィ シンクロフィット」がヒットするまで

多くの人の心を掴み、現在大ヒットしている「ソフィ シンクロフィット」だけれど、じつは発売されたのは18年前の2005年。画期的な商品であるにもかかわらず、これまでの道のりは順風満帆とは言えないものだった。

長い歳月を経てヒットにたどり着いた「ソフィ シンクロフィット」の誕生秘話やヒットのきっかけについて、ユニ・チャーム株式会社のESG本部 広報室の藤巻尚子さんに話を聞いた。

「ソフィ シンクロフィット」はどうやって生まれた?

「ソフィ シンクロフィット」が生まれるきっかけとなったのは、ナプキンとタンポンについて多くの人が抱えている悩みや不満。

画像: 「ソフィ シンクロフィット」はどうやって生まれた?

日本国内で圧倒的な使用率を誇るナプキンは、使いやすい一方で、カラダとナプキンの間に少しでも隙間ができると漏れやすくなってしまうため、漏れを完全に防ぐうえでは不十分。対するタンポンは、漏れを防ぐという点で圧倒的に優れた商品であるものの、挿入時や使用時の不快感など心理的抵抗を持つ人が多い。そのため国内での使用率が低く、約2~3割に留まっているという。

その悩みを解消できないかと考えたのが「ソフィ シンクロフィット」の原点。ナプキンで気になる漏れを解消し、タンポンで気になる心理的抵抗も解消する、新たな商品を生み出すべく開発をスタートした。

今までにない商品を生み出すには数々の苦難があった

ナプキンやタンポンで気になる問題を同時に解消する、全く新しい生理用品「ソフィ シンクロフィット」が誕生するまでには、さまざまな壁に直面したという。

開発の際に苦労した点のひとつだったというのが、動いてもカラダから外れないフィット感の実現。カラダの中には入れない商品でありながら、徹底的に漏れを防ぐフィット感をかなえるには、一筋縄ではいかなかったそう。なぜなら、経血を吸収すると形が変わってしまうから。

画像1: 今までにない商品を生み出すには数々の苦難があった

経血を吸収すると吸収体の形が崩れてしまう問題を解消するべく、経血を吸収しても型崩れしにくい吸収体や、身体の動きに沿って変形するような仕様を採用。試行錯誤を経て、その名のとおり体にシンクロするような理想のフィット感を実現した。

開発時に難しかった点はまだまだたくさんある。そのひとつが、装着時の違和感を防ぐこと。デリケートゾーンに挟むように使用するだけに、ただショーツにつけて当てるだけのナプキンにくらべて違和感を抱く可能性も高かった。

そのため、身体に挟んでも違和感のない厚みや柔らかさにするよう開発した。藤巻さんは「肌ざわりの良い表面シートを選定することや、挟んだ直後からフィットするように、開発担当者が工夫を凝らしています」と徹底したこだわりを明かした。

画像2: 今までにない商品を生み出すには数々の苦難があった

そのほかにも、吸収機能と水圧で分解する構造を両立させることにも難関が。「ソフィ シンクロフィット」は、約2時間分の吸収力をプラスできる高い吸収性を持つ商品でありながら、トイレで水に流せるという特徴を持つ生理用品。

藤巻さんは、「使用後には水圧で分解できる構造になっています」と説明。経血は吸収するのに水圧で分解するという難しさもクリアしたという。

さらに脚繰りの曲線に合わせた外形状にしたり、身体の丸みに沿ってカーブするような工夫を施したりと、商品形状の細部までこだわりが込められているという「ソフィ シンクロフィット」。これらの数々の困難に直面しながらも妥協しない開発が実を結び、これまでなかった画期的な生理用品がついに誕生した。

新しいカテゴリーという「壁」。魅力が伝わらず日陰の存在に

開発担当者のこだわりが詰まった商品として世に出た「ソフィ シンクロフィット」だったが、残念なことに当時その魅力は十分に伝わることはなかったという。その理由として大きかったのが、全く新しいカテゴリーの商品であること。

画像: 新しいカテゴリーという「壁」。魅力が伝わらず日陰の存在に

当時の反響について藤巻さんは、「2005年に発売された当時は、TVCMも放映していたのですが、わずか15秒のCMで新しいカテゴリーの商品の特徴が伝わるかというと難しく、うまく認知してもらうことができませんでした」と語る。多くの人の生理中の悩みを解消するために開発に挑んだが、その新しさがネックとなってしまったという。

このような背景から、長年日陰の存在となっていた「ソフィ シンクロフィット」。販売こそ継続されていたものの、知る人ぞ知る商品という位置づけで、展開店舗数も少なく、生理用品コーナーの片隅で販売されているような状況が続いたという。それでも販売することは止めなかった。

発売から13年、愛用者の声がSNSで話題を呼び大ヒット!

そんな「ソフィ シンクロフィット」の運命を変えたのが、発売から13年が経った2018年。きっかけは、Twitter上に投稿されたある愛用者のツイートだった。

藤巻さんは、「シンクロフィットの愛用者の方が自ら、使い方や特徴をイラストを交えて分かりやすく解説いただきました。その投稿の反響が大きく、そこから口コミで瞬く間に広まっていきました」と明かした。

画像1: 発売から13年、愛用者の声がSNSで話題を呼び大ヒット!

きっかけとなったその投稿はPR案件などではなく、あくまで愛用者が自主的に投稿したもの。「ソフィ シンクロフィット」の良さを知るいち愛用者のリアルな声が共感や反響を呼び、バズを生み出したのだという。

これを発端に、瞬く間に「ソフィ シンクロフィット」の注目度がアップし、「どこに売っていますか?」といった問い合わせも殺到。さらに優秀なアイテムなのに販売店舗数が少なく、日陰の商品であったことで、「ソフィ シンクロフィット」を応援するムーブメントが誕生し、「#がんばれシンクロフィット」というハッシュタグまで誕生。愛用者たちの後押しにより、長年日陰の存在だった「ソフィ シンクロフィット」は、ついに大ヒット商品となった。

長年の想いが届き、愛用者が劇的に増えた「ソフィ シンクロフィット」。多くの人のもとに届いたことで、開発時には考えられていなかった使い方もブランド側に届いているという。

画像2: 発売から13年、愛用者の声がSNSで話題を呼び大ヒット!

「お風呂上がりにお子さんをお風呂から出して自分の体を拭く暇もなく服を着せたりしていると、生理中の場合経血が落ちることがありますが、シンクロフィットならさっと挟めるので助かっていますという声がありました」と藤巻さん。開発時には予期していなかったシーンでも活躍していることが分かったという。

一人一人の生理を快適なものにしたいという想い

「ソフィ シンクロフィット」が長い間日の目を見ない商品でありながら販売が停止されなかったのには、1963年から生理用品の製造販売を続けるユニ・チャーム株式会社の企業理念が関係している。

画像: 一人一人の生理を快適なものにしたいという想い

藤巻さんは、「生理期間の悩みは一人ひとり異なりますが、創業当時から一人ひとりに寄り添える商品を幅広く提供し、自分らしく過ごして欲しいという想いを大切にしています。シンクロフィットの開発も、このような想いからです」と話した。さらに商品を求めている人がいるなら必要としている人に届けたいと考えているという。

実際に「ソフィ シンクロフィット」だけでなく、ショーツ型のナプキン「超熟睡®ショーツ」や国内唯一の日本製オーガニックコットンタンポン※「ソフィ ソフトタンポン オーガニックコットン」、月経カップ「ソフィ ソフトカップ」など、ニーズに合わせたさまざまな生理用品を展開している。
※日本で販売されているタンポン日本ブランド対象 2021年2月時点 ユニ・チャーム調べ

そこに求めている人がいるのならば―。「ソフィ シンクロフィット」を生み出したように、次はどんな新しい発想やアイテムで生理をより快適にしてくれるのか、今後の展開を楽しみに待ちたい。

(フロントロウ編集部)

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