東京都心から行く「茨城空港」利用テク。全国空港唯一の人気コンビニチェーンも！

首都圏の国際空港は羽田と成田だけだと思っていませんか？ 実は東京駅からの直通バスも運行している茨城空港も国際線を運航しています。ご当地グルメやおでかけ先としての魅力、運行バスの最新事情について、旅行ジャーナリストのシカマアキさんが解説します。

●羽田、成田に次ぐ「第3の空港」は今、どうなってる？

首都圏の国際空港には、羽田空港、成田空港に加え、「茨城空港」があるのをご存じでしょうか。その名の通り、茨城県にある空港で、「首都圏第3の空港」との位置づけです。

羽田や成田と比べると、ターミナルもとても小さな空港ですが、実は国内線に加え国際線も運航されています。東京駅から茨城空港へ直通運転している高速バスもあります。

その高速バスは、コロナ前には「東京直通500円バス」として運行され、訪日客や若者らに人気がありました。空港や東京直行バスなどは今、どうなっているのでしょうか。最新事情を交えて紹介します。

●スカイマークの国内線と、国際線も徐々に再開中

茨城空港は2010年3月11日に開港しました。場所は、茨城県のほぼ中央にある小美玉市。水戸市から南西に約20km、東京都心から約80kmの距離です。

開港時は、アシアナ航空の茨城－ソウル線のみ。その後、スカイマークの茨城－神戸線、札幌（新千歳線）などが就航し、徐々に発着便が増えていきました。

2023年6月現在の運航状況は以下の通り（プログラムチャーター便含む）。

■【国内線】スカイマーク 茨城－神戸・札幌（新千歳）・福岡・那覇

■【国際線】タイガーエア台湾 茨城－台北・高雄

コロナ前までは、春秋航空の「茨城－上海・西安」、青島航空の「茨城－南京・福州・長春」の各路線がありました。しかし現在、中国本土を結ぶ路線は全便運休中。

スカイマークは、格安航空会社（LCC）と異なるMCC（ミドルコストキャリア、中堅航空会社）です。機内持込手荷物は1個＋ハンドバッグなど1個まで合計10kg以内、受託手荷物は1人20kgまで無料。運賃は大手航空会社よりリーズナブルながら、LCCのような変動も少なく、初めてでも利用しやすいのがメリットです。機内ではコーヒーとチョコレートが無料提供され、シートピッチも広く、スマートフォンなどが充電できる電源もあります（一部機材除く）。

●東京駅からのバスは曜日限定、鉄道＋バスで行く方法もある

東京都心から茨城空港を利用するには、まず「交通アクセス」の問題が立ちはだかります。公共交通機関での直行は、「バス」一択です。主なバス路線、運賃、所要時間は以下の通り。

■ 水戸駅 1,100円、所要40～50分 ■ 石岡駅 630円（2回綴り回数券1,000円）、所要35分 ■ 東京駅 1,650円、所要約100分 ※事前予約制、当日空席あれば利用可

東京駅と茨城空港を結ぶバスは2023年6月現在、「日曜日」「木曜日」のみ、台北便に合わせて運行しています。運賃も、以前より改定されています。東京駅での乗り場は、「八重洲南口高速バスのりば3番のりば」です（降車は東京駅日本橋口）

直行バス以外で茨城空港を利用するなら、石岡駅が便利。東京駅や上野駅などから常磐線で石岡駅へ向かい、茨城空港行きのバスに乗ります。空港行きのバスは、発着便に合わせた運行です。東京駅から石岡駅までは特急利用で最短およそ2時間、普通列車だと2時間半ほど。常磐線の沿線に住んでいる人ならば、茨城空港の利用も選択肢に入れても良いでしょう。

なお、3,600台収容の駐車場は、何日駐車しても「無料」です。他の首都圏の空港にある駐車場は駐車料金が高いことを考えると、これが茨城空港最大のメリットと言えます。

●全国唯一、空港に人気コンビニ「セイコーマート」がある！

実は、飛行機利用時だけではない「楽しさ」が、茨城空港にはあります。搭乗者だけでなく、周辺住民が立ち寄るスポットとしても人気があります。

茨城空港は、航空自衛隊百里基地に隣接。そのため航空自衛隊の飛行機を、空港のターミナル2階「送迎デッキ」から眺めることができます。戦闘機が飛ぶ様子は、迫力満点。なお、土日祝は基本飛行訓練がないのでご注意ください。

ターミナル内には、レストランやカフェも。茨城の郷土料理「けんちんそば」「しょぼろ納豆 そば・うどん」などが食べられます。茨城の代表的なお菓子処「亀印製菓」の直売店もあり、茨城銘菓や空港限定グッズなどを販売しています。

さらに、空港内のコンビニエンスストアが「セイコーマート」です。セイコーマートの店舗は、北海道以外では埼玉県、茨城県のみ。実は北海道を含む空港に店舗があるのは、茨城空港のみというレアさです。北海道ならではの商品や人気の弁当なども販売しているので、茨城空港利用時は必ず立ち寄って損はありません。

●空港徒歩10分に直売所＆物産館、県内宿泊でお得情報も

茨城空港のターミナルから徒歩10分のところに「空のえき そ・ら・ら」があります。特に「おみたまプリン」が人気。空港がある小美玉市は、鶏卵の出荷量が国内トップ、生乳も茨城県でトップの出荷量を誇ります。おみたまプリンは、平飼いの鶏の初生卵を使い、そのおいしさは絶品。遠方からわざわざ買いに来る人も多くいます。

ほかに、近隣市町村のお土産、茨城県内の名産品、新鮮な旬の野菜やフルーツ、さらに、航空自衛隊百里基地の自衛隊グッズなども販売。空港と合わせて立ち寄りたいおすすめスポットです。

茨城空港では現在、茨城県内のホテル・旅館に宿泊する空港利用者を対象に、水戸駅や石岡駅などから茨城空港へ向かうバスの片道運賃が無料になるキャンペーンを実施中。例えば、茨城空港から朝が早い便や午前中の便を利用する際、前日に都内から向かって1泊すると、翌朝の空港行きのバスに無料で乗れます。

ターミナルが小さい＝コンパクトな空港は、移動距離が短く、実は使い勝手が良いというメリットも。飛行機搭乗時はもちろん、東京都心からのお出かけスポットしても、茨城空港を利用してみてはいかがでしょうか。

■茨城空港住所：茨城県小美玉市与沢1601-55TEL：0299-37-2800（茨城空港ビル管理事務所6:30〜21:00）

シカマアキ