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【映画とごはん】『ウィ、シェフ!』に登場する前菜「ビーツのパイプオルガン」

  • 2023.6.17

新しい「映画とごはん」企画がスタート!

これまで、季節に合わせたおすすめ映画とその映画を観ながら食べたいごはんをご紹介してきた「映画とごはん」企画。

今回からは魅力的なストーリーはもちろん、おいしそうなごはんにも注目して観たい映画を紹介していきます。

第1回にご紹介する映画は、今年の5/5から全国で順次公開されているフランス映画『ウィ、シェフ!』です。

一匹狼の女性シェフと移民の若者たちのドラマチック・キッチン・コメディ

物語の舞台はフランス本土最北端にある港町、ダンケルク。一流レストランでスーシェフとして働くカティ・マリー(オドレイ・ラミー)は、自分のレストランを開くという夢に向かって突っ走ってきました。

実力主義の職場ではシェフの指示に「ウィ、シェフ!」と従うのがルールですが、ストイックすぎるカティは、味より見た目優先の指示を無視。シェフから三行半を突きつけられてしまいます。

捨て台詞を吐いて飛び出したものの、彼女が見つけた職場は理想とは正反対。移民の少年たちが暮らす自立支援施設でした。

質より量、時間厳守がモットーの施設にはまともな食材も器材すらありません。不満をぶつけるカティに、施設長のロレンゾ(フランソワ・クリュゼ)は少年たちを調理アシスタントにするアイデアを提案します。

厨房に現れたのは、料理人に憧れる最年少のギュスギュス(ヤニック・カロンボ)やサッカー選手を夢見るジブリル(ママドゥ・コイタ)たち。

彼らは18歳までに職業訓練学校に就学できないと強制送還される運命にありました。

料理の“り”の字も知らない少年たちは、厨房での身だしなみから始まり、素材の名前や扱い方に切り方など、覚えることが山積みです。

カティは彼らを指導する中で、移民問題にも目を向けるように。それはやがて少年たちの将来だけでなく、人付き合いが苦手で一匹狼だったカティの人生をも変えていきます。

果たして、カティと少年たちに待ち受ける未来とは……?

カティの得意料理「ビーツのパイプオルガン」に注目!

色とりどりのビーツを型抜きして飾りつけた前菜料理「ビーツのパイプオルガン」。カティの得意料理の1つで、ドレッシングにハイビスカス粉と蜂蜜を使うのがカティ流です。

ところが、カティが勤めていた一流レストランのオーナーシェフ・リナは、ドレッシングを「バルサミコ」に替えるよう指示。それを無視したことでリナとけんかになり、カティはレストランを去ることになります。

やがてカティは、施設のみんなと食事をするため、再びリナのレストランを訪れます。前菜として運ばれてきた料理はもちろん「ビーツのパイプオルガン」。

おいしそうに食べる少年たちの顔とそれを眺めるカティのやさしい表情が印象的で、見ているこちらまで笑顔になってしまいます。

カティの自慢の料理はどんな味がするのでしょう?

劇場用プログラムでは、シェフの田中いずみさんが特別にアレンジしたレシピが公開中なので、実際に味わってみたい方は要チェックです!

『ウィ、シェフ!』はまだまだ劇場公開中

ビーツのパイプオルガンをはじめ、セビーチェサラダ、カボチャのポタージュに天ぷらなど、冒頭からおいしそうな料理が続々登場する本作。

移民の少年たちとカティがともに作り上げる料理の数々も大きな見どころです。

カティのモデルは、未成年の移民たちを調理師として育成し、フランスでの安定した暮らしを手に入れさせようと奮闘する実在のシェフ、カトリーヌ・グロージャン。

メガホンを取ったのは、これまでにもフランスが抱える深刻な問題を社会派コメディとして発表してきたルイ=ジュリアン・プティ監督。

フランス料理への情熱と“おいしい!”の一言に心温まる人生賛歌となっています。

残念ながらすでに上映終了してしまっているところもありますが、これから上映される劇場もあるので、詳しくは公式サイトの劇場情報をチェックしてみてくださいね。

作品情報

タイトル:ウィ、シェフ!(原題:La Brigade)
上映時間:97分
製作国:フランス
製作年度:2022年
監督:ルイ=ジュリアン・プティ
キャスト:オドレイ・ラミー、フランソワ・クリュゼ、シャンタル・ヌービル

© Odyssee Pictures - Apollo Films Distribution - France 3 Cinéma - Pictanovo - Elemiah- Charlie Films 2022

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