自販機がCO2を“食べる”！アサヒ飲料の最新自動販売機がまさに革命

アサヒ飲料株式会社が、大気中のCO2を吸収する新たな自動販売機「CO2を食べる自販機」の実証実験をスタート。6月30日より、三井ショッピングパーク ららぽーと門真・三井アウトレットパーク 大阪門真にて国内で初めて設置される。（フロントロウ編集部）

アサヒ飲料株式会社の「CO2を食べる自販機」

三井ショッピングパーク ららぽーと門真・三井アウトレットパーク 大阪門真に設置される「CO2を食べる自販機」は、自動販売機の庫内にCO2を吸収する特殊材を搭載した新たな自動販売機。

自動販売機は周辺の大気を吸いこみ、それを利用して商品を冷やしたり温めたりしているが、「CO2を食べる自販機」は庫内に搭載した特殊材が大気中のCO2のみを吸収する仕組みとなっている。

CO2を吸収しても自動販売機の稼働に影響はなく、大気中のCO2を吸収する木と同じような役割を果たすため、脱炭素社会の実現に貢献。1台当たりのCO2年間吸収量は稼働電力由来のCO2排出量の最大20％を見込んでおり、スギ（林齢56-60年）に置き換えると約20本分の年間吸収量に相当するという。

アサヒ飲料株式会社は、今回の設置をもって自動販売機を活用したCO2の資源循環モデル構築に向けた実証実験を開始。脱炭素社会の実現に貢献する国内初の取り組みとなっている。

実証実験では関東・関西エリアを中心に、CO2濃度が高いとされる屋内に加え屋外などさまざまな場所に約30台設置予定。CO2吸収量や吸収スピードなどを比較・検証していく。

ちなみに自動販売機から吸収したCO2は、取り組みに賛同する各自治体や企業と共創しながら、さまざまな工業原料として活用することが計画されている。

吸収材を肥料に配合し土壌に散布することでCO2の土壌貯留を図るほか、コンクリートの原料に配合しCO2の固定化や海中での藻場造成などに活用することでブルーカーボン生態系※の再生を図ることなどを検討しているそう。
※ブルーカーボンとは「海洋生態系に蓄積される炭素」のことであり、そうした作用を有する生態系

（フロントロウ編集部）