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【喜び2倍!】ハンギングで育てて食べる「ミントパイナップルレモネード」

  • 2023.6.16
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最も古くから栽培されていたハーブの一つ「ミント」。丈夫で育てやすく、とても身近なハーブです。栽培と料理、どちらも楽しめば喜びも2倍! 今回はさまざまな種類のミントを使った、グリーンの葉が輝くスリットハンギングを作り、摘心した葉で夏の喉を潤す「ミントレモネード」をご紹介します。栽培のコツとレシピを教えてくれるのは、神奈川県葉山で旬の野菜を育て、植物を身近に暮らしながらアンティークバイヤーとして活動中のルーシー恩田さんです。

夏には爽快な「ミント」を

ミント

気温が上がり植物たちがおしゃべりになってきました。ガーデニングや畑仕事は五感が研ぎ澄まされる、最高のモーメント。朝の水まきで土やハーブから上る芳醇なミスト、花弁についた水滴のゴージャスさ、摘心した指に残る清々しい香り、ベルベットのようなテクスチャーの葉……。新芽や開花など、すべてが奇跡のタイミングで起こり、私たち人間も本来自然の一部だということを思い出せてくれる時間です。

家庭菜園

そんなハーブガーデンの中でも、今一番おしゃべりな子がミントたち。ペチャクチャペチャクチャ! 彼らは高めの声で、とっても早口。「出番が来たわよーぉ!」とやる気満々です。

ミント栽培
繁殖力が強いので、花壇でおしとやかに育てたければ、鉢に入れて箱入り娘ならぬ「鉢入り娘」としての栽培をおすすめします。

スゥーっとした香りが特徴的な人気のミントは、夏を代表するハーブの一つ。ガーデンでは眩しいグリーンが彩りを添え、畑では害虫を避けるコンパニオンプランツとしても活躍します。

ミント栽培

私の知る限り、ミントは最も栽培が容易なハーブ。放っておいても勝手に育ち、春を迎えて温かくなると、あちこちから芽が出てきます。グングン広がり、気付いたら庭中にミントがなんてことも。

ミントの挿し木
切った枝を水に挿せば、1週間も経たずに根が出ます。

ミントは地下茎で広がる丈夫な多年草。挿し芽や株分けで魔法のように増えていくハーブです。身近にあると何かと便利。ハーブティーやお菓子、料理にも幅広く活躍してくれます。

ミントの株分け
花壇などで育てている場合、茂ってきたらスコップでザクッと掘り、株分けしましょう。

薬効に富んだハーブ「ミント」

ハーブの活用

ハーブガーデンの起源は薬草園といわれています。医者や薬局が手軽でなかった時代は、先祖伝来の知恵で薬草(ハーブ)を使用して、不快な症状の緩和をしていました。

それぞれのハーブには、ビックリするほどさまざまな効能があると信じられていました。魔力や伝説とも縁深く、現代人の感覚からすると「そんな馬鹿な!」と言いたくなるような記述も沢山。残念ながら、すこぶる健康体の私には確かめようがありません。

ミント

ミントは最も古くから使われていたハーブでもあります。「殺菌」「抗炎症」「解熱作用」が期待できるため、風邪をひいてしまった時にも活躍。消化促進や整腸作用もあるのでハーブティーとして、食事のお供にも。リラックス効果があり、安眠を誘うので、ストレスが気になる時にもおすすめのハーブです。

さらにミントは「予見」のハーブと信じられ、予知夢をもたらす力があると考えられていました。嗅いだ瞬間に身体の中を満たしてくれる、ミントの爽やかで清々しく「初夏の風」のような心地よさは、外からの情報で曇ってしまった心をクリアにして「ひらめき」や「インスピレーション」をきっと授けてくれるはず。 予知夢を見られるかはさておき、直感力がアップする香りなのです。ちなみにミントの花言葉は「美徳」♡

多品種のミントで作るスリットハンギング

ミントのスリットハンギング
ドアにかけたミントのスリットハンギング。

春から秋はミントがとても元気なシーズン。香りもよく、効能も多く、育てやすい万能ハーブのミント。今年はミント一択で「スリットハンギング」を作ってみました。

スリットハンギングバスケットとは、壁面に掛けることができるプラスチック製の鉢。読んで字の如くスリットが入っていて、植え込むと多方面に向かって育ちます。壁から植物が飛び出しているような、立体的な印象のバスケットを作ることができます。

ハンギング
昨年の今頃に作ったハンギング。

ひと口にミントと言っても、種類は600種以上も存在するといわれています。それぞれ香りも形も、色味のトーンが違って個性的。涼しげな雰囲気で夏にぴったりのミントは、なんといっても丈夫なので、初めてのスリットハンギング作りにもおすすめです。今回は買ってきた数株とすでに花壇に植わっているものを株分けしながら、天真爛漫にお気楽なモチベーションで作っていきます。

ミントのハンギングバスケット
今回のハンギングでメインに使うのはこちら。1つの苗を3分割ほどにバラして使います。
ミント
花壇からの株分け。もうどれが何ミントだったかよく分かりません。

本来はずらして植え込んでいくなど、スリットハンギング製作時のコツはありますが、今回はそんなことは全て忘れて、大胆不敵に適当にやってみましょう。大丈夫! きっとできるわ。もし失敗したっていいじゃない♡ ミントは繁殖力が旺盛なので、不器用さんが作ってもなんとか形になるのでご安心を。

作り方はとっても簡単!

① ハンギングに専用のスポンジを貼り付けて、プランター用の土などを底に敷く。

ミントのスリットハンギング作り
前回貼ったスポンジがまだ使えそうなので、今回は再利用します。

② 一番下の階層から作っていきましょう。苗に付いた土を軽くほぐしてバスケットのスリット部分に上部から苗を植え込む。

ミントのスリットハンギング作り
隙間に土を足していくのをお忘れなく!

③ 引き続きスリット部を第2階層、第3階層と続け、色味や形状を踏まえてリズミカルに植えていく。

ミントのスリットハンギング作り

④ 上部にも苗を植え込んで、植物の植え込みが終わったら土が流失しないように水苔を張る(土の流出防止や夏場の乾燥を防ぐ効果があります、お好みでどうぞ)。多少、プラスチックの鉢が見えていても、成長して隠れるのでご心配無く。

ミントのスリットハンギング作り

⑤ 水をやさしく、たっぷりと注いで完成。しばらくは新居に戸惑うミントも、数日経てば馴染んできます。以下のように、植えた当日と翌日はまるで別人。

ミントのスリットハンギング作り
植えた当日。
ミントのスリットハンギング作り
植えた翌日。ミントは上に向かって伸びるので、みんな一気に方向転換。

枝が暴れ始めたら摘心をしましょう。もっさり感をキープする為にも摘心は大切。伸びすぎると下葉が蒸れて変色し、葉が落ちてしまいます。あと、土が少ないので乾燥にご用心。

ミントのスリットハンギング
ハンギングを作ってから約1カ月。飛び出た茎を少しカットしました。
ミント

あぁ、喉が渇いた! いよいよ、ここからがクライマックス。この摘心したミントたちで、すっきり爽快なレモネードを作りましょう。

夏のオアシス「ミント&パインのココナッツレモネード」

ミント&パインのココナッツレモネード

あたし、レモネードが大好きなのです。甘いのか酸っぱいのか、曖昧なバランス感でついつい元気が出ちゃう。暑い日に飲むレモネード、最高ですよね。夏と言えば! のパイナップル、ついでにココナッツウォーターを使って、トロピカルムードを足し算しましょう。ミントの種類はお好みで構いません。なんなら分量も適当に! 甘みを足したり引いたり、夏の恋の駆け引きもお好きにどうぞ。

■ 材料 (約4人分)
ミント&パインのココナッツレモネードの作り方
  • パイナップル(よく熟れたもの) 1/3個
  • ミント 1つかみ
  • ローズマリー 4cm
  • レモン汁 レモン2〜3個分(約100ml)
  • グラニュー糖 40g
  • ココナツウォーター 600ml(なければ水でもばっちり美味しいです)
■ 作り方

① パイナップルの皮を剥き、芯を取り除いてぶつ切りにする。

ミント&パインのココナッツレモネード

② レモンを絞り、ミントとローズマリーは茎から葉を外し、その他全ての材料と一緒にミキサーやブレンダーで撹拌する。

ミント&パインのココナッツレモネードの作り方
ミント&パインのココナッツレモネードの作り方
作っている最中もいい香りを楽しんで!

③ 氷の入ったグラスに注ぎ、飾りのハーブやレモンスライスを添えて完成。よく混ぜてぐびぐびっと召し上がれ!

ミント&パインのココナッツレモネードの作り方
ミント&パインのココナッツレモネードの作り方
今回使用したのは、このココナッツウォーター。お水でも十分美味しいですが、たまにはココナッツウォーターでトロピカル浮かれ気分。

あのね。きっと「天国」とか「パラダイス」ってものは、ハーブガーデンのような場所だと思うのです。いい香りに囲まれて、呼吸をするごとに身体が生まれ変わる感覚を味わい、日々植物の成長に歓喜して、ひとやすみにミントレモネードを楽しむ。

あ、でもこれって現世でもできますよね。生きながらにLet’s 極楽浄土。アタシの本籍所在地はパラダイス銀河よ♡ 欲張りに栽培も収穫も全てひっくるめて楽しみましょ。自分で育てたミントで作るレモネードは、もぅ最高!なんだから。

Credit
写真&文 / ルーシー恩田

ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。

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