【国分寺】恋ヶ窪の地名由来と鎌倉時代の恋愛秘話が隠れた「姿見の池緑地」

こんにちは！リビング多摩Web地域特派員のKoharu（こはる）です。

国分寺は国分寺建立の歴史以外にも、色々と歴史と深いかかわりのある街。今回は、奈良時代、鎌倉時代そして江戸時代と深いつながりのある「姿見の池緑地」をご紹介します。

整備された綺麗な緑地公園

「姿見の池緑地」があるのはJR西国分寺から歩いて5分のところ。

西国分寺駅から国分寺方面に向かって坂を下って行くと綺麗な小川に沿った小径が現れます。そこが姿見の池に続く「姿見の池緑地」です。この小川は玉川上水から分水した水路で、江戸時代にできた恋ヶ窪村分水と呼ばれる水路。

私が小さい頃はこのような綺麗な小径や小川はなく、汚水が流れ出していて綺麗と言える水路ではなかったのですが、平成11年より池を再生し、昔の用水をイメージして整備されたそうです。

今では風情のある小川になっていて国分寺の観光名所の一つとなっています。

恋ヶ窪用水の”恋”の字の由来

この「姿見の池緑地」があるこの辺りの地名は”恋ヶ窪”。西武国分寺線の”恋ヶ窪”という駅名にもなっています。全国でも”恋”という字を持つ駅名はこの”恋ヶ窪”を含むたったの4つだけなんですって。恋という字がついているなんてとっても素敵ですよね。

この辺りが”恋ヶ窪”になった由来は諸説あるようですが、この「姿見の池」にまつわる説もあります。

それは鎌倉時代のお話で、昨年の大河ドラマ”鎌倉殿の13人”で中川大志さんが熱演された武蔵国の武士畠山重忠と鎌倉街道沿いの宿場の遊女夙妻太夫（あさづまたゆう）との悲恋物語。

「源平争乱の時代、畠山重忠と遊女の夙妻太夫が恋に落ちたのですが、戦乱の世で重忠が西国に戦いに出ている間に、夙妻太夫に熱をあげたもう一人の男が重忠は討ち死にしたと嘘をつき、夙妻太夫に諦めさせようとしたそうです。それを聞いた夙妻太夫はひどく悲しみ姿見の池に身を投げてしまった」

という悲しいお話です。 近くの東福寺というお寺にある”一葉松”もこの二人の悲恋物語が元になっているのですが、そこからこの辺りの地名に”恋”の字が使われたらしいのです。この由来を聞くとなんて儚く尊い地名なのかと感慨深くなります。

姿見の池の由来

そして今回ご紹介している「姿見の池」の由来もお伝えしておきたいと思います。

鎌倉時代の恋ヶ窪に鎌倉街道の宿場町があった頃、”この辺りにいた遊女たちが自らの姿を朝な夕なにこの池の水面に映し出して見ていた”という言い伝えから「姿見の池」と名付けられたそうです。

そんな「姿見の池」ですが、実は私が小さい頃はこの辺りは埋め立てられていて、近辺に釣り堀があったのは覚えているのですが、池があった記憶はありません。

今では「姿見の池」が復活し、鯉が泳ぎとても素敵な橋も架かっていて風情が感じられます。

由来の話などで鎌倉時代の話をたくさんさせていただきましたが、この「姿見の池」のあたりには奈良時代には東山道武蔵路があったというからびっくりです。

「姿見の池緑地」で奈良時代の東山道武蔵路跡、鎌倉時代の畠山重忠の悲恋物語、そして江戸時代の恋ヶ窪用水路を一度に楽しめるとは、なんかとってもロマンがあるな〜と感じてしまいます。

「姿見の池緑地」にはお花がいっぱい

この「姿見の池緑地」では”緑地”と名前がついてるだけあって緑やお花がたくさん育てられています。

ボランティア団体「国分寺姿見の池緑の会」さんが貴重な自然を守り次世代に残す活動を行なってくださってるそうです。

環境を保持するために遊歩道の整備や、下草刈り、植物調査などを毎月定期的に行なっているそうですよ。

そのおかげでこの「姿見の池緑地」では季節ごとに色とりどりの野草や花々を楽しむことができるんですね。

この「姿見の池緑地」のことは、国分寺・府中観光振興連絡協議会”が発行の3種類ある”ミニブックにも載っているので是非市役所や国分寺駅でゲットしてみてくださいね。

地図も載っていてとても便利なので、ミニブック片手に「姿見の池緑地」をお散歩に出かけてみてはいかがでしょうか？

姿見の池緑地 住所：国分寺市西恋ヶ窪1-8-7 アクセス：JR西国分寺から徒歩5分 電話番号：042-325-0111（国分寺市緑と公園課・代） 駐車場：有（障害者用1台） トイレ：有（バリアフリートイレ、オムツ替えベビーシート共に有) ホームページ：https://www.city.kokubunji.tokyo.jp/shisetsu/kouen/1005195/1004231.html