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「今日も雨ですね」「そうですね」で終わらせない…デキる人が天気ネタに加える"雑談が続く"神フレーズ

  • 2023.6.14

雑談が続かない人はどこに問題があるのか。話し方コンサルタントの阿隅和美さんは「雑談は『会話のラリーを続ける』ことが大事なポイント。雑談では、面白さ、有益さ、結論を出す必要はありません」という――。

エレベータの中で会話をする男女
※写真はイメージです
雑談は信頼関係を作る効果的な方法

「沈黙は気まずいけれど雑談は苦手」という声をよく耳にします。特に、世代の違う年上の人と話をするのは、何を話せばいいのか分からず面倒なもの。上司とも「仕事以外の話は極力したくない」という若手が増えているそうです。

そこまでではなくても、顔見知り程度の「微妙な関係」の人と雑談するのは気が重いという人はかなりいるのではないでしょうか。そもそも、なぜ雑談が仕事に必要なの? と思うかもしれません。

ビジネスコミュニケーションをスムーズに進めるためには、ある程度の信頼関係があるほうが仕事はしやすく、雑談は、対人関係づくりに効果的な方法なのです。そこで、今回は、突然目上の人と2人きりになっても慌てずに済むよう、雑談の苦手意識を解消する方法について見ていきましょう。

誰とでも雑談ができるようになるポイント2つ

雑談が続かず、気まずい沈黙をつくってしまうのには、会話の仕方が影響しています。会議や商談の場面でのビジネスコミュニケーションの延長線上で話そうとしたり、逆に気の置けない友人とのフランクなおしゃべりのつもりで雑談をしたりしようとして失敗するのです。

言語のコミュニケーションは、「おしゃべり」「会話」「対話」の3つに分類できます。「おしゃべり」は、とくに生産性や意味が求められない、その場かぎりのもので、自分が楽しむことが主な目的です。「会話」は、人間関係を構築するためにするもので、相手の話に合わせるもの。「対話」は、議論などをして相互理解をしたり、結論を導き出したりするもので、会議や商談等でのやり取りです。

雑談は、この中の「会話」にあたります。つまり雑談力を高めるには、「会話の仕方」を理解し、身につければいいのです。ちょっとしたコツで、気を遣う相手とも話せるようになり、仕事にもプラスに働きます。

雑談力を上げる2つのポイント

では雑談力を上げる主なポイントを2つご紹介します。

①会話のラリーを続ける

コミュニケーションの世界では、言葉のやり取りを通じて気持ちの交流を増やすことで、心理的な距離が縮まり関係性が深まると言われています。そのため、雑談は「会話のラリーを続ける」ことが大事なポイントになります。ですから、雑談では、面白さ、有益さ、結論を出す必要はありませんし、多少間違っていても揚げ足を取らずに聞き流すなど、内容より会話のラリーを続けることを優先しましょう。

次に、会話のラリーを続けやすくするために、相手が話しやすい話題を選ぶことです。それには、「相手にとって身近なこと」について質問を投げかけるといいでしょう。

雑談が苦手な人がストレスに感じるのが「沈黙」です。この沈黙を何とかしたくて、ついつい思いついた政治経済、時事ネタを咄嗟に話し出してしまうことがあります。しかしあまりに唐突な話題だと返答に困って会話も弾まず、また沈黙……、と逆効果になることがあります。

雑談は会話のラリーで心理的距離を縮めるためのものですから職場環境、趣味など話しやすい身近な話題を選ぶのが正解。もちろん、沈黙解消にも効果的です。

②感情を添える

2つ目の雑談のコツは、情報だけではなく、「感情」をやり取りすることです。雑談ネタとして情報交換もいいのですが、実は情報のやりとりだけでは心理的距離はあまり縮まっていません。そこで、雑談の際には、あなたの感じた事や、相手に対する配慮の言葉など、プラスαの一言を添えてみましょう。顔見知り程度の役員でも、こうした雑談を重ねる毎に、あなたの人となりが何となく伝わって、徐々に心理的な距離が縮まり、仕事上でもプラスの心理的バイアスがかかりやすくなるでしょう。

オフィスでコミュニケーションをとる男女
※写真はイメージです
無難な「天気ネタ」でも好印象にするテクニック

では、ここからは具体的な雑談テクニックを見ていきましょう。

◆天気ネタは相手への配慮をプラスする

無難に済ませたい時に使うのが雑談の定番「天気ネタ」ではないでしょうか。「今日は朝から暑いですね」「梅雨でジメジメしていますね」これだと相手によっては「ああ、そうだね」程度の返事で、そこで会話が終わってしまいます。

そこで、天気の話題を振る時には、雑談のコツ「プラスαの一言添え」を活用しましょう。

【自分】「おはようございます。今朝はいいお天気ですね」

【相手】「ああ」

【自分】「でも夕方から雨が降るらしいですよ。お帰りの際、どうぞお気を付けてください」(または「明日から寒くなるみたいですよ。体調お大事になさってください」)

このように、相手への配慮ある言葉をひとこと添えると好印象です。場の空気もよくなり、会話が続きやすくなります。

また、役員であれば、若い世代の流行などにも興味をお持ちのようなので、最近のトレンドをお伝えしても喜ばれます。

例)「そういえば、この近くに新しく出来たベーカリーはご存じですか?」「連日、若い人たちの大行列で、なんと1時間待ちだそうです。驚きました」

先程の天気ネタ同様、話題が変わっても「嬉しかった、驚いた」などの感情を一言添えて話すと、関係性作りには効果的です。ちょっとした雑談ですが「新しい情報に敏感」、「スイーツ好き」、というあなたの人となりも伝えることができます。

さらに会話が弾み、「なぜそんなに人気なの?」と質問されたら「私も気になっているので今度並んで偵察してきます。またご報告します!」と返しておけば、次回の雑談にも繋がります。

「前回の会話」も心の引き出しに

◆時事ネタも、身近な事として振る

時事ネタ、ニュースも雑談ネタの定番です。もし、時事ネタやニュースを雑談のきっかけにするときには、一般論としてではなく「経験談+感じたこと」をプラスαで伝えると会話が続き、心理的な距離が縮まりやすくなります。

例えば「先週末の豪雨では全国でかなりの被害が出たようですね」よりも、「先週末の豪雨は、私の近所でも川が氾濫しないかとひやひやして夜も眠れませんでした。お住まいのエリアは大丈夫でしたか?」と伝えたほうが、あなたらしさが伝わります。また、こうしたちょっとしたプライベートな体験談を先にすることで、「そうなんだ、それは大変だったね、うちのほうは……」などと相手も話しやすくなります。

◆以前の会話を思い出す

誰でも以前の会話や自分の趣味を覚えていてくれると嬉しくなるものです。そこで、雑談のきっかけで良く使う「最近、お忙しいですか?」というありきたりなフレーズも「お忙しそうですが、最近ゴルフはやっていますか?」のように、前回までの会話を織り交ぜながら質問をすると、「沈黙」を解消するだけでなく好感度もアップします。

もし直接会話をしていなくても、「いつもお忙しそうですね。そういえば先日、社内報でご紹介なさっていた書籍、早速読んでみました。まだ途中なんですが大変勉強になります」「同期のメンバーから、○○さん(相手)の手掛ける第二事業部のプロジェクトについて聞きました。うちの事業部でもだいぶ話題になっています」など、相手に関連することを話題にして感想を添えるのもおすすめです。

「最近調子はどう?」のうまい返し方

◆話題が見つからない時には教えてもらう

年上の役員や部長、取引先の社長など、あまりに関係性の距離が遠くて、雑談ネタも振りにくい時には「教えてもらう」のが効果的です。例えば「○○さん、旅行が趣味だと伺ったんですが、実は実家の両親を連れて旅行を考えていまして、おすすめの旅行先ってありますか?」

「テニスの腕前がすごいとお伺いしました。実は、私、最近テニスをはじめたんですが、なかなか上達しなくて……。何かコツってありますか?」などと教えてもらう方法です。この「教えてもらう」ことによって相手は承認欲求を満たされるので関係性構築にも効果的ですし、相手の得意とする内容であれば、話も弾むでしょう。

◆「調子はどう?」と聞かれた時の対応

一方、逆の展開も考えてみましょう。突然、エレベーターなどで突然ふたりになってしまい普段あまり話をしたことがない上司や役員から「最近、休みの日は何してるの?」「最近、調子はどう?」など質問をされたとき、あなたならどう返しますか?

もしかしたら、自分のプライベートに踏み込まれたようで不愉快さを感じてしまう、仕事以外のことを話す必要はないと思うかもしれません。もちろん、相手との関係性にもよるので、一概には言えませんが、このような状況であればたいていの場合、相手は「話をつなごう」と雑談のきっかけをつくっているだけで、そこまであなたの休日や調子に興味があるわけではありません。

ですから、あまり神経質にならずに雑談を楽しんではいかがでしょうか。せっかくの機会なので「おかげさまで、うまくいっています」「どちらかと言えば良い方向です」「まあまあです」と一言で終わらず、答えにプラスαの一言を添えて話のラリーを繋いでください。

例えば「休日は、映画を観にいきました」という答えだけだと会話が終わってしまうので、

「休日は、良く映画を観に行きます。この前観た、○○は評判通りアクションシーンがすごくてハラハラしました」とプラスαの一言を添えます。そして一通り答えたあとは、相手に対して「○○さんは、休日何をしているんですか」「○○さんは、最近何か良いことがありましたか?」などと尋ねると会話のキャッチボールになります。

私の周りにいる人望が厚い経営者やリーダーの方の中には、上下の区別なく人を和ませる雑談上手な方が多くいらっしゃいます。仕事に関しては厳しくても、ミーティングの合間の雑談で人となりが何となく伝わってくると、一緒に仕事がしやすくなるものです。

一方、若手の方であれば、普段はあまり話をする機会がない相手から、あなたがコミュニケーション能力のある人なのかを、ちょっとした雑談の印象で判断されているのです。雑談は、適した方法を理解して再現することでうまく話せるようになります。どうぞ自分のやりたい仕事、能力を発揮しやすい環境をつくるための種まきだと思って、雑談力を仕事に活かしてください。

阿隅 和美(あすみ・かずみ)
WACHIKAコミュニケーションズ代表
青山学院大学経営学部卒業。中部日本放送アナウンサーを経て、NHK衛星放送キャスターとして、株式市況、世界のトップニュースを10年担当。20年にわたり、スポーツ、経済、情報番組に関わる。アナウンサー名は瓶子和美。現在は、TV現場で培った技術を活かし、ビジネス現場でコミュニケーション力を発揮し、成果を出す人材を育成する研修、講座、講演を行っている他、経営層・管理職、エグゼクティブリーダー向けプレゼン・スピーチのパーソナルトレーニングやコンサルティングなどを実施している。著書に『心をつかみ思わず聴きたくなる話のつくり方』(日本能率協会マネジメントセンター)、『仕事ができる人の話し方』(青春出版社)があり台湾でも翻訳されている。ホームページ

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