季節の花手水や夏フェス盆踊りも！「東京の白へびさま」 蛇窪神社―東京神社案内【5】

東京都には約2,000社の神社があると言われています。初詣や祈願成就で参拝したり、散歩がてらに立ち寄ったりと神社に行く機会は何かと多いのでは。そこで本シリーズでは、写真家の石津祐介さんが、神社の見どころや土地とのつながり、オススメの授与品を紹介し、神職の方からお話を伺います。第5回は「蛇窪神社」です。

干ばつを救った龍神さま

蛇窪神社は「東京の白へびさま」として昔から庶民に親しまれた神社です。正式名は「天祖神社」といい、天照大御神（あまてらすおおみかみ）を主祭神としてお祀りしています。そして境内の社には蛇窪龍神社、白蛇辨（べん）財天社、法密稲荷社の３つの末社があります。今回は、権禰宜の須永夏美さんに神社を案内していただきました。

「神社の創建は鎌倉時代で、この地に起こった干ばつの危機を救うため龍神さまに雨乞いをしたところ、みごと恵みの雨が降り、それに感謝をした村人達が神社を建立したのが蛇窪神社の始まりだと伝わっています」（須永さん）

「雨乞い断食祈願の祭壇に、豊作を祈るために京都の伏見稲荷大社から御分霊をお祀りしたことから、境内に稲荷社が勧請されました。令和4年には御鎮座七百年を記念して、雨乞いを行った法密上人の名を冠した『法密稲荷社』と改名しました」（須永さん）

スネークタウンで街おこし

神社の氏子地域はかつて「蛇窪」という地名で、東急大井町線の戸越公園駅は、昭和11年までは蛇窪駅という駅名でした。

「鎌倉時代に、社殿そばの湧き水に白蛇が住んでいましたが水が枯れてしまい、今の戸越公園駅近くの池に移り住んでしまいました。ある日、氏子さんの夢枕に白蛇が現れ『元の住み処に帰りたい』と懇願されたので、宮司や村人達が池を掘り辨財天社を建立しました」

「その白蛇が、元の住み処へ戻った道を『白蛇さまの戻り道』として、道沿の町や商店街、企業などで『スネークタウン』として街おこしを行い、神社とコラボした『へびくぼみやげ』を販売したり、イベントを開催しています」（須永さん）

蛇窪神社での参拝順序について

「参拝の順序にルールはありませんが、まずは本殿をお参りしていただければと思います。次に、撫で白蛇→蛇窪龍神社→白蛇種銭→銭回し・銭洗い→白蛇辨財天社の順で参拝いただければと思います」（須永さん）

「ご神徳は、白蛇大神は『良い縁を授ける、財運隆昌、病気平癒、心身清浄』、 蛇窪龍神では『巳が辰（身が立つ）』という事から『立身出世』があります」（須永さん）

人気の授与品をいただこう

蛇窪神社の御朱印は、カラフルなデザインで参拝者からも人気です。また、白蛇にまつわる授与品や期間限定のものなどがあります。

「参拝の記念になる御朱印となるよう、心掛けています」（須永さん）

授与品は、巳の日に頒布される「夢巳札（ゆめみふだ）」や「立身出世守」、「白蛇根付守」などが人気です。

街全体が盛り上がる夏フェスと盆踊り

蛇窪神社では、毎年7月に「夏フェス盆踊り」が開催されています。境内にはフード販売やDJブースが設置されスネークタウンが大いに盛り上がるといいます。

「もともと夏フェスだけをやっていたのですが、私が盆踊りが大好きなので一緒に開催したいと提案しました。去年の「夏フェス盆踊り」は大いに盛り上がり、地元の方をはじめ子供から大人まで参加者からは大好評でした。どなたでも参加出来ますので、ぜひお越しいただければと思います」（須永さん）

■蛇窪神社（へびくぼじんじゃ）住所：東京都品川区二葉4-4-12TEL：03-3782-1711営業時間：9:00〜17:00アクセス：JR横須賀線 西大井駅より徒歩8分東急大井町線 中延駅より徒歩6分、戸越公園駅より徒歩12分都営浅草線 中延駅より徒歩6分

夏フェス盆踊り開催場所：蛇窪神社境内開催日程：2023年7月1日（土）・2日（日）開催時間：12:00～21:00

石津祐介