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女優・中島セナがもう一度観たい映画と、その理由。『海獣の子供』

  • 2023.6.10
中島セナ

言葉で説明できない感情を考えるきっかけにできるから

『海獣の子供』は予告を観てからずっと気になっていたんです。だけど公開時に映画館には行けなくて、2020年に配信に入ってから観ました。まだ多くは観られていないんですが、今改めて観直したいと思える作品です。

最初はアニメーションで表現された水や生き物の画力に圧倒されました。特に宇宙と海が混じり合った“生命の誕生”のシーンは大好きです。観返すたびに大きなスクリーンで観たかったなと思います。映画館は、映画好きの父親の影響で小さい頃からよく家族で行っていたんです。

だから今でも、映画は音響が良くて大きなスクリーンのあるところに限ると思ってます。家でもプロジェクターで映して、途中停止せず一気見するのがこだわりです。最近、『砂の女』や『壁』など安部公房の小説を読んで人間について考えることがあるんですが、哲学的に惹かれるのは『海獣の子供』も同じ。生命同士がつながっているという世界観や「人間と宇宙は似ている」という台詞には、すごく共感しました。

映画『海獣の子供』
©2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会

それから、「大切なことは言葉にできない」というこの作品のテーマについても考えさせられました。言葉は思ったことを伝えるのに便利な手段だけれど、限りがあるんですよね。そもそもこの映画自体が、テーマを言葉で説明するのではなく、映像で語っていて。

一人一人が自分の中で観たものを噛み砕いて考えさせる作りになっています。そういう作品は、繰り返し観ることで、自分の考えがより深まっていく気がしますね。

女優、モデル・中島セナ

Information

『海獣の子供』

中学生の琉花は夏休みに父親の働く水族館で、ジュゴンに育てられた少年・海と彼の兄・空に出会う。3人の邂逅を機に、地球の隅々から海の生物たちが謎の大移動を始める。五十嵐大介の同名漫画を原作にした、ひと夏の神秘的な冒険譚。'19日/監督:渡辺歩。

profile

女優、モデル・中島セナ

中島セナ(女優、モデル)

なかじま・せな/2006年東京都生まれ。ポカリスエットなどのCM出演で一躍話題に。役者として、『ウィーアーリトルゾンビーズ』『クソ野郎と美しき世界』といった映画や米津玄師「カムパネルラ」、原由子「ヤバいね愛てえ奴は」のMVにも多数出演している。

HP:https://www.etrenne.com/model/nakajima.html

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