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「イジメ、やってますよ」母親が最も聞きたくない言葉に、安藤サクラの反応は?/『怪物』迫真演技がスゴイ

  • 2023.6.10
「イジメ、やってますよ」母親が最も聞きたくない言葉に、安藤サクラの反応は?/『怪物』迫真演技がスゴイ
(C)2023「怪物」製作委員会

是枝監督「安藤(サクラ)さんは底知れない女優さんですよね」

是枝裕和監督と脚本家・坂元裕二が初タッグを組み、坂本龍一が音楽を手がけた現在公開中の映画『怪物』。第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した本作より、母親役・安藤サクラ×担任教師役・永山瑛太が対峙する本編映像を紹介する。

本作は、『万引き家族』(18年)の是枝裕和が監督、『花束みたいな恋をした』(21年)『大豆田とわ子と三人の元夫』の坂元裕二が脚本、そして『ラストエンペラー』(87年)で日本人初となるアカデミー賞作曲賞を受賞し、国内外を問わず第一線で活躍した坂本龍一が音楽を担当する奇跡のコラボレーション。

出演は安藤サクラ、永山瑛太、田中裕子ら変幻自在な演技で観る者を圧倒する実力派と、2人の少年を瑞々しくかつ情感豊かに演じる黒川想矢と柊木陽太。さらに高畑充希、角田晃広、中村獅童など多彩な豪華キャストと、まさに怪物級の才能が一堂に集結した。

6月2日に封切られた本作は、公開日を含む週末の3日間の興行収入が3億2541万9020円を記録する大ヒットスタート。是枝監督の作品としては、『海街diary』(15年/興収16.8億円)の公開2日間の興行収入対比で111.8%を記録するなど、ますます注目が集まっている。

本作の物語の舞台となるのは、大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子どもたちが平穏な日常を送っている。

ある日、学校でケンカが起きた。それは、よくある子ども同士のケンカに見えた。しかし、母親は息子が教師に暴力をふるわれたと訴え、教師はそれを否定する。食い違う両者の主張は、次第に周囲やメディアを巻き込んで大事に…。そして嵐の朝、子どもたちが忽然と姿を消すのだった。

今回紹介するのは、麦野早織(安藤)が、息子の湊(黒川)へ暴力をふるいながらも謝罪しようとしない担任教師の保利(永山)のもとへ押しかけ、対峙するシーン。怒りが収まらない様子の早織に対して、これ以上の接触は逆効果だと判断し保利を隠そうとする職員たち。自分を追いかけてくる早織を見て、保利は職員の制止を振り切り、「どうもすみませんでした」と深いお辞儀とともに謝罪の言葉を述べる。

早織は「こんな学校がいる先生に…こんな先生がいる学校に子ども預けられないでしょ、この人辞めさせてください」と思わず言い間違えをするほどの怒りを通り越して呆れた様子で訴える。しかし、保利は早織に対して、唐突に不敵な笑みを浮かべる。にわかには信じ難い保利の態度に、さらに怒りが沸き上がる早織。「私何か面白いこと言ったかな、私何かおかしいこと言ったかな」と保利に詰め寄る。

早織が捲し立てようとしたそのとき、保利は衝撃的な一言を放つ。「あなたの息子さん、いじめやってますよ」。周りの職員は慌てふためくなか、火に油を注ぐような発言をした保利を早織が「何言ってんの? 何でたらめ言ってんの?」と睨みつける場面で、映像は終わる。

2人の迫真の演技に思わず息を止め、事の顛末を追ってしまうシーンだが、この2人のキャスティングには是枝監督と脚本家・坂元の思いが込められている。

早織を演じる安藤は、『万引き家族』に引き続き、2度目の是枝作品への出演となる。是枝は「安藤さんは底知れない女優さんですよね。『万引き家族』のとき、自分はまだこの人のいちばん深いところにタッチできていないと思ったので、もう一度お仕事できるチャンスを狙っていました」と、再タッグを望んだ経緯を語る。

一方の保利を演じる永山は、『それでも、生きてゆく』『最高の離婚』『anone』等、坂元の作品に多数出演してきた。是枝は「保利先生は彼に対して当て書きされた役ですが、坂元さんが書いたドラマ『最高の離婚』で彼が演じた役柄もそうだったように、どこか気持ち悪いと思われてしまうあの感じを、きちんと理解したうえで魅力的に表現できる人は、他にいないと思います。坂元さんが書く脚本の理解力がとても高いんですよね」と永山が坂元脚本に愛される所以を明かした。

映画『怪物』は公開中。

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