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専門家「50歳からは30平米の生活を」捨てられない人は知らない部屋が片付くとお金が貯まり始める意外な理由

  • 2023.6.10
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老後に向けた家の整理はいつから始めるのがいいのか。ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんは「50歳になったらとにかく捨てること。一人で30平米(一部屋)で生活するくらいの量にダウンサイジングするといい」という――。

※本稿は、井戸美枝『親の終活 夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)の一部を再編集したものです。

机の上に雑然と散らばったものを、両手でざっくり移動させようとしている女性
※写真はイメージです
50歳からは「とにかく捨てる」

自宅の荷物を整理したい、納戸の物を捨てたいと思っていても「時間があるときにやればいい」と、後回しにしているうちに、部屋のなかが物であふれかえっていませんか?

新型コロナで緊急事態宣言が出て、外出ができなかったとき、家のなかの整理をした方も多いでしょう。例えば、子どもたちが着ていた洋服や学校からもらった賞状などの記念品、子育ての思い出が詰まっている物、これらは写真に撮って残しておきましょう。自分の将来を考えて、「使わない」と思った物、子どもたちに遺しても迷惑をかけると思う本やレコード、CDなど趣味の物は自分で捨てておくようにしましょう。物を片付けてから、生活習慣を見直すとやめてもいいことが見つかってきます。ストレスになる人間関係も少しずつフェードアウトしていくと心身ともにスッキリしていきます。

「30平米」の生活に適応させていく

まずは、一人で30平米(一部屋)で生活するくらいの量にダウンサイジングしましょう。手をつけるのは収納、クローゼットです。「そのうち着る機会があるかもしれない」と、一度も袖を通したことがない洋服や、試着してぴったりだったけれども実際に履いて歩くと合わない靴、気がつくと似たような柄のアイテムをいくつも持っていたシャツやスカートなどで、クローゼットがぎっしり詰まっているケースが多いと思います。

着る物、履く物を厳選します。私は、重いコート、ヒールの高いパンプス、丈の短いスカートやワンピース、高価だったので捨てられず「そのうち着る、履く」と言いつつも、使わない似合わないものをすべて処分しました。

また、使わない食器や鍋、フライパン、食品密封容器、本、CDなどの置き場に困っている人もいるのではないでしょうか。

家が片付くと、新しいものを買おうと思わなくなる

捨てられない人の落とし穴は「まだ使えるのだからもったいない」と思うこと。使っていないものは「もったいない」の対象にはなりません。捨てるのが惜しいと思うのならメルカリなどの中古販売に出す方法もあります。

アルバムや子どもがもらった賞状などの記念品は、データとして保存。自分が死んだ後、遺された子どもたちが処分するのに困ると思ったら、自分の代で処分しておきましょう。家具や不要になった収納ボックスを粗大ごみに出していくと、家のなかが片付いてきます。家のなかが片付いてくると、新しく物を買おうという気分が不思議となくなってきます。すると資産寿命を延ばすことにもつながります。

居心地のよさそうなインテリア
※写真はイメージです
お金をかけずに健康維持をする方法

健康のために運動をするとなると、シューズやウェアを買って、ジムに通って、と思う人も多いでしょうが、まずは自宅の周辺を歩くことからスタートしましょう。今までバスや自転車で通っていたところまで歩いてみる。少しずつ、距離を伸ばして公園など目的地を設定するだけでいいのです。1日8000歩歩くと、要介護状態になるリスクを減らせると言われています。ウォーキングを続けることで、脂質異常症や糖尿病、高血圧の予防にもつなげられます。

いきなり歩くと膝や足首、足の裏などを痛めますので、最初は近所のスーパーに徒歩で行くことから始めて、少しずつ遠回りして、歩く距離を伸ばせばいいと思います。雨の日や風が強い日、天候の悪い日や体調がすぐれない日は無理しないで休んでもいい程度のゆるい縛りで、気分転換をする感覚で始めると毎日の習慣になるでしょう。

中高年になると生活習慣病のリスクが高まってきます。一年に一度、市区町村の自治体では無料で健康診断を実施しています。受診して、数値を把握することが大事です。数値が高めでもすぐに薬に頼ろうとしないで、体を動かすことから始めてみましょう。

また、サプリメントなどの健康食品を愛飲している人も多いと思います。家計を圧迫しない程度にとどめ、栄養素は三度の食事できちんと摂るようにすれば手放せるでしょう。

誰もが納得…円満に年賀状をやめる方法

今は親戚やいとこなどともSNSでつながっているケースがあります。年賀状を出さなくても近況はわかるのと、フィードにアップした情報に「いいね!」を押せば、相手もこちらに気がついてくれることもあるので、そろそろいとこなどの親戚への年賀状は辞退してもいいと思います。「今年こそ会いましょうね」というやりとりが続いていた、疎遠になっていた方はいませんか? コロナが長引き、人と「会う」機会は減っていますので、疎遠になっている人と会うことはないでしょう。「これで最後で」と伝える年賀状を出して終わりにするのもよいでしょう。

失礼にならない年賀状のテクニックは、「還暦を迎えた本年を結びに新年のご挨拶を失礼させていただきたく存じます」「気付けば古希に至り、従来のお付き合いも難しくなってまいりました」「私ごとではありますが長年勤めた職場を退職する運びとなりましたので」などと、節目の出来事を強調した理由にする方法があります。

そして辞退の言葉は、「本年をもちまして年始のご挨拶状を失礼させていただこうと思っています」「今後は年賀状を控えさせていただこうと思っております」と、丁寧にすると相手も理解して円満に年賀状じまいができるでしょう。

クリスマスの飾りつけがあるテーブルで年賀状の作成中
※写真はイメージです
テレビショッピングは見ない

通信販売などで定期購入していると、使いきれないうちに配達されて、未使用の物が部屋中あふれかえっていませんか? テレビショッピングでは「これは便利」「まとめ買いをするとお得」「今だけ割引チャンス」という言葉に誘われて、つい購入したくなるようになっています。ネットショッピングも同じです。「1万円まで買ったら送料無料」と、金額に達するまで買ってしまう恐れがあり、それも無駄遣いにつながります。“資産寿命”を延ばすためには必要な物以外は買わないこと。「どうしても買いたい」と思ったら一晩寝て冷静に考えることが大事。それでも買ってしまう人は、時間とお金の浪費につながるテレビやネットショッピングは見ないことに限ります。

SNS、ネットニュースのチェックは1日1回に

電車やバスのなかでもスマホ片手に画面を見ている人がいます。

井戸美枝『親の終活 夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)
井戸美枝『親の終活 夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)

スマホはインターネットを通していつでも好きな情報に接することができるのでとても便利です。役立つニュースや面白いサイトがたくさんありますので、つい熱中して見すぎてしまいます。しかしシニア世代は目の疲れ、脳疲労も起こし、夜遅くまで見ると睡眠障害を起こす原因のひとつになるなど、体にいいことはありません。むしろ、不安なニュースで頭がいっぱいになるという大きなマイナス点もあります。

また、フェイスブックやツイッター、インスタグラムに投稿するためにお店に出かける、という行動は若い世代まで。シニア世代はSNSとも適度に距離を置くことが大事です。他人と比較しても仕方ありません。また、スマホの配信ニュースはPV(閲覧)数を稼ぐために、刺激的な内容に改変されていることも多く、読むと一喜一憂することもしばしばあるかと思います。こうした情報にはなるべく触れない、チェックするとしても一日一回に留めるなどしましょう。そうすればニュースに振り回されて心身が疲弊することもありません。

井戸 美枝(いど・みえ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
関西大学卒業。社会保険労務士。国民年金基金連合会理事。『大図解 届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください 増補改訂版』(日経BP)、『残念な介護 楽になる介護』(日経プレミアシリーズ)、『私がお金で困らないためには今から何をすればいいですか?』(日本実業出版社)など著書多数。

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