兵隊さん、それはちょっと…→米軍基地のお会計方法がヒドすぎた【米軍基地で働いてみた(3)】

＜兵隊さん、それはちょっと…→米軍基地のお会計方法がヒドすぎた＞米軍基地で働いてみた[#3]

今回も私が、アメリカ軍基地で働いていた時に体験した話をしたいと思います。

私の勤務する基地は、短期トレーニングの部隊が多く、兵士は1〜3ヶ月サイクルで入れ替わり、最長でも1年程の滞在です。

「あ～あ、また小銭が貯まっちゃった！」
週末、兵士が基地の外に遊びに出るたびに耳にする言葉でした。
アメリカの兵士からすると、日本の小銭の使い道はよくわからないらしいのです。

基地内で日本円を使用する場合、お釣りは米ドルで返しますが、基地の外に一歩出ると日本円でおつりが返ってきてしまうので溜まる一方。

世界的にキャッシュレス化は進んでいても、海外旅行に行った時などは現地のお金が必要ですよね。
慣れない外国紙幣に、レジで支払うときはついつい高額紙幣を出してしまい、小銭ばかりが貯まって困った…という経験はありませんか？

兵士達もお釣りとして受け取る小銭がどんどん貯まっていくものの、どう使えばよいのかわからないようだったので、「500円や100円玉は、ガチャガチャや自動販売機に使ったらどう？」とアドバイスしてみました。

すると、500円や100円はガチャガチャで大量消費！
何が出るか分からないギャンブル性や、アニメの人気も手伝って精巧なフィギュアに狂喜乱舞する兵士たちを見て、私は心の中でほくそ笑みます。

とはいえ、1円、5円、10円玉はガチャガチャでは使えません。
100円玉や500円玉以外の小銭はどうするのかな…と思っていたある日のこと。
私がレジにいると、小銭でパンパンになったクッキージャーを持ってやってきた一人の兵士が、支払いのタイミングでカウンターの上に「ドン！」と、クッキージャーを置いたのです。

「Hey！僕ね、ここに来る前は沖縄だったけど、今度アメリカ本土に赴任になるんだ！」と世間話をして、クッキージャーを差し出す兵士。
偶然通りかかったマネージャーは「こんな大量の小銭はうけとらないように！」と私に指示してきます。

それに対して「ここに日本円使えます！って書いてあるじゃん！」とステッカーを指差し、「これも日本円だ！」と食い下がる兵士。
マネージャーと兵士の戦いはしばらく続き、後ろにはレジ待ちの列が延びていくのでした。

幸い、待つことに関しては割と寛大な兵士たち。
さほど気に留めてないようですが、マネージャーと兵士の板挟みで、私はどうすればいいかわからず大ピンチです。

その時……
「ドンガラガッシャーーーーーーーーン！」
カウンターに兵士がビンの中身をぶちまけたのです！！

あたり一面小銭だらけになってしまい、そこにいた全員で散らばった小銭を集める羽目になりました…。
「やれやれ…」と思ったのも束の間、クッキージャーいっぱいの小銭全てを使っても、彼の欲しい商品の金額にはほど遠く、彼は結局カードで支払ったのです！！

「じゃあこれは君のチップだよ！ジャーもプレゼントするよ！今日の君はラッキーだね！」とサムアップポーズ！
「僕もハッピーさ！」なんて調子のいいことを言いながら鼻歌交じりに立ち去っていく兵士。
私の手元には大量の小銭が残されていました。

喜んでいいのか？悪いのか？複雑な思いでジッとクッキージャーを見つめて溜息ひとつつくのでした…。

次回は米軍基地の番人、憲兵が数か月で変わってしまったお話をご紹介します！