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語る音楽家、語られる音楽家:石若 駿→Aaron Choulai

  • 2023.6.5
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Aaron Choulai イラスト

石若 駿が語る音楽家、Aaron Choulai

ピアニストとして、そして主宰する〈Namboku Records〉では、トラックメーカーとしても活動するアーロン・チューライ。彼が東京藝大の大学院、僕が附属高校へ入学した15年前に出会ったんです。

たびたび校内で会うようになった後、テナーサックス奏者の吉本章紘さんのカルテットで一緒に活動するようになりました。

アーロンは出会った当時、すでにオーストラリアやNYで経験を積んでいたんです。彼は自分の音楽をメルボルン・スタイルと呼んでいて。それは1920年代のニューオーリンズのスタンダードに、フリージャズを取り入れたような、日本ではあまり聴いたことのない形式。すごく斬新だった記憶があります。

世界中で活動してきた視点から東京のジャズシーンを俯瞰し「基盤を固め、シーンを作って活動することに意義がある。自分たちの音楽を作れるよう、考えようぜ」など、ミュージシャンとしての意識も学びました。

もちろん、音楽好きの友達でもあり、気づけば江古田で毎日のように飲んでたりして。僕が影響を受けすぎて、果たして自分は何ができるのか、考えるようになりました。

Aaron Choulai

時たま衝突することもありましたが、今は家族のような大切な仲間です。僕がルーク・スカイウォーカー、アーロンはオビ=ワン・ケノービのような存在です。


そんなアーロンが、今年から芸術機関〈オーストラリアン・アート・オーケストラ〉の音楽監督に就任するため、東京を離れることに。

昨年末、金澤英明さん(B)と参加しているアーロン・チューライ・トリオのお別れライブを開催したんです。結成したばかりの10年前に訪れた札幌で再演奏できたのも感慨深かったな。

日本とオーストラリアをつなげたように、各地の音楽家同士をつなげてくれるそう。今後どんな景色を見せてくれるか、楽しみです。

石若 駿が選ぶ3枚

『VADA TAUDIA』ジャケット
吉本章紘と石若に、ジェイムス・マコーリーとマーティ・ホロベックを迎えたアーロンによるクインテット『VADA TAUDIA』
『Ranu』ジャケット
アメリカで活動するトリオで制作された『Ranu』。
Raw Denshi』ジャケット
仙人掌やDaichi Yamamotoらラッパーが参加した『Raw Denshi』。

profile

石若 駿

いしわか・しゅん/1992年北海道生まれ。ジャズドラマー。角銅真実や松丸契、西田修大らが参加した新作『SongbookⅥ』が発売中。

profile

Aaron Choulai

アーロン・チューライ/1982年パプアニューギニア生まれ。ピアニスト。メルボルン、NYで活動後に来日。ジャズや現代音楽家として活動。また〈Namboku Records〉を主宰、自身のソロやFICの作品を発表。

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