「意向」とはどんな意味の言葉？「意思」「意見」「希望」「魂胆」との違いは？

どうしたものかという考えのことを「意向」と表現します。これら「意向」は特定の方向に向かって心が動くことを言います。しかし、他にも似たような表現があってこんがらがりやすいです。

そこでここでは「意向」という言葉について解説します。併せてその意味だけでなく類義語との違いについて説明します。

まずは「意向」がどのような意味を持つのか見てみましょう。

「意向」とはどうするつもりかという考えのことを言います。どうしようかと考えることそのものを意味することもあります。

「意」は「心に思うこと・心に決めたこと」を意味する漢字です。「向」は「その方へ向かう」ことを意味する漢字です。

要は特定の方向に向かって心が向かうことを言う言葉となります。その多くは「○○の意向」「○○する意向」のように特定の対象に対して使用されることがほとんどです。

「意向」は「彼の意向を確かめる」「彼女の意向を聞く」などのように使用されます。この場合は相手の気持ちについて考えることを意味します。

また「社長は辞職する意向を明らかにした」と使用することも。この場合は決意を固めるというようなニュアンスとなります。

その他「社員の意向を汲み取る」と使用されることもあります。この場合は尊重するというようなニュアンスとなるのが特徴です。

このように「意向」は様々なシーンで使用できる言葉です。ただ、これらは動詞ではなく名詞として使用されます。実際に「意向」そのものが考えそのものを意味します。そこは「意向する」という形では使用しないので注意しましょう。

最後に「意向」の類義語との違いについて見てみましょう。「意向」の類義語には「意思」「意見」「希望」「魂胆」などがあります。

これらの言葉とはどのような違いがあるのでしょうか？

「意思」とは「何かをしよう」とする際の心持ちのことです。物事の「行いたい」「行いたくない」という気持ちを表します。目的や計画を選択して実現しようとする精神の働きのことも指します。

その一方で「意向」は似た意味を持つものの考えが向かう方向を意味する言葉です。

そのため、頭に浮かぶ感情を言う「意思」とは別物となります。

「意見」とは特定の問題についての考えのことです。これらは自分の考えを述べて相手を戒めることも意味します。

そのため、考えが向かう方向を意味する「意向」とは違います。あくまでも「意見」は自分の考えを述べることを意味する言葉です。

「希望」とは「こうなれば良い」と未来に望みをかけることです。これらは特定の事柄に対して願いを込めることを意味します。

そのため、考えが向かう方向を意味する「意向」とは異なります。あくまでも「希望」は何かに対して望んだり願ったりすることを意味する言葉です。

「魂胆」とは心中に隠された企みのことです。これらは策略を練って自分の思い通りにしようとすることを意味する言葉となっています。

何かを企てることを意味するため「意向」とは意味が変わります。「意向」には良い意味も悪い意味も特にないものの「魂胆」は比較的ネガティブな印象が含まれるのが特徴です。

そこはポジティブな印象があるかどうかでも変わるかもしれません。

「意向」はどうすべきかという考えのことを言います。これらは「○○の意向」「○○する意向」と使用されます。つまりは特定の物事に対してどのように考えているのかを言った熟語となるわけです。

これら「意向」は日常生活でも使用する言葉なので、ぜひ正しい意味を覚えておきましょう。