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世界からお届け!SDGs通信 ウェリントン編。“循環型”企業によるサステナブルな制服づくり

  • 2023.5.30
世界からお届け!SDGs通信 ウェリントン編。“循環型”企業によるサステナブルな制服づくり

環境負荷を抑え、ハイクオリティで着心地がよく、耐久性の高い制服を生産

2015年創立の〈リトル・イエロー・バード〉(LYB)は、主に企業のユニフォームを製造・販売するメーカーだ。サプライチェーンの透明性を徹底追求する“Bコープ認証”を受けた同社は、素材の原料であるオーガニックコットンのうち95%を、環境面・倫理面に配慮したコットン生産を実践する、インド東部の2つの協同組合から買い付ける。どちらも環境面では、天水栽培により使用する水の量を大幅に削減。倫理面では、労働者がオーガニック農業により経済的な安定が得られるよう、教育やトレーニングを実施している。

紡績や染色はフェアトレード認証を受けた工場で行い、工場内で使用する電力の60%を再生可能エネルギーで賄うことで、環境負荷を最小限に抑制する。また染色は逆浸透膜技術を用いた排水ゼロの水回収工場で行うため、染料や化学物質が水路に流入する心配は無用な上、使用後の水の再利用も可能。さらに工場労働者には性別や出自に関係なく、正当な労働条件の下、最低賃金を超える給与が支払われる。

使用後の制服の回収にも積極的だ。繊維はリサイクル・アップサイクルされることで循環。自社で回収した素材のうち、これまでに廃棄処分になったのは、全体のわずか1%ほどだという。またクライアントである企業にとっては、環境負荷を抑えたLYBの制服を採用することで、自社の社会的責任への姿勢を社外にアピールすることができるのも利点となっている。

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インド東部、ベンガル湾沿いのオリッサ州にある農園、プラティマ・オーガニック・グローワー・グループで天水栽培された綿花の収穫の様子。
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創立者・CEOのサマンサ・ジョーンズ氏。
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地元のオーガニックフード店〈コモンセンス・オーガニックス〉の制服も手がけた。

Information

Little Yellow Bird

2015年、ニュージーランドにて創業。サステナブルでフェアトレード、エシカルな制服を作っている。100%雨水で育ったオーガニックコットンを使用。綿花の種から工場まで全工程の追跡が可能な、完全トレーサビリティ商品でもある。

HP:https://littleyellowbird.com

profile

クローディアー真理

くろーでぃあー・まり/NZ在住フリーライター。国内外の環境、社会的企業、先住民、ジェンダーなどに関する記事を日本の雑誌やウェブに寄稿。共著に『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿』(光文社)。

HP:http://nzwriter.web.fc2.com/

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