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不動産会社の女性経営者が教える! 選んではいけない「1人暮らし物件」と入居法

  • 2023.5.28

初めての引っ越しは、お金がどのくらいかかるのか不安ですよね。今回は、女性に特化した不動産会社を経営する 山手雅美さんに、賃貸物件に住む際の「初期費用を抑えるコツ」について教えてもらいました。プロからのアドバイス、参考になること間違いなしです!

不動産会社の女性経営者が教える! プロが教える「初期費用を抑えるコツ」

【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.15

※主に東京都内、近郊のワンルーム賃貸物件が対象です。

――賃貸物件を借りるときの初期費用について教えてください! 具体的に何を支払うのですか?

山手さん 敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料、前家賃1か月分など、最初に必ずかかってくるのが初期費用です。ここ数年で、空間除菌代が初期費用に含まれる物件も増えてきました。物件によっては敷金礼金が無料になっていたり、初期費用として請求される項目は異なります。契約前に見積もりをもらって項目を確認しましょう。また、具体的な費用は物件によって大きく異なるため一概に言えませんが、都内ひとり暮らしで8万円の家賃とすると、35〜50万円程度が相場です。

――賃貸物件を借りる初心者に向けて、初期費用を抑えるために”やらない方がいいこと”があれば教えてください!

NG1. 「“敷金・礼金あり”は当たり前という認識でいる」

山手さん 初期費用をとにかく抑えたいという人は、”敷金礼金がゼロの物件”、または”フリーレント付の物件”を選ぶといいです。敷金と礼金の費用は、それぞれ家賃1か月分、多いと家賃2か月分を支払うことが一般的。敷金礼金なしの物件を選ぶと、数十万円の初期費用を抑えることができます。ただ、敷金と礼金が高額な物件は、初期費用が高くても入居者が決定するだろうという自信がある物件だということ。人気物件の可能性が高いという見方もあります。

――敷金礼金がゼロの物件とはなんですか?
山手さん 通常は2~3か月分かかる敷金礼金をゼロにすることで、お客様が初期費用を抑えられ、入居しやすくしている物件のことをいいます。賃貸物件は、退去時に入居時と同じ状態で返す義務があるため、退去時にはクリーニング費用や修繕費などが発生します。その際の費用を、大家さんにあらかじめ預けておくお金が”敷金”。使われなかった差額は退去後に返還されます。初期費用が抑えられるメリットがありますが、敷金がゼロだったとしても退去時にかかる費用は変わらないため、別途支払うことになり、お得ということではありません。”礼金”は、大家さんにお礼として渡すお金のこと。昔住宅供給が少なかった時代に、大家さんへの感謝の気持ちとして始まった文化のようです。敷金と違い、返金されないお金です。

――フリーレント付の物件とはなんですか?
山手さん 賃料が無料になる期間のことをフリーレントといい、キャンペーンなどの位置付けで一定期間の家賃が無料になる物件です。ただ、最初の支払いが安い分、賃料が相場より上乗せされていたり、別の名目で初期費用に加算されている場合もあるので、”フリーレント=お得”という認識は危険。あくまでも家賃+初期費用の合計で、お得かどうかを判断してほしいです。

NG2. 「引っ越しを繁忙期(1~3月)にする」

山手さん 1〜3月は新生活を迎えるお客様などが増えるため、不動産会社や引っ越し会社にとって需要が最も大きい時期です。そのため、初期費用や引っ越し費用が、通常よりも高く設定されるケースも珍しくありません。4月を過ぎると徐々に引っ越す人が減ってくるので、4月以降、特に夏頃は安く引っ越しができるチャンス。不動産会社がキャンペーンをしていて、通常よりも1,000円、2,000円と家賃を下げていることもあり狙い目ですよ。

NG3. 「引っ越しの見積もりを1社しか取らない」

山手さん 初期費用を抑えたいなら、引越し費用も安く抑えたいですよね。引っ越し会社によって、引っ越し費用は大きく異なります。同じ内容で見積もりをしても、会社が違うだけで1社は10万円、もう1社は20万円と倍以上違ってくる可能性も。そのため、1社だけ見積もりをとって終わりにするのは、安く抑えたいならやめた方がいいです。複数の引越し会社の見積もりをしてから、1番安い会社を選択することをオススメします。

NG4. 「オプションについて交渉しない」

山手さん 物件によっては、空間除菌代や事務手数料など、不要だと思うオプションを外せる場合があります。交渉次第では、礼金を1か月分減額してもらえたりなど、大幅に初期費用を抑えることも不可能ではありません。ただ、不動産会社や大家さんから悪いイメージをもたれてしまう場合もあるため、交渉できないことを前提として、マナーを守って要望を伝えてください。費用を安くすることは難しくても、築年数が古い物件はウォシュレットの設置やエアコン交換などの設備に関して交渉してみると改善してくれることもあるので、相談してみるといいですよ。

NG5. 「火災保険をチェックしない」

山手さん どこの会社の火災保険を利用するかについては、事前に管理会社が決めていることがほとんどですが、火災保険は自分で手続きすることも可能。そうすると元々2万円だった火災保険料が、プランによっては5,000円程度に収まるなど、費用を抑えられます。プランを決めたり、手続きをする手間はありますが、できるだけ初期費用を抑えたいならオススメです。管理会社に「自分で火災保険に入ります」と伝えれえば契約変更ができますよ。

――初期費用以外に、賃貸物件に住む際に安くできる方法があれば教えてください!

山手さん 家具家電は購入ではなくレンタルすることもできます。全て購入して揃えるとなると高額ですからね。また、二重に家賃を支払わないようにスケジュールをたてることも大切。退去日のタイミングが悪いと、今住んでいる物件、引越し先の物件、新旧どちらの家賃も支払わなければいけなくなる可能性があるので要注意。引越しのスケジューリングも費用を抑えるためには重要です。

知っているだけで、賢くお得に引越しできる

いかがでしたか。初めての引っ越しは、不安なことが多くて当然。後悔しないためにも、今回のプロからのアドバイスをぜひ参考にしてみてください!

教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 山手雅美さん

宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!

©takashi miki/Getty Images

文・武市彩花

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