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「たたき台」とはどんな意味?なにか作業をする台から来たの?

  • 2023.5.27

物事を決める際にとりあえず作る試案を「たたき台」と表現します。 これら試案を意味する「たたき台」はビジネスでも使用されます。 しかし、そもそも「たたき台」はどこから来たのでしょうか?

今回はそれら「たたき台」という言葉について解説します。 特にここではその意味はもちろん成り立ちについても説明します。

「たたき台」とは

まずは「たたき台」の意味について見ていきましょう。

「たたき台」の意味

「たたき台」とは物事を決める際にとりあえず作る試案のことです。 ビジネス用語としては「たたき」と略して表現されることもあります。

ビジネスの世界では物事を多面的に捉えて考える必要があります。 そのため、1つの企画も多方向から試行錯誤を繰り返して形にしていくわけです。

この時に土台となるもの、それが「たたき台」と呼ばれるものです。 むしろこの「たたき台」がないと企画も作れません。

「たたき台」を作る際のポイント

「たたき台」は建設的に進めていくことが前提となります。 そのため、思い付きで作るのではなく最初にコンセプトを明確にすべきものとされています。

まずは正しいデータを素早くまとめ、あらましを作るのが重要です。 細かな形式などは「たたき台」がまとまってから整えればいいです。 要は正しい数字が必要な一方、デザインは荒削りでいいということになります。

その中で「ここには何か追加すべきだ」という周りの意見があれば一旦全部メモします。 その工程を繰り返して「たたき台」から本格的な企画へと完成させていくわけです。

これはブレインストーミングに近いものがあるかもしれません。

「たたき台」の価値

では「たたき台」を作ることにどのような価値があるのでしょうか。

これは業種や職種によっても大きく違ってくるかもしれません。 ただ「こんな感じのものを作る」という方針を見出すのに便利であることは間違いありません。

それを共有することで規格の目的や趣旨に共通認識が生まれます。 それにより「本題とずれていないか」「依頼されたものと内容が間違っていないか」を先んじて確認できるわけです。

まさに「たたき台」は仕事をする上で必要な足場のようなものです。

「たたき台」の由来

では「たたき台」はどこから来た言葉なのでしょうか? 何か作業する台から来たのでしょうか?

由来は「鍛冶師」の作業台

「たたき台」という言葉は鍛冶師の作業台から来ています。

鍛冶師というのは金属などを叩いて加工する職人のことです。 彼らは熱した素材を叩くことで徐々に形を整えていきます。

その工程で使用する台のことを「たたき台」と呼んでいます。 そこからビジネス用語としての「たたき台」も生まれたとか。 転じて、現在のような試案という意味を持つようになったそうです。

「たたき台」の「たたき」に漢字表記はある?

「たたき台」の漢字表記は鍛冶屋の印象から「叩き台」となると考えている方も少なくありません。

しかし、正確に漢字表記するなら「敲き台」となります。 「敲」という文字には形を変えるという意味があります。

対して「叩」は特定のものを打ち付けるという意味があるのです。 そのため「敲き台」が正しい表現と言えるでしょう。

なお「かつおのたたき」も漢字表記は「敲き」が正しいです。 そこは実際にカツオを叩いているわけではないので注意しましょう。

「たたき台」の類義語

最後に「たたき台」の類義語についても見てみましょう。

素案

「素案」とは検討のための素材として作られた案のことです。 要は原案よりも前の段階で作られる案を意味します。

事実、そこから形を整えて原案に仕上げていくわけです。 その点が「たたき台」と重なるのではないでしょうか。

草案

「草案」とは主に文章や規約などの下書きのことです。 これらは法律などの原案を意味することもあります。

実際にそこから何度も書き直して完成に近づけていくわけです。 その点が「たたき台」に通ずるものがあるでしょう。

ドラフト

「ドラフト」とは物事の土台となる立案のことを言います。 ビジネスの世界では下書きという意味で使用される言葉です。

要はとりあえず作ってみる案などを言うわけです。 それらの点が「たたき台」と同じと言えるかもしれません。

ちなみに野球用語の「ドラフト」は各球団の新規獲得選手を決める会議を言うので注意しましょう。

まとめ

「たたき台」はビジネス用語としてもよく耳にする言葉です。 これは試案と呼ばれる原案よりも最初の案を言います。 言うなれば、企画の土台となるものとなります。

これら「たたき台」は鍛冶師が使用するものから来たそうです。 現代でも目にすることの多い言葉なので、ぜひ覚えておきましょう。

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