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【漢字】「馬喰=うまくい、ばくろ」は間違い!実は意外に読めない漢字3選

  • 2023.5.27

いよいよ、週末は競馬ファンならずとも注目するビッグイベント「日本ダービー(東京優駿)」の開催です。
このレースは、「東京競馬場(東京都府中市)」が舞台ですが、もちろん本家本元はイギリス。創始者の伯爵の名前を冠したという「ダービー」は、世界の他の国々にも伝わり、この名が付いたレースが行われるようになりました。我が国の「ダービー」は、同じ年に生まれた約7000頭の中から、出走の権利を得た三歳の若駒が頂点を目指します。
というわけで、今週は、「ダービーウイーク」にこじつけて、「馬」の字を含む難読語を出題します。

1.「馬鈴薯」

最初の問題は、「馬鈴薯」です。ある「野菜(根菜)」の別称です。

正解は「バレイショ」でした。そう、「じゃがいも」のことです。「じゃがいも」という名は、「ジャカルタから渡来した芋(いも)」の意ですが、一方、「馬鈴薯」というのは、中国で別の品種の芋をそう呼んでいたそうです。「馬鈴」とは、その形状が馬の首に付ける鈴に似ていたことから。「薯」は常用漢字外の漢字ですが、「芋類の総称」を表す漢字です。「馬鈴薯」以外では、山野に自生する「ヤマイモ」を指す「自然薯(ジネンジョ)」で見かける字です。

2.「馬子」

次の問題は、「馬子」です。おわかりですか? 「馬子」とは、「馬に人や荷物を乗せて運ぶことを仕事とした人」のことです。

「うまこ」ではありません(たしかに、歴史上の人物にそう読む人もいますが)。正解は、「まご」でした。現在では、実際の職業名として使うことは少ないと思われますが、「馬子にも衣装=どんな人間でも外面を飾れば立派に見えることのたとえ」という、ことわざの中ではしっかり生き残っています。この「馬子にも衣装」は、誤って「孫にも衣装」と書く人がいますから、気をつけましょう。

3.「馬喰」

最後は、今回一番の難読語「馬喰」です。東京には、地名・駅名として現在も残っているので、読み方の方向性はおわかりになる方もいるのでは。でも……。

もちろん、「うまくい」ではありません。正解は「バクロウ」でした。「牛馬の売買や周旋を職業とする人」のことで、「博労」とも書きます。高校時代に漢文の授業で、「伯楽(ハクラク)」という言葉を勉強した記憶はありませんか? 「伯楽」とは、「馬の良否をよく見分ける人、馬の鑑定の名人」のことですが、この「ハクラク」が発音変化して「バクロウ」になったと考えられています。
地名・駅名(JR総武本線)としての「馬喰町(バクロチョウ)」は、発音しやすさから「バクロウチョウ→バクロチョウ」と、つまったものでしょう。そういえば、「馬喰」の元になった「伯楽」も、神奈川県の地名・駅名(東急東横線)として、(漢字を変えて)残っていますね。

今回の「馬」のつく言葉、いかがでしたか? 日曜日「東京優駿」のレースでは、選ばれた18頭の精鋭たちが無事完走することを願いながら、レースを楽しみましょう。では、今回はこのへんで。

《参考文献》
・「広辞苑 第六版」(岩波書店)
・「新字源」(角川書店)
・「新明解国語辞典 第八版」(三省堂)
・「明鏡国語辞典 第三版」(大修館書店)
・「難読漢字辞典」(三省堂)

文/田舎教師 編集/菅谷文人(CLASSY.ONLINE編集室)

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