1. トップ
  2. 「左開き、右開き、どっちが正しい?」葬儀での正しい“ふくさ”の使い方って?《プロに聞いてみた》

「左開き、右開き、どっちが正しい?」葬儀での正しい“ふくさ”の使い方って?《プロに聞いてみた》

  • 2023.6.30
  • 9282 views

冠婚葬祭で必要になる道具は様々。その中でも、数珠や香典、そして香典を包む「ふくさ」は忘れてはいけないものでしょう。ただ、いざ「ふくさ」とはどのようなものかと聞かれて、正しく答えられる方はどれぐらいいらっしゃるでしょうか?

そこで今回は、株式会社メモリアルアートの大野屋の杉山奈緒さんに取材をさせていただきました。意外と知らない「ふくさ」の選び方と使い方について、詳しく伺ってきましたよ。

ふくさってどういうものですか?

undefined
出典:hachiware/Shutterstock.com

--香典を包む布…。いざ聞かれてみると、私は「ふくさ」について、それぐらいしか知りませんでした。

杉山さん:なるほど。せっかくなので、この機会に「ふくさ」について知識をつけておきましょう。

--ありがとうございます。よろしくお願いします。

杉山さん:さて、まず「ふくさ」とは冠婚葬祭の際に金封を包む布のことです。漢字では「袱紗」や「帛紗」と書きます。

「ふくさ」を選ぶときに気をつけるべきポイントは?

--「ふくさ」にもいくつか種類があると思います。選ぶ上で気をつけるべきポイントはありますか?

杉山さん:もちろんあります。まず、「ふくさ」には様々な種類がありますが、大きく分けて包むタイプ挟むタイプがあります。

--なるほど。

杉山さん:包むタイプは、風呂敷のような台形の布で、留め具や台座のついたものもあります。挟むタイプは金封袱紗といい、二つ折りで金封を挟めるようになっています。正式な「ふくさ」は一枚布で包むタイプのものですが、金封袱紗も扱いやすく人気があります。

undefined
出典:YUMIK/Shutterstock.com

--たしかに。金封袱紗は簡単に包むことができそうです。

杉山さん:「ふくさ」には結婚式などの慶事用と、葬儀などの弔事用があり、慶事では明るい暖色系・弔事では落ち着いた寒色系の色のものを選ぶのが一般的です。紫色の「ふくさ」は、慶弔両方で使えるため、一枚持っておくと便利です。

--なるほど。私もいざというときのために、紫色のものを一枚用意しておこうと思います。

「ふくさ」の基本の包み方は?

undefined
出典:matsu5/Shutterstock.com

--先ほど、少しだけ包み方の話がありました。せっかくなので、「ふくさ」の基本的な包み方について教えていただけますでしょうか?

杉山さん:たとえば弔事の場合、左開きになるように包みます。
「ふくさ」を裏向きにして、ひし形になるように開いてください。そして、中央より右寄りに不祝儀袋を置き、右側を折ります。続いて下、上、左側と折り、裏に折り返します。

--なるほど。逆に慶事では右開きになるようにするんですね。

「ふくさ」の正しい渡し方は?

undefined
出典:matsu5/Shutterstock.com

--包み方の次は、「ふくさ」の正しい渡し方について教えていただきたいです。

杉山さん:大丈夫ですよ。受付に着いたらお悔やみを述べて、「ふくさ」を左開きになるように持ちます。左、上、下、右の順に開いて「ふくさ」の端を下に折り返し、香典袋を折りたたんだ「ふくさ」の上に置いてください。表書きが相手に読める向きに180°回転させ、両手でお渡しします。

--ありがとうございます。最後に、包み方や渡し方でNGな行動があれば教えていただけますでしょうか?

杉山さん:そうですね…まずは包み方です。結婚式などの慶事とは、包み方が反対になるので注意しましょう。
また、最近では不祝儀袋をそのまま持ち歩く人もいますが、本来は「ふくさ」に包んで持参するのがマナーです。

--それを聞くと、もし用意するのを忘れてしまったら…と、ちょっと不安になってしまいました。

杉山さん:安心してください。100円ショップなどでも簡易的なものを売っていますし、地味な色柄のハンカチやスカーフなどで代用する方法もありますよ。

慶事、弔事での違いに注意して

「ふくさ」は慶事、弔事の両方で必要になる道具です。しかし、それぞれの場合で布の色や包み方などに違いがあります。間違えて記憶してしまわないように、杉山さんに教えていただいたことをしっかり覚えておきましょう。

 

※記事内の画像はイメージです。

取材したのは…

undefined

取材:株式会社メモリアルアートの大野屋
杉山奈緒
2016年メモリアルアートの大野屋に入社。年間2万6千件を超えるお葬式、お墓、手元供養、無料仏事相談・お問合せを承ってきた「大野屋テレホンセンター」で仏事アドバイザーを務める。お墓ディレクター2級、仏事コーディネーターの専門資格を保有。豊富な知識と落ち着いた語り口でお客様に寄り添った回答が強み。『みんなの記事監修』でも葬儀・お墓・仏壇・終活・仏事マナーの専門家として活躍中。

テキスト・編集:TRILLニュース