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「家族だから香典はいらない?」間違えやすい葬儀のマナーって?《プロに聞いてみた》

  • 2023.7.1
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葬儀に参列したとき、「あれ?これってどうやって振る舞うのが正しいんだっけ?」と不安にかられたことはありませんか?

そんな不安を解消すべく、今回は株式会社メモリアルアートの大野屋の杉山奈緒さんに取材をさせていただきました。間違えやすいとされているお葬式のNGマナー5つとその理由、併せて正しいマナーを伺ってきましたよ。

1.香典辞退の場合にも香典を渡すべき?

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--先方から「香典辞退」の連絡があったけれど、本当に用意しなくていいか不安…なんてご経験のある方もいらっしゃると思います。

杉山さん:大丈夫です。むしろ、遺族が香典を辞退されている場合は、その意思を尊重し香典は持参しないのがマナーですよ。

--なるほど。それを聞いて安心しました。

杉山さん:よかったです。香典に限らず、お悔やみの手紙や弔電などを送ったり、お葬式の後改めて弔問したり、弔意の示し方は色々あります

2.親族ではないけど、葬儀・告別式の後、火葬場まで行っていいの?

--お葬式に参列した際、どこまで同行するべきかわからない…と悩んでいる方も多いと思います。その場で聞くのも憚られますし…。

杉山さん:一般の参列者の場合、火葬場には行かず、葬儀・告別式のみで帰られても失礼ではありません。ご遺族から「ぜひ同行してほしい」と依頼された場合は、同行するようにしましょう。

3.妊婦はお葬式に出てはいけない?

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--職場の先輩から「妊婦はお葬式に出てはいけないって聞いたことがあるんだけど…」と聞かれたのですが、これは本当なのでしょうか?

杉山さん:そのようなマナーはありませんよ。妊婦さん自身の体調に問題なければ、参列してかまいません

--なるほど…。どうして、このような間違ったマナーが噂されてしまったんでしょう?

杉山さん:そうですね…。妊婦はお葬式に出てはいけない・お葬式に出る際にはお腹に鏡を入れておく、などは、今よりも医療が発達していない時代に妊婦さんを守るためにできた迷信かもしれません(ちなみに、鏡には古くから魔除けの力があるとされていました)。

4.お葬式の後、家に入る際にお清めの塩をかけなかったのですが大丈夫ですか?

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--お葬式に参列した後、家に入る前に母親から「お清めの塩」をかけるよう言われたことを覚えています。

杉山さん:そうですね。たしかにお清めのために塩をかける習慣はあります。

--なるほど。これは正しいマナーなんですね。

杉山さん。はい。ですが、仏教では死を穢れ(けがれ)としないので、お塩は必要ありません。ただし、神道では死を穢れとするので、塩をまいてお清めをします。

5.親が亡くなり、長男である兄が喪主。妹の自分は香典必要ない?

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--たしかに。このような場合、香典って用意するものなのか気になります。

杉山さん:たとえご自身の親御様の葬儀でも、別のご家族が喪主を務める場合は基本的に独立した別の世帯として香典を包みます。家族間で事前に取り決めができている場合や、実際の葬儀費用を負担する場合は香典を省略するケースもあります。

--なるほど。基本的に用意する必要はあるものの、時と場合によって変わってくるんですね。

葬儀会社に確認しよう

今回は間違えやすいとされているお葬式のNGマナーを5つピックアップしましたが、ほかにも気をつけるべき点は多々あります。困った際は、プロフェッショナルである葬儀会社の方に確認するのがおすすめですよ。

 

※記事内のイラストはイメージです。

取材したのは…

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取材:株式会社メモリアルアートの大野屋
杉山奈緒
2016年メモリアルアートの大野屋に入社。年間2万6千件を超えるお葬式、お墓、手元供養、無料仏事相談・お問合せを承ってきた「大野屋テレホンセンター」で仏事アドバイザーを務める。お墓ディレクター2級、仏事コーディネーターの専門資格を保有。豊富な知識と落ち着いた語り口でお客様に寄り添った回答が強み。『みんなの記事監修』でも葬儀・お墓・仏壇・終活・仏事マナーの専門家として活躍中。

テキスト・編集:TRILLニュース
イラスト:vaguely(Instagram / HP