「文句があるなら、俺より稼いでみろ！」言われた通り稼げるようになると、夫は？

モラハラをする旦那にありがちなのが、自分が稼いでいること、自分のお金で家族を養っているということを必要以上に強調するということ。しかし、もし何かの理由があって稼げなくなったら一体どうするつもりなのでしょうか。今回は稼ぎを誇るモラハラ夫を上手に黙らせた私の知人Oさんのお話です。

旦那はモラハラ男

Oさんの旦那さんは、典型的なモラハラ男。家事も育児も全く協力せず、Oさんをまるで召使のように扱ったり、「何もできない女」と見下したり。

Oさんも言い返しはするのですが、旦那さんは二言目には「文句があるなら俺より稼いでみろ！」と自分の稼ぎで家族が生活できているのだと主張します。

「私、パートに出るから」
ある日、Oさんが旦那さんに無断でパートの面接を受けたことを伝えました。
「パート？ どうせ主婦の小遣い稼ぎだろ。そんなはした金のせいで家事をおろそかにしたら、すぐ辞めてもらうぞ」
旦那さんはパートに反対はしなかったものの、Oさんがパートに行った日の夕食が少しでも品数が少なかったり簡単なものだったりすると、鬼の首を取ったように文句を言うように。

Ｏさんは家事と育児に追われながらも、以前に取得した調剤薬局事務の資格をいかしてパート勤めを続けました。

旦那がリストラ

そんな日々が続いていたある日、真っ青な顔で旦那さんが帰ってきました。
「会社が外資系企業に買収されて、大幅な人員整理があるらしい」
「え？ あなた大丈夫なの？」
「バカ野郎、俺は優秀だから首を切られるなんてことは……」
そう否定していましたが、その翌月には見事に人員整理の対象となり、旦那さんは職を失ってしまいました。

「大丈夫だ、絶対に前の会社より給料のいい会社を見つけてやる！」
そう意気込んでいた旦那さんですが、失業保険が切れるころになっても再就職先は見つかりません。自信満々だった旦那さんも日に日に焦りが出てきて、心に余裕がなくなっているのが目に見えるほどでした。

「まあ、私もパートしてるし」
Ｏさんがそう言って慰めても、旦那さんは聞き入れません。
「俺が本気を出したらこんなもんじゃない。ちょっとパートに出てるくらいで偉そうにするな！」
そう言ってＯさんを怒鳴りつけることもありました。

モラハラ旦那への逆襲

「私、フルタイムで働くことにしたから」
旦那さんの失業から半年以上経過した頃に、Oさんは言いました。Oさんが勤めている調剤薬局がフランチャイズという形で新店舗を出すことになり、Oさんはそこの事務長を任せられたのでした。
「はあ！？ お前に何ができるっていうんだ」
旦那さんは鼻で笑おうとしましたが、Oさんは旦那さんの口をぐっと手でふさいで言いました。

「だまれ、無職が。文句があるなら稼いでみろ！！！」
その発言に旦那さんはみるみるうちにおとなしくなってしまったといいます。

Oさんが事務長を務める薬局の経営は好調。Oさんはわざと毎月の給与明細を旦那さんの目につくところに置いておきました。
「お前、こんなに稼いでるのか……」
稼ぎだけが自慢だった旦那さんはすっかり意気消沈し、モラハラも影を潜めました。いつまで経っても仕事の見つからない旦那さんは、今では専業主夫としてOさんを支えているとのこと。

稼いでいる方が偉いとは一概には言い切れませんが、稼ぎだけを基準にして威張っているモラハラ男には一番の逆襲になりましたね。

ftnコラムニスト：緑子