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「アサリ」と「シジミ」、何が違う?含まれる栄養素&お勧めの料理は?専門家に聞く

  • 2023.5.23
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「アサリ」(写真)と「シジミ」の違いは?
「アサリ」(写真)と「シジミ」の違いは?

形がよく似ている貝として、「アサリ」と「シジミ」があります。一般的に、シジミはアサリよりも小さいといわれていますが、両者は具体的に何が違うのでしょうか。それぞれどのような栄養素が含まれ、どんな料理に使うのがお勧めなのでしょうか。栄養士の資格を持つ、料理研究家の長田絢さんに聞きました。

シジミの「オルニチン」は肝臓の働きをサポート

Q.アサリとシジミは何が違うのでしょうか。主な違いや特徴について、教えてください。

長田さん「アサリは、マルスダレガイ科アサリ属の二枚貝で、日本沿岸をはじめ、広い海域の干潟の砂浜や砂泥底に生息しています。殻の色や模様は多種多様ですが、放射線状の線や年輪状の線が入り、ザラザラとしているのが特徴です。流通しているアサリは、3~4センチのものが多いです。

シジミはシジミ科シジミ属の二枚貝で、主に日本や中国、韓国の河口、汽水湖などに生息しており、国内には3種類の在来種が生息しています。

国内で流通量が多いのは、ヤマトシジミです。大きさは2センチほどとアサリよりも小さめで、外見はつやのある濃い褐色が特徴です。手触りですが、アサリほどザラザラしておらず、ツルっとしています。

河川や淡水の湖沼に生息するマシジミは、ヤマトシジミより少し大きめで色も薄めです。セタシジミは、琵琶湖から流れ出る瀬田川で見つかるため、そのような名前が名付けられました」

Q.アサリとシジミは、それぞれどのような栄養素が含まれているのでしょうか。「シジミは二日酔いに効く」といわれていますが、本当なのでしょうか。

長田さん「アサリもシジミも、体に必要なアミノ酸のほか、ミネラル、タウリン、鉄分などが豊富に含まれているので、疲労回復や美容、健康効果が期待できます。

シジミが二日酔いに効く理由は、アミノ酸の一種である『オルニチン』という成分によるものです。この成分が肝臓の働きをサポートします。オルニチンは、アサリにはあまり含まれていません。

アサリは身が大きいので具として食べ応えがありますが、シジミは身が小さいので、だしを出す目的で使われ、身の部分を食べない人もいます。しかし、小さくてもうまみが濃厚でおいしいので、ぜひ食べてみてはいかがでしょうか」

Q.アサリとシジミは、それぞれどのような料理に向くのでしょうか。

長田さん「アサリは、うまみ成分のコハク酸やアミノ酸を豊富に含み、みそ汁や酒蒸しのほか、パスタやブイヤベースの具、イタリアの料理である『アクアパッツァ』など、和食から洋食まで幅広い料理に使われています。また、だしとしても活用できます。

シジミは、コハク酸やオルニチンなどのうまみ成分を含み、濃厚で特徴のあるだしがおいしいことから、だしを重視する和食が多く、みそ汁やお吸い物、つくだ煮、炊き込みご飯などに使われています」

Q.アサリやシジミを調理する際のポイントについて、教えてください。

長田さん「アサリとシジミは、砂抜きをしてから調理しましょう。アサリの場合は、食塩水に浸した状態で、2時間以上置いてください。この際、食塩水の塩分濃度は、3%程度に調整するのがポイントです。例えば、200ミリリットルの水を使う場合、5グラムの食塩を入れましょう。

シジミの場合、手順や時間は同じですが、薄い食塩水または真水で砂抜きをします。これは、アサリとは生息環境が異なるためです。

アサリとシジミに共通する話ですが、だしとして活用する場合、水に入れて加熱すると、じっくりとだしが出てきて貝の風味が濃くなります。一方、沸騰したお湯でゆでると、貝の身がふっくらと仕上がるので、用途によって調理法を使い分けるとよいでしょう。

アサリもシジミも、おいしくて栄養満点な上に、うまみたっぷりのだしが出て料理全体の香りや風味を底上げしてくれます。ぜひ食卓にたくさん取り入れてください」

オトナンサー編集部

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