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「詐欺のターゲットになりやすい人って?」ついやりがちなNGと対策、警察に聞いてみた

  • 2023.7.19

年々増え続けている「特殊詐欺」。警察庁の発表によると、その被害額は令和5年4月の時点で約123億円にものぼるそう。近年はインターネットやSNSの普及により、手口も複雑化してきています。

そこで今回は、特殊詐欺の実態について警視庁に取材。最近の詐欺被害の傾向や、具体的な対策方法を詳しくうかがいました。

最近の詐欺被害の傾向は?

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出典:Takashi Images/Shutterstock.com

オレオレ詐欺や還付金詐欺、預貯金詐欺などの手口や名目が巧妙化し、年代に関係なく、誰もが詐欺被害に遭う可能性があります

最近はインターネットやSNSが普及していることもあり、架空料金請求詐欺やサポート詐欺といったインターネットを使った手口も増えています。

特に、若年層(30~50代)は高齢者世代と比べて、スマートフォンやタブレット端末の所持率が高くインターネットやSNSの利用者も多いため、架空料金請求詐欺などのターゲットになりやすいでしょう。

--年代関係なく、詐欺被害に遭う可能性はあるのですね。架空料金請求詐欺とサポート詐欺について教えてください。

架空料金請求詐欺は、有料サイトや消費料金について「未払いの料金があります。今日中に払わなければ裁判になります」などとメールやハガキ(封書)で知らせ、金銭等をだまし取るものです。幅広い年齢層が被害に遭う可能性があります。

サポート詐欺は、パソコンやタブレット端末で動画やWebサイトなどを閲覧中に「ウィルスに感染」などと警告表示と連絡先が出て、ウィルス除去名目で現金振込や電子マネーカードの購入を要求する手口です。

今も特殊詐欺が増え続ける原因

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出典:fizkes/Shutterstock.com

--なぜ特殊詐欺の件数は増えているのでしょうか?

原因として考えられるのは「自分は詐欺の手口を詳しく知っているから大丈夫」「自分は若いから騙されない。騙されるのは高齢者だけ」といった、心の油断があるからなのかもしれません。

相手は犯罪のプロ。日々新しい手口を考えています。みなさんは防犯のプロになり、他人事とは思わずに「どうしたら詐欺の被害に遭わないか」「大切な人を詐欺の被害から守るためにはどうしたらよいか」と、興味を持つことが大切です。

--被害に遭わないためにも最新の手口について知っておきたいです。詐欺対策のために、何をチェックすればよいでしょうか?

特殊詐欺の新たな手口や対策は、インターネットやSNSでこまめにチェックするのがおすすめです。街中のATMや商店街、コンビニ、デパートなどでも、詐欺被害対策のポスターや電子掲示板(デジタルサイネージ)の放映で知ることができますよ。

重要なのは、それらに興味を持って目を向けることです。みなさん一人ひとりが「自分は大丈夫」という意識を変えて、「最近はどんな手口が増えているのか」「どんな対策をしたらいいのか」と興味を持つことが被害を減らすことに繋がります。

詐欺に遭わないために!気を付けてほしいポイント

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出典:thodonal88/Shutterstock.com

--詐欺に遭わないために、日頃から気を付けたほうがいいことや、注意点はありますか?

まずは、電話の相手が家族・親族の名前を出したとしても、キャッシュカードやお金の話が出たらすぐに信じないことです。いったん電話を切って、必ず家族に確認しましょう。家族・親族の氏名、住所や銀行の口座番号、暗証番号などの個人情報は話さないようにしてください。

家族だけの合言葉を決めておくのもおすすめです。電話では相手の顔が見えないため、声を聞き間違えて騙されてしまう可能性があります。

そして、一番大事なのは犯人と直接会話しないことです。留守番電話機能を活用して、知らない番号や非通知の番号の電話には出ないようにしてください。相手のメッセージを確認してからかけ直すようにしましょう。

--合言葉を決めておくのは今すぐできそうです。早速、家族と話し合ってみます!

ご自身の親や家族のために「迷惑防止機能付き電話機」や「ナンバーディスプレイ」、「ナンバーリクエスト」の導入を検討してみてください。

例えば、令和5年5月1日から、NTTと契約している70歳以上の利用者、または同人と同居している家族の契約回線は、ナンバーディスプレイ・ナンバーリクエストの月額料金と工事費用が無料となっています。

離れて暮らす家族でも代理で申し込むことが可能なので、積極的に利用してほしいです。

自分と大切な家族を守るために、詐欺に遭わない意識を

年々巧妙になっている詐欺の被害に遭わないためには、他人事だと思わず、意識して情報をキャッチしたり、家族と話し合って対策を考えたりしておくことが大切です。

自分だけではなく大切な家族を詐欺から守るためにも、今回のお話を参考にしてみてください。

 

取材協力:警視庁



編集:吉田穂菜美(TRILLニュース)

※記事内の画像はイメージです。