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些細な言葉が気にかかる、本当はSNSをやめたい…「対人関係に疲れやすい人」の特徴と対策14選

  • 2023.5.21

SNSでの繋がりや仕事上のメール等、デジタルコミュニケーションで戸惑ったことありませんか? オンライン上だと直接顔を合わせないので相手の表情がわからず困ったり、正解がひとつではないので悩むことも多いのでは。識者にオンラインでの人づきあいの悩みの解決法を教えてもらいました。

SNSとの上手な付き合いかた

「SNS疲れ」という言葉が一般化するなど、SNSにまつわる悩みを抱える人は多いよう。心理カウンセラーのみきいちたろうさんとITジャーナリストの鈴木朋子さんにSNSを気楽に楽しむためのマインドセット法や付き合いかたを教えてもらいました。

お疲れタイプ別“お悩み解決法”

一口に“SNS疲れ”といっても、人との比較、盛りたい願望、言い争いなどのトラブル、やめたいのにやめられない…などタイプはさまざま。ここでは、なかでも悩んでいる人が多いという悩みをピックアップ。疲れの主な原因と、現状と距離のとり方などの解決法を紹介します。これを読んで、気楽で楽しいSNSライフを取り戻そう!

他者と比較して疲れる

“みんなキラキラしていて自分がつまらなく感じる”“劣等感が刺激される”などが代表例。
鈴木さん 多くの人がSNSにハレの日のことを投稿します。
みきさん 人は誰しも、最新のスマホを買えても服は買えないなど、何かしらトレードオフをしているもの。それを忘れてこうだと思い込むと疲れの原因になります。

【解決法】一枚の写真がすべてだと惑わされないことが大事。
鈴木さん SNSは切り取られたもの、見せたい部分を見せるツールであることを改めて認識して。
みきさん SNSの中では並列でも現実の人生はそれぞれに違い比較できません。ドキュメンタリー作品で山あり谷ありの人生を見てみては。

自分を良く見せたいと思って疲れる

自分を良く見せたい気持ちが強く、反応を期待して無理をし、疲れるタイプ。
鈴木さん 認められると嬉しくなりますが、頑張りすぎは禁物です。
みきさん 投稿へのリアクションが自分の評価だと感じ、固執して躍起になるのでは。ただ、人は本来、多面的で複雑なもの。写真へのリアクションだけで人の本質は測れません。

【解決法】盛らないSNSで気楽さを取り戻す。
鈴木さん 最近、アメリカの若者の間では、盛ることがダサい、リアルへ回帰しようという新しいムーブメントが起こっています。現実を分かち合うことをテーマとした、加工なしの写真を投稿するSNS『BeReal.』などを活用して意識を変えて。

SNSをやめたいのにやめられなくて疲れる

疲れを理由にいったんSNSを離れようとするも、つい手に取ってしまうという人も多数。みきさん SNSに依存している状態といえます。
鈴木さん “新しい情報に乗り遅れたくない”“コミュニティにちゃんと参加している気持ちが欲しい”などと思っている人に見られがち。デジタルデトックスに失敗する人は多いです。

【解決法】SNSの優先度の見直し&アイコン削除で対策を
みきさん 生活におけるSNSの優先順位の見直しを。案外大したことないと気づける可能性が高いです。
鈴木さん アカウントを消すのは大変なので、ホーム画面のアイコンを消してアクセスしづらくしましょう。通知を切るのも有効。

鈴木朋子さん ITジャーナリスト、スマホ安全アドバイザー。SNSのトレンドや安全な使い方について執筆、講演を行う。メディア出演も多数。著書に『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶスマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など。

※ 『anan』2023年3月8日号より。イラスト・伊藤ハムスター 取材、文・重信 綾(by anan編集部)
※ 2023年3月5日配信

人の言葉に振り回されないためのスルースキルの養いかた

誰かに言われたことが頭から離れずモヤモヤしたり、ショックを受けて傷ついてしまう人も多いのでは? そんな悩みを抱える人におすすめなのが、人の言葉を重く捉えすぎずにうまく付き合うスルースキル。心理カウンセラーのみきいちたろうさんにスルースキルを養いかたを教えてもらいました。

「すべき」「な人」など“他人の文脈”を洗い出して反論

みきさん まずは、“すべき”“あなたはな人”“すべてのは××に違いない”など、頭の中で一般化して決めつけていることを洗い出しましょう。すると、その多くが“他人の文脈”で言われていることだと気づくはずです。次に、“すべきと言われているけど、この場合は仕方ない”など、洗い出した言葉に対して一つずつ反論を。すると他人の文脈を自分の文脈へと変えることができます。

“たかが1サンプルだ”と思って真に受けない

みきさん わずか1~2人の治験しかしていない薬の効能を信じて飲む人は、ほとんどいないはずです。言葉も同様で、もっともらしく聞こえたとしても、たかが1サンプルであり、確定されていない意見です。感情に流されるままに無責任に発せられたもの、強引に押し切ろうとして言ったことかもしれないなど、真に受けず落ち着いて判断を。

Beingに踏み込まれる内容は聞き入れない

みきさん ダメ出しのような言葉の中には、相手のことを思ってではなく、“あなたはダメだから言うことを聞け”という自分の思い通りにしたい気持ちから生まれたものが多くあります。行動=Doingではなく、人格や人間性に関わること=Beingに対して干渉してくる場合、“You are NOT OK.”ということを言われた時は、鵜呑みにしないよう注意が必要です。

「え、どういうこと?」と相手に聞き返す

みきさん 社会的な動物である人間は、公の礼儀や自他の区別を求められると、我に返るという特性があります。そのため、失礼なことを言っている人に公の雰囲気で迫ると、相手は怯み、困り、我に返ります。礼儀を求める態度をサッと示すことができると、次から言われないようにする防御策にもなります。

みきいちたろうさん 心理カウンセラー、公認心理師。トラウマ、愛着障害のケアを専門にカウンセリングを行う。著書に『発達性トラウマ 「生きづらさ」の正体』(ディスカヴァー携書)、『プロカウンセラーが教える 他人の言葉をスルーする技術』(フォレスト出版)。

※ 『anan』2023年3月8日号より。イラスト・伊藤ハムスター 取材、文・重信 綾(by anan編集部)
※ 2023年3月5日配信

仕事上でのデジタルコミュニケーションのマナー

SNSカウンセラーの浮世満理子さんとディレクトリジャパン代表の西原勇介さんにデジタルコミュニケーションのマナーについて教えてもらいました。

お悩み

ビジネスチャットとメールは使い分けたほうがいいんですか?
チャットは即時性、メールは記録用

情報を正しく管理するには使い分けは必要不可欠。
タスクやスケジュールを一元化でき、気軽に情報共有ができることから、ビジネスチャットの利便性が高まっている。しかし、全てのやり取りをチャットで行うのは避けるべき。

西原さん チャットは即時性の高さが魅力ですが、あとからメッセージの編集や削除ができるので、請求書や発注書、仕様書など重要な書類のやり取りには不向き。だからエビデンスとして残す必要がある重要事項の連絡は、送信時刻や宛名がしっかりと残り、電子記録として法的効力を持つメールが妥当です。

お悩み

ビジネスチャットって、メールと同じように文章を書いたほうがいいんですか?
140字、5行までで簡潔に伝えよう

移動中も返信しやすいよう文章は極限まで短くすべき。
リモートワークやモバイルワークが普及し、ビジネスにおける利用デバイスはPCだけでなく、スマホやタブレットがスタンダードに。

西原さん 特にチャットはスマホなどの小さな画面で見られることを念頭に置いて、情報をひと目でキャッチできるように、いかに短く、簡潔で、明瞭かということが重要に。スマホで瞬時に理解できるテキストは、ツイッターの文字数制限でもある全角140字以内。改行するなら5行までにとどめることを意識すると、相手に伝わりやすくなります。

お悩み

プロジェクトを円滑に進めるために、最初にしたほうがいいことはありますか?
既読スルー防止にはスタンプの提案を

過渡期だからこそ積極的に意見を述べてルール決めを。
最初にある程度ルールを決めておくと、トラブルも減ってストレスフリーに。

西原さん たとえば即時性が求められるチャットは、スタンプでとりあえず反応を示すと、既読スルーを避けることができます。スタンプもたくさんあるので、こういうケースはこれを使うなど、4~5個を厳選して、チーム全員で共通言語にしておくと便利です。

お悩み

プライベートのSNSアカウントに得意先や上司からリクエストが…
相手にせず反応しないが一番の拒否

無理に受け入れないことが、心地よい距離を保つ秘訣。
いまや仕事とプライベートでアカウントを分けるのは当然なので、承認する必要なし。

浮世さん 仕事の関係者と、プライベートでまで繋がりたくないなら、リクエストが来ても、そのまま放置しておきましょう。もし後日、『どうして承認してくれないの?』と問われても、『いまだにSNSの使い方がよくわかっていなくて気づきませんでした…』と、デジタル音痴を装って切り抜けてみて。それ以上は相手も追及してこないと思うので、関係が悪化する心配もありません。

西原勇介さん ディレクトリジャパン代表。海外の開発チームとシステムを作り上げるオフショア開発会社を経営。著書に『それでは伝わらない! ビジネスコミュニケーション新常識 デジタルグローバルな作法は若者に学べ』(日経BP)。

※ 『anan』2023年1月18日号より。イラスト・福田玲子 取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
※ 2023年1月12日配信

プライベートなデジタルコミュニケーションのトラブル回避術

恋愛コンサルタントの関口美奈子さんとSNSカウンセラーの浮世満理子さんにプライベートなデジタルコミュニケーションのトラブル回避術を教えてもらいました。

お悩み

グループLINEに乗り遅れた! どう反応するのがスマート?
リアクションボタンで静かに意思表示

返事が欲しい場合は、個別メッセージが無難。
複数人でトークできるのが魅力的なグループLINEだが、忙しくてスマホが見られない間に未読件数がすごいことに…、なんて経験は誰しもあるはず。しかし慌てずに対処を。

関口さん 乗り遅れたとしても、すでにやり取りが完結しているような内容ならわざわざ掘り起こさずに、リアクションボタンを押して反応だけ示しておきましょう。もし自分がいない間に物事が進んでわからないことがあれば、面倒でもどんな内容で決定事項は何か、個別に聞いたほうが、角が立ちません。

お悩み

既読スルー、未読スルーをされてしまったとき、追いLINEをしてもいいですか?
追い詰めずフランクに反応を窺う

相手が答えやすい話題を投げかけてみる。
返信が欲しいのになぜかスルーされていると、「あれ私、嫌われている?」と思いがち。

浮世さん 既読・未読スルーで悩むのは、本人が意図的に避けているのか、それともただ返信を忘れているだけか判断が難しい点。しかし、返信が欲しいなら、『あれ読んでくれた?』と、催促じみた文面にならないように気を付けながら追いLINEして大丈夫。

お悩み

マッチングアプリで相手に負担をかけずに次の展開に繋げるには?
共通の話題を見つけて自然と誘い出す

無意味なやり取りは避ける。ときには切り替えも必要。
マッチしたのにやり取りが続かなかったり、一問一答の質問ラリーになったり、なかなか話が盛り上がらないときの対処法とは?

関口さん 目的=会うこと。定型的な内容でダラダラとやり取りしても発展しません。共通点を探して、相手への興味関心を明確に示しながら、次のアクションに繋がるネタを提供しましょう。「寒いときにおでんを食べようと誘う」のはあくまで一例ですが、寒いという共通の話題から自然と誘うことで、目的達成にぐっと近づけます。

関口美奈子さん 恋愛コンサルタント、結婚相談所「エースブライダル」主宰。元銀座ナンバーワンホステス。著書に『「最初の男」になりたがる男、「最後の女」になりたがる女 夜の世界で学ぶ男と女の新・心理大全』(KADOKAWA)。

浮世満理子さん SNSカウンセラー。全国SNSカウンセリング協議会常務理事、全国心理業連合会代表理事。『カウンセラーが悩み解決! SNSコミュニケーション』(日本能率協会マネジメントセンター)など、著書多数。

※ 『anan』2023年1月18日号より。イラスト・福田玲子 取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
※配信

ストレスをこれ以上増やさないように

オンライン上のやりとりは、気軽にコミュニケーションがとれるからこそトラブルがつきもの。最低限のマナーを守り、同時に自分自身のメンタルも守りつつ、気軽に楽しめるといいですね。

まとめ構成・小田原みみ

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