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いくらハイスペックでも…! 勢いで結婚すると「後悔しやすい明確な理由」

  • 2023.5.18

現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、ハイスペックな彼と交際中の25歳女性。ついにプロポーズされたが…。三松先生が、結婚するにあたり、もっとも大事なことを教えてくれます!

彩花(25歳)、婚約者が友達レス。結婚式の予定を立てはじめたけれど友達いない男ってどうよ

【レスなひとびと】vol. 203

「結婚しよう」

誕生日ディナーのあと、ハリー・ウィンストンの指輪をパカッ。彩花は世界一幸せだと思った。

彼の千景は商社マン。顔がシュッと細くて身長も高い。彩花が憧れてたK大学卒。今までも、彩花は友達から「いいな〜」とうらやましがられてきた。その彼がついに、プロポーズしてくれたのだ!

プロポーズされつつ、彩花は脳内で「SNSへの投稿文は何にしようかな」と考えはじめる。ああ、みんなの反応が楽しみすぎる。

爆速で結婚式場を決めて、インスタで花嫁アカも作った。
しかし…。

「招待客の人数差、ありすぎじゃない!?」

千景は、招待したい友達がゼロらしい。「俺、全然友達いないし」と。確かに、休日も彼はいつも家にいる。

「ええ? K大学のすてきな学友は呼ばないのー?」

彩花はしょんぼり。こちらは学友狙いの女子友ゲストがたくさんいるのに、どうしたらいいんだろう。プロポーズ報告をSNSへ投稿したとたん、みんなからのリアクションは最高だった。でも、気持ちよかったのは一瞬だけ。

実際はなんだか満たされない。エッチだって最近、あんまりしてないし。「新婚早々、レスにはなりたくないよ…」というのが本音。友達には言いたくないから、自分の機嫌は自分で取る。ヘアサロンとまつげサロンとランジェリーショップをはしごして、口角上げて千景の部屋に。

「ただいま〜」

「どうしたの、あやたん。機嫌いいね」

そう笑いかけてはくれたものの、千景はなにも気づいてくれない。
でも「ベッドでなら」と思った彩花は夜、念入りに髪をブローして、ベッドにイン。いい香りのヘア美容液もつけてる。南青山で買った7,000円のやつ。

「ねぇねぇ」と甘えると、千景は「ん?」と覆いかぶさってきてくれた。

「こっちおいで」って、おでこにキス。でもいい香りには気づかない。そして、パジャマのボタンを外す。でも、新調したランジェリーへの感想はなし。あああ、燃えない。

なんとなく、彩花を見てしてくれてるんじゃなくて、「彼女だから一応ルーチン」でそうしてくれているだけのような気がしてむなしくなる。結婚だって「そういうものだから」しようと流れ作業でしてるだけな気がした。

千景って、人に関心がなさすぎる。こんなにカンペキなのに、友達が全然いないのはそのせいなんじゃない? 別に趣味や仕事で忙しいとかじゃなくて。幼少期から見た目がよくて、勝手に人が寄ってきたぶん、自分から関心をもって人と親しくなろうとした経験がないんだろう。千景はあれこれ想像する。

友達レスなところをあらためて知って、急に彼がしょうもない奴に見えてきた。

お互いの両親への挨拶もしたし、式の予約金も振り込んだけど、まだ入籍はしていない。みんなからはうらやましがられてるけど…この結婚、どうする彩花!!!!

【三松さんからのコメント】

彩花さん、友達がいないのは、悪いことではないのですよ。逆に、友達付き合いが頻繁すぎて、家庭をおろそかにするメンズもいますし。「夫が地元の友だちと夜になるとスケボーして夜中まで帰宅しません」という悩み相談を先日受けたばかりです。

式の招待客は、両家が納得しているのであれば、かならずしも揃える必要はないでしょう。最近は参列者レンタルっていうサービスもあるんですってね! 婚姻数が減少中の我が国、花嫁・花婿もレンタルなんじゃないかって感じるときもありまする。イイね獲得のために「花嫁やってみた」的な。

さて今回、問題なのは、友達レスなことじゃなく、彩花さんに対する関心がないこと。
結婚したあと、ふたりで取り組むプロジェクトはもっともっと増えます。今の時点で、彩花さんに関心がないとなると、妊娠や出産など、カラダの負担が大きい時期を乗り切るシーンで妻側が置いてけぼりになりそうな予感。

もう一度考えてみてください。彩花さんは、千景さんのどんなところを好きになったのですか? もし、「ルックスが好みでスペックの高いところ」なのだとしたら、千景さんのことをとやかく言う権利はありません。

逆に、千景さんは、彩花さんのどんなところを好きになったのでしょうか。「かわいい」とか「やさしい」とかあたりさわりのない回答であれば、彩花さんが考えているとおり「そういうものだから」結婚しようとしているのかも。具体的にどこが好きかパキパキ言えるか確認を。
今からだって遅くない。結婚に大事なのはまわりの「イイね」じゃなくて二人の納得感。もう一度、じっくり話し合ってみようではないか。

「彼が友達レスでも夫としてダメなわけではない。ガチ親友が一人だけいるとか、最低限のコミュニケーションは取れるとか細部まで観察してみるとよいでしょう。まれーにヤリペニで評判最低の友達レス男みたいなのはいるからそこは注意ね」

三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。

©EmirMemedovski/Gettyimages

文・三松真由美

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