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1歳になったら辞めた方がいいの!?助産師が教えるママが迷いがちな育児のNG・OKとは?

  • 2023.5.18
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助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、ママやパパが悩みがちな1歳からの子育てについて教えてくれました。1歳になるとできることも増えてきて、成長も著しくなる時期でもあります。1歳を区切りにする育児もいくつかありますよね。ぜひ参考にしてくださいね。

1歳になると、赤ちゃんではなくなるイメージがあるパパやママは多いようです。離乳食も完了してくるこの時期、ママが悩みがちな授乳に関しての疑問についてお話ししていきます。

母乳は1歳になったらやめた方が良いの?

祖父母世代は、1歳になったら卒乳をするというのが一般的で、1歳健診の母子手帳の項目にも離乳の有無の項目がありました。現在は母子手帳が改訂されて、その項目は削除されています。

以前いわれていた、母乳の栄養がなくなってくるという事実はなく、1歳を過ぎても栄養や免疫成分は変化することはありません。また、長期授乳は、感染症の重症化リスクを抑えるなどの子どもへのメリットだけではなく、乳癌・卵巣癌の発症リスクが抑えられるなど母へのメリットもあると言われています。WHOと UNICEFなど世界的な機関では2歳までの母乳育児と子どもが欲しがればそれ以降も継続することを推奨しています。また、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」によると日本では、離乳の完了の時期はエネルギー や栄養素の大部分が母乳又は育児用ミルク以外の食物から摂取できるようになる生後12カ月〜18カ月頃と言われています。

1歳以降の母乳育児は強制するものではなく、多様性に合わせた柔軟な対応が必要となってくると思います。

1歳になったら育児用ミルクはフォローアップミルクに変えた方が良い?

まずは、育児用ミルクとフォローアップミルクの違いを知ることが大切です。
育児用ミルクには「母乳の代わり」という目的があります。そのため、成分をできるだけ母乳に近いものになるように開発しており、離乳が完了する目安とされる1歳までが対象となっています。

一方、フォローアップミルクには「離乳食や食事で不足しがちな栄養を補うもの」という目的があるため、その目的に合わせた成分が配合されていて、離乳食後期にあたる満9カ月ごろ~3歳までの栄養補助食品として利用できます。

フォローアップミルクは母乳代替食品ではないため、離乳が順調に進んでいる場合は、摂取する必要はありません。離乳が順調に進まず鉄欠乏のリスクが高い場合や、適当な体重増加が見られない場合には、かかりつけ医などに相談した上で、必要に応じてフォローアップミルクを活用するなどしてもよいでしょう。

また、体重増加などの成長が順調で、離乳食を標準量食べれているようでしたら、母乳や育児用ミルクのままで変える必要はありません。

お子さんの様子にあわせて検討しすることが大切になります。

1歳になったら、母乳もミルクもやめた方が良いの?

離乳食も標準量食べれていて、体重増加など発育が順調なお子さんの場合、1歳になったので母乳や育児用ミルクをあげるのをやめたという場合もあるでしょう。

母乳や育児用ミルクの卒業のタイミングはあくまでもお子さんの発育の状態や、ママの様々な状況によって柔軟に対応するのがよいでしょう。

離乳食が順調に進んでいるのであれば、1歳で母乳やミルクを卒業し、場合によってはフォローアップミルクを上手に活用するのも良い方法かと思います。

食事をたくさん食べれていても、1歳ごろは食事の固形栄養からとれる栄養は十分ではないこともあり、母乳や育児用ミルクの液体栄養の方が栄養がとりやすい時期とも言われているので、1歳半ごろまでは母乳や育児用ミルクを続けるという選択でももちろん問題ありません。お子さんが飲まなくなって卒乳したり、育児用ミルクを嫌がって飲まないなどであれば、無理にあげなくても大丈夫です。その場合は、食事で動物性タンパク質などを積極的に取り入れて、食事のバランスに気をつけてあげるようにしましょう。

「1歳になったから」と区切りをつけるのではなく、子どもの発育状態やママの気持ちを大切にしながら、卒乳のタイミングを検討してみてくださいね。

まとめ

1歳ごろは、歩きだしているお子さんもいたり活動量も多くなり、体重増加も横ばいになってきます。そして、離乳食の完了時期や授乳の様子など個人差が大きい時期かなと思います。1歳という年齢だけではなく、悩んだ時は、小児科医や保健師・助産師などの専門家に相談したり、お子さんの様子をみながら柔軟に対応していけると良いですね。

引用参考文献:NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会編集、『母乳育児支援スタンダード』 医学書院、2009

引用参考文献:授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)|厚生労働省


監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀

ベビーカレンダー編集部

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